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おはようございます。大塚亮です。
2021年9月1日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の8月31日終値は80.459円、前日比0.261円高と上昇した。取引レンジは80.645円から80.073円。
8月27日夜のパウエル米連銀議長講演をきっかけとしたドル全面安により豪ドル米ドルが一段高してきたが、30日は上げ渋ったものの31日午後にかけて豪ドル米ドルが高値を切り上げたことで豪ドル円も一段高に入り夕刻にはこの日の高値となる80.645円まで上昇した。
31日夜は欧米経済指標の発表が強弱まちまちとなる中で乱高下も見られ、豪ドル米ドルは午後に0.7341ドルまで高値を切り上げてから反落したものの0.730ドル台序盤で確りし、ドル円が深夜にかけて109.50円台へ急落してから110円超えへ反騰したことで豪ドル円は深夜に80.134円まで反落してから再び80.50円台をいったん回復するところまで戻す展開だった。
注目ポイント V字反騰の継続
豪ドル円は5月10日高値85.795円を天井として下落期に入り、7月20日安値79.833円まで下げた後に下げ渋り型の持ち合いとなっていたところから下放れて8月20日安値77.896円へ一段安となった。しかしそこからはV字反騰に入っている。
8月20日にかけての為替市場はドル全面高の様相でユーロやポンド等のメジャー通貨に加えて豪ドル等の資源通貨も売られてきたが、8月23日からは総じて反騰入りしてドル全面安の様相となり8月27日のパウエル米連銀議長講演がハト派だったことによりドル安感が一段と加速した。
その中でドル円は8月19日以降を110.20円台から109.40円台までのボックスレンジでの持ち合いにとどまって推移しているが、豪ドル米ドルは豪経済指標が弱めではあるものの全般のドル安に乗じて上昇しており、8月20日からのはV字反騰型での戻りを継続している。豪ドル円も豪ドル米ドルに同調したV字反騰の継続であり、7月20日安値を割り込んでの一段安した下げ幅を解消している。
豪ドル米ドル及び豪ドル円のV字反騰が継続できるかどうかは今週末の米雇用統計に相する市場反応次第であり、戻り一巡から8月前半の下落を再現するリスクも抱えているが、勢い付けば5月10日天井からの下落一巡による反騰継続として当面を高値追及で推移してゆく期待も高まると思われる。
注目材料 豪経済指標は鈍化傾向目立つ
8月31日発表の豪7月住宅着工許可件数は前月比8.6%減となり6月の11.8%減に続いて悪化傾向を示し市場予想の5.0%減を下回った。前年同月比では28.8%増となり6月の53.8%増(速報の49.7%から上方修正)から後退した。昨年のコロナ不況時との比較で前年比は大きな伸びを示しているものの前月比ベースでの伸びの鈍化が目立つところだ。
4-6月期の豪経常収支は205億豪ドルの黒字で市場予想の210億豪ドルを下回ったが、1-3月期の183億豪ドルは上回った。
7月の民間部門貸付は前月比0.7%増となり6月の0.9%増からは伸びが鈍化、住宅ローンも前月比0.6%増で6月の0.7%から伸びが鈍化した。
9月1日朝に発表されたAigの8月製造業PMIは51.6となり7月の60.8から低下した。マークイットによる8月製造業PMI改定値は52.0となり7月の56.9から悪化した。総じて景況感の悪化が目立つ状況が続いている。
9月1日午前発表の豪4-6月期GDPは前期比0.7%増で1-3月の1.8%増からは伸びが鈍化したが市場予想の0.5%増を上回った。前年同期比は9.6%増で1-3月の1.1%増から大きく改善して市場予想の9.2%増も上回った。しかし現在のオーストラリアは感染拡大によるロックダウンが長期化しており7-9月期のGDPはマイナスに転落すると懸念されているため市場も4-6月期の数字は過去のこととして強気反応しきれないようだ。
短期テクニカル分析
60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられるが、豪ドル円は8月20日夕安値を起点として上昇期に入ってきた。8月26日朝高値でいったんピークを付けたが20日夕安値から5日目となる27日午前安値からの反騰で一段高したために30日午前時点では27日午前安値を新たな起点とした上昇期に入ったとした。31日夕へ高値を切り上げてから小反落したものの1日午前にはさらに高値を更新しているのでまだ一段高余地ありとみるが、31日深夜の反落時安値80.134円割れからはいったん下落期に入るとみて9月1日の日中から3日午前にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では8月27日夜の一段高で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜き返したが、31日夜の反落時も両スパン揃っての好転を維持してその後も一段高しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とし、弱気転換は先行スパンから転落するところからとする。
60分足の相対力指数は31日夜の50ポイント割れを切り返しているのでまだ上昇余地ありとするが、相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気ダイバージェンスがみられる場合は反落警戒とし、45ポイント割れからはいったん下げに入りやすいとみる。
9月1日の売買戦略
高値切り上げが続いているので、直近の高値から0.50円前後規模の反落が入っても買い戻されている流れを踏まえ、31日夜安値80.134円割れを回避するうちは押し目買い有利の展開として81円到達を目指す流れとみる。81円到達では反落注意だが、31日夜安値割れを回避しての推移なら2日の日中も高値試しを続けやすいとみる。弱気転換は31日夜安値割れからとし、その際は79円台後半(79.85円から79.50円)を試す流れとみるが、79.65円以下は押し目買いされやすい水準とみる。
9月1日の注目経済指標
- ドイツ
- 15:00 7月 小売売上高指数 前月比 (6月 4.2%、予想 -0.9%)
- 15:00 7月 小売売上高指数 前年同月比 (6月 6.2%、予想 3.7%)
- 16:55 8月 製造業PMI改定値 (速報 62.7、予想 62.7)
- 21:00 (独) バイトマン独連銀総裁、講演
- ユーロ圏
- 17:00 8月 製造業PMI改定値 (速報 61.5、予想 61.5)
- 18:00 (欧) 7月 失業率 (6月 7.7%、予想 7.6%)
- 英国
- 17:30 8月 製造業PMI改定値 (速報 60.1、予想 60.1)
- 米国
- 21:15 8月 ADP非農業部門雇用者数 前月比 (7月 33.0万人、予想 61.3万人)
- 22:45 8月 製造業PMI改定値 (速報 61.2、予想 61.2)
- 23:00 8月 ISM製造業景況指数 (7月 59.5、予想 58.5)
- 23:00 7月 建設支出 前月比 (6月 0.1%、予想 0.2%)
- 23:30 EIA週間石油在庫