ECBの量的緩和策縮小【今週の為替相場予測】|2021年9月06日週

ECBの量的緩和策縮小【今週の為替相場予測】|2021年9月06日週

こんにちは。鈴木郁夫です。

今週の、為替相場予測です。

【2021年9月6日週】概況・展望

パウエルFRB議長は先のジャクソンホール会合で早期のテーパリング開始には慎重姿勢を示していたが、先週末の米雇用統計は市場予想を大幅に下回るなど、FRB議長の発言を裏付けた格好である。相対的には過剰流動性相場が顕在化しており、株価の押し上げ材料になっているが、既に最高値圏で推移している以上、適宜な利益確定売りでリスクの軽減を図ることが求められる。

一方、アフガニスタンを巡る地政学的リスク、中国経済の先行き不透明感、そして、デルタ株による感染拡大が再燃するなど、様々なリスク回避モードがマーケットを席捲しており、安易に方向感を見出せない状況にあるが、ドル円相場は売買材料が散在する中、リスク回避のドル買いと円買いが同居しているため、ドル円110円前後でももみ合い相場が続いている。

そして、ユーロドルはジャクソンホール以降、米金利の低下や米雇用情勢の悪化を踏まえて、底堅い展開を見せてはいるが、自律反発とは言い難い状況にあり、過度なユーロ高期待は描きづらい状況にある。

【2021年9月6日週】注目経済指標

菅首相の不出馬発言で政局不安に陥っているが、株価自体は大幅に反発しており、為替相場の影響は限定的なっている。その中、米FRBによる早期利上げ観測の後退したことから、拙速的にドルを買い上がる雰囲気は失せつつある反面、市場はリスク選考型のマーケットになっており、ドルの更なる下落局面では一旦買い戻しに転じることが得策であろう。そして、今週は冴えない米雇用統計を受けて、複数の連銀総裁の発言が相次ぐが、ハト派とタカ派に分かれており、また、9日に開催されるECB理事会でECBの量的緩和策縮小の論議が開始される見通しではあるが、米国と同様に、時期尚早との見方が支配的である。当面、過剰反応することなく、相場の動意を待ってからの始動が一考であろう。

注目指標

  • 06日(月)米国市場休場
  • 独7月製造業新規受注(前月比) -1.0%←4.1%
  • 07日(火)豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表 0.1%←0.1%
  • 欧4-6月期四半期GDP確定値(前期比) 2.0%←2.0%
  • 独9月ZEW景況感調査(期待指数) 30.0←40.4
  • 08日(水)日4-6月期四半期GDP改定値(年率換算)1.6%←1.3%
  • 日4-6月期四半期 (GDP改定値)(前期比) 0.4%←0.3%
  • カナダ銀行政策金利 0.25%←0.25%
  • 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 09日(木)欧州中央銀行(ECB)政策金利 0.0%←0.0%%
  • ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
  • 10日(金)米8月卸売物価指数(PPI)(前月比) 0.6%←1.0%
  • 米8月卸売物価指数(PPIコア指数(前年同月比)6.6%←6.2%

乖離幅チャート分析

2つの通貨ペアの乖離幅から売買シグナルを見つける。チャートはシンプルイズベストが重要!主要8大通貨から高金利のマイナー通貨まで幅広く活用可。ドル円相場を基軸に、他の主要通貨との比較及び乖離幅で売買を模索する手法です。FXをエンジョイしながら収益チャンスを掴むためには、一目瞭然のチャートが求められています。

2021年9月06日乖離幅チャート分析

【乖離幅チャート分析の見方】
ドル円のみユーロ相場(ユーロ円VSユーロドル)の乖離幅から判断。他の主要通貨は対ドル円相場との乖離で売買の判断基準となります。乖離幅が拡大した時点で強弱の売買シグナルが発生します。基本的には通常よりも強めの売買シグナルが発生してからの始動が効率的です。

各通貨ペア動向

ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)

2021年9月06日ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)

  • 平均乖離幅 0.0750
  • 現状乖離幅 0.0761→0.0747

先週の様子見に近い売りシグナルドル円109.85円から若干下落してはいるが、今週は逆に様子見に近い買いシグナルドル円109.75円が点灯しているに留まり、相場が動意づくまでは静観せざるを得ない状況に置かれている。
★売りターゲット(ドル円109.80円)

ユーロドル(ユーロ円-ドル円)

2021年9月06日ユーロドル(ユーロ円-ドル円)

  • 平均乖離幅 20.50円
  • 現状乖離幅 19.70→20.65円

先週の弱い買いシグナル1.1793から上昇に転じており、今週は利益確定売りを伴い、弱い売りシグナル1.1882が点灯している。
★買いターゲット(1.1840)

豪ドル(ドル円-豪ドル円)

2021年9月06日豪ドル(ドル円-豪ドル円)

  • 平均乖離幅 29.00円
  • 現状乖離幅 29.55→27.90円

先週の弱い買いシグナル0.7310から上昇を速めており、今週は利益確定売りを伴い、弱めの売りシグナル0.7458が点灯している。
★買いターゲット(0,7370)

ポンドドル(ポンド円-ドル円)

2021年9月06日ポンドドル(ポンド円-ドル円)

  • 平均乖離幅 41.75円
  • 現状乖離幅 41.35→42.45円

先週の様子見1.3764から上昇に転じており、今週は弱めの売りシグナル1.3868が点灯している。
★買いターゲット(1.3780)

本ペットチャートは3~5段階で少な目からの分散投資をお勧めします。

売買シグナルは添付のチャートを参照してください。尚、最終的な投資判

断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。

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