ポンド円 8月20日以降の高値を更新だが新たな押し上げ材料欲しいところ

ポンド円 為替相場分析

おはようございます。大塚亮です。

2021年9月6日の相場分析です。

概況

ポンド円の9月3日終値は152.077円、前日比0.025円安とわずかに下落した。取引レンジは152.293円から151.758円。

9月3日夜の米雇用統計で非農業部門就業者数が予想を大幅に下回ったことで発表直後にドル全面安となり、ドル円が急落する一方でポンドドルが一段高に入り4日未明まで上昇を継続して1.3890ドルまで高値を切り上げた。このためポンド円も4日未明には152.293円の高値を付けたがその後はポンドドルの上昇にブレーキがかかったことで頭打ちとなった

ポンド円は米雇用統計発表直後に151.758円へいったん下げてから152.219円まで反騰、再び151.790円まで反落してから切り返して4日未明高値でわずかに3日昼高値を超えたが長続きしないというやや乱調な展開だった。

日足は前日まで5日連続陽線で上昇し、3日も高値を切り上げたものの陰線に終わっている。

9月6日午前序盤は週末に急落したドル円がやや戻し、ポンドドルが失速となりポンド円には強弱相殺で151.10円を挟んでの揉み合いで推移している。

注目ポイント 米雇用統計通過でドル安に一巡感

米雇用統計では非農業部門就業者数が予想の75万人増に対してわずか23.5万人増にとどまったことがサプライズ要因となってドル安反応を招いたが、一方で失業率は7月の5.4%から5.2%へ改善、平均時給も物価上昇を反映して前月比で7月の0.4%から0.6%へ上昇、前年同月比で7月の4.1%から4.3%へと上昇するなど決して悪い内容ではなかった。このためユーロドルや豪ドル等は発表直後に高値を付けた後は頭打ちとなって下落、ポンドドルはユーロの反落との裁定で4日未明まで買われたもののその後に失速するなど全般的には8月20日以降のドル安基調にはブレーキがかかった印象だ。

ポンドドルは8月20日への下落では7月20日安値割れを回避して両安値をダブル底型に戻してきた。現状はまだこの流れの範囲にあるが、7月20日からの反騰は7月30日まで数えで9日間に終わって下落に転じているが、今回も8月20日からは9月3日までで11日を経過しており、同様の規模で戻したものの勢いは7月20日からの反騰時に劣る状況にある。

ポンド円も同様にダブル底型を形成しての戻りだが、7月20日からの反騰は7月29日で行き詰まり8月10日に7月29日高値に迫ったものの高値更新に失敗して下落に転じており、8月20日からの反騰は7月29日への上昇時と比較すると角度が鈍い印象もある。

ポンドドルに牽引されてポンド円が一段高へ進むには、全般的なドル安基調をさらに推進する材料的な押し上げか、ないしはポンドドルの上昇一服中にドル円が勢いよく反騰する動きが欲しいところだ。

注目ポイント 英中銀は金融緩和維持だが今週のECB理事会は?

今週は9月7日に豪中銀理事会、9月9日にはECB理事会がある。英中銀の次回金融政策決定会合は9月23日でありまだかなり日数がある。

パンデミック対策として主要中銀はリーマンショック時を上回る大規模な量的金融緩和を行ってきたが、景気回復と物価上昇が顕著になる中で徐々に正常化=量的緩和縮小への動きが出てきている。すでにカナダ中銀が量的緩和縮小に入り、米連銀も量的緩和縮小議論に入っている。しかし一方でデルタ株による感染拡大もあり、NZ中銀は8月17日に予想されていた利上げを見送り、豪中銀も大規模なロックダウンの中で量的緩和縮小開始への躊躇がみられるなど、各国の事情が異なり始める中で金融政策のスタンスにも差が出ている。

ポンド円としては9月9日のECB理事会で年後半への景気及び物価見通しと金融緩和縮小への姿勢がどの程度みられるのか注目されるところだ。英中銀は8月5日の前回会合で政策金利を過去最低の0.1%に据え置き、量的金融緩和による資産購入枠についても従来からの総額8950億ポンド(国債8750億ポンド、社債200億ポンド)を維持しており、当面は緩和政策の継続が見込まれている。ECBとのスタンスの差が意識されればユーロ買いポンド売りへの圧力も発生しやすくなる可能性もあるところだ。

短期テクニカル分析

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。

8月20日安値を起点とした上昇基調を継続してきたが、8月27日午前安値から4日目となる9月2日午前安値で目先の底を付けて一段高に入った。9月4日未明高値の後は上げ渋りだが大きく崩れずにいるのでまだ6日夜から8日夜にかけての間への上昇余地が残るが、ドル安基調への一服感も出ているので、9月3日夜反落時の安値151.758円を割り込む場合はいったん下落期に入るとみて9月7日午前から9日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では9月3日早朝からは高値の切り上げも見られたものの揉み合いの様相となったことで遅行スパンが実線と交錯して方向感に欠けてきている。先行スパンを上回る状況は維持しているので、先行スパンからの転落回避中は上昇余地ありとして9月4日未明高値超えからは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からはいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は9月3日早朝から4日未明へ高値を若干切り上げた際に指数のピークが切り下がる弱気ダイバージェンスがみられるので下げやすい状況と注意する。60ポイント台回復からは上昇再開とみるが、50ポイント以下での推移が続き始める場合は下向きとして30ポイント割れを目指す流れとみる。

9月6日の売買戦略

8月20日からの上昇基調継続中だが上値も重くなっているところであり、目先は9月4日未明高値152.293円超えからは152.50円、152.75円、153円と段階的に試してゆく可能性を残すとみるが、9月3日夜安値151.758円割れからはいったん下げに入るとみて151.50円、151.25円、151.00円と段階的に安値を試しに向かう流れとみる。

ドル円の急伸やポンドドルの一段高等が発生すれば上向きだが、9月3日夜安値を割り込んで下落に入る場合、8月20日からの上昇基調一巡により下落規模も大きくなる可能性がある点に注意したい。

9月6日の注目経済指標

  • 休場、米国、カナダ(レーバーデー)
  • ドイツ
  • 7月 製造業新規受注 前月比 (6月 4.1%、予想 -1.0%)
  • 7月 製造業新規受注 前年同月比 (6月 26.2%、予想 18.9%)