ポンド円見通し 3連騰後の上昇一服だが153円前後で底固い動き

ポンド円

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月27日の相場分析です。

概況

ポンド円の12月24日終値は153.314円、前日比0.158円安と小幅下落した。取引レンジは153.552円から152.944円。
12月20日に149.525円まで反落したものの12月3日安値148.983円割れを回避して切り返しに入り、12月21日から23日まで3連騰で153.708円まで高値を切り上げてきた。

12月24日は米独市場等が休場で市場参加者もクリスマス休暇で少なく、手掛かりとなる主要指標の発表もなく小動きで連騰後の一服からやや下落したというところ。
12月27日は米国市場は開くもののオセアニア市場、英国とカナダ市場等は休場となり、やや動意に欠ける展開が続きやすいと思われる。

テクニカルポイント ダブル底型からの上昇で二段目に

ポンド円は12月3日及び12月20日の150円割れを買い戻されてダブル底型を形成、12月16日高値を超えて二段目の上昇に入った。
12月23日高値で153.708円を付け、10月20日高値158.219円から12月3日安値148.983円までの大幅下落に対する半値戻しラインの153.601円をクリアした。24日は上昇一服でやや下げたものの高値切り上げに入れば3分の2戻しとなる155.140円を目指す可能性も出てくるところと思われる。

153.60円台から154.50円手前にかけては日足の一目均衡表で先行スパンが控えており現状の上昇に対する抵抗帯を形成しているが、年明けにかけて154.50円を超えてくれば先行スパン突破となり上昇も勢いを得て10月20日高値に迫る流れへ進む可能性も開けてくるのではないかと思われる。ただしそのためにはオミクロン株を主流とした感染急増でもパンデミック初期のようなリセッション入りは回避されて景気拡大は続くとの見通しが維持されて金融市場全般がインフレを伴いつつリスクオン優勢の展開で進む必要があるだろう。

注目情勢 英国での新規感染者は12万人超え、クリスマス休暇明けの規制は?

12月24日に英国における新規感染者数は12万2186人に達した。1月8日に6万7794人のピークを付けたところからいったん春に減少して2000人前後規模で落ち着いていたが、7月に急増した後は減少しきれない状況に陥り、オミクロン発生から急増に転じている。12月11日に53399人だったところから12月16日に8万人を超え、さらに急増を続けている。12月25日、26日の感染者数は集計発表がまだ見られない。

英国において今年1月には1日で2千人近い死者が発生したことと比較すれば現状は200人前後規模の死者にとどまっており重症化率や死亡率は第1波や第2波と比較すれば低い。ジョンソン英首相はクリスマス休暇前のロックダウンは考えていないとしていたが休暇明けに規制強化へ舵を切るのか、このままウィズ・コロナ政策を継続するのか注目される。

米国では12月24日に21万人超、フランスで9万人超と各地で急増が続いている。また12月24日から26日にかけては世界各地でのパイロット感染の影響等で4500便以上が欠航しており運輸、物流面での支障が発生しているが、英国ではEU離脱とコロナ渦による影響でガソリン在庫が店頭から枯渇して軍隊が輸送を支援するような事態も以前に発生しているので、年末から年明けにかけて感染拡大が続くと生活物資不足への不安も再燃しかねないと思われる。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。
12月16日夜高値を起点とした下落期が12月20日夜安値で一巡して揺れ返しの上昇期に入ったとして12月21日午前時点では21日夜から23日夜にかけての間への上昇を想定した。

12月23日深夜へ一段高したところから上げ渋りに入り、その後も高値更新へ進めずにいるので現状は12月23日深夜高値をピークとした調整期にあると思われる。153円割れは買い戻されているのでやや緩めでジリ安型の調整と思われるが、23日深夜高値を超えないうちは27日夜から28日午前にかけての間への下落余地ありとし、23日深夜高値超えからは新たな上昇期入りとして28日夜から30日深夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では12月24日夜の下落で遅行スパンが悪化した。先行スパンへ潜り込んでいるが上抜き返しつつあり、先行スパンの上部が下値支持として機能している印象だ。23日深夜高値を超えないうちは遅行スパン悪化中の安値試し優先とするが、23日深夜高値超えからは上昇継続として遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は50ポイントを挟んで揉み合いとなっている。60ポイント以下での推移中はもう一段安余地ありとみるが、60ポイント超えからは上昇再開と仮定し、23日深夜高値超えからは70ポイント台中盤を目指す流れとみる。

12月27日の売買戦略

150円割れを何度も切り返してきたパターンを現状も維持しており、12月23日深夜からは上昇一服でやや調整気味の推移だが12月3日以降の上昇基調はなお継続とみて押し目買い有利の情勢と考える。

153円から152.65円にかけてのゾーンは押し目買いされやすく、23日深夜高値153.708円超えからは154円台中盤(154.30円から154.70円)を目指す流れへ進むとみる。
152.65円割れからは152円台序盤(152.30円から152.00円)を試すとみるがそこは買い拾われやすいと考える。

12月27日の主な予定

  • 休場、NZ、豪、香港、南ア、英国、カナダ
  • 米国
    ー24:00 12月 ダラス連銀製造業活動指数 (11月 11.8)
    ー27:00 財務省2年債入札

今週の主な英国関連予定

  • 12/28(火)
    ー休場、NZ、豪、英国、カナダ
  • 12/29(水)
    ー特になし
  • 12/30(木)
    ー16:00 12月 ネーションワイド住宅価格 前月比 (11月 0.9%、予想 0.5%)
  • 12/31(金)
    ー休場、日本、スイス、ドイツ、韓国、台湾、タイ、ロシア、ブラジル、香港
    ー英国(短縮取引)、米国(債券市場は短縮取引)
  • 1/3(月)
    ー休場、日、豪、NZ、中国、タイ、英国、カナダ
    ーロシア(1月7日まで 株式通常取引、銀行休業)