豪ドル円 下げ一服で戻りを試すが10月後半からの下落基調は継続か

2021年11月15日 豪ドル円 為替相場予想

おはようございます。大塚亮です。

2021年11月15日の相場分析です。

概況

豪ドル円の11月12日終値は83.498円、前日比0.356円高と小幅上昇した。取引レンジは83.555円から83.095円。

11月2日の豪中銀理事会が利上げを急がない姿勢を強調したこと、4日夜の英中銀が利上げを見送ったことからのドル全面高を背景に11月10日午後に83円をわずかに割り込んだ。

11月10日夜の米消費者物価上昇率発表直後はドル円の急伸でいったん上昇したがが豪ドル米ドルの下落に圧されて失速、11日の日中から12日夜にかけては10日午後安値割れを回避し、週明け15日午前序盤はやや戻し気味の推移となっている。

注目情勢 豪中銀は利上げ時期前倒しへ動くか

今週は11月16日に豪中銀のロウ総裁の講演と前回の中銀理事会における議事要旨の公表がある、11月18日にはエリス豪中銀総裁補の講演も予定されている。

豪中銀は11月2日の前回理事会でYCC(イールドカーブコントロール、長短金利操作)による長期金利上昇抑制政策をやめたが、量的緩和の来年2月半ばまでの継続と政策金利の現状維持を決定した。豪中銀は「基調的物価の見通しは2021年と2022年は2.25%、2023年が2.50%」「賃金価格指数は2022年に2.5%上昇、2023年に3.0%上昇する見通し」で「物価上昇の圧力は他の多くの国よりも低い」とし、「理事会は実際の物価が2~3%の範囲で持続的に推移するまで政策金利を引き上げない」とした。このため2023年までは利上げしない可能性が高まった。

11月11日に発表された10月の豪雇用統計においても、就業者数が5万人増の予想だったところ4.63万人の減少となったことで早期利上げの根拠は薄くなったと市場は受け止めた。

11月17日には賃金コスト指数の発表があるが市場予想は前年比2.2%上昇で9月の1.7%からは上昇するとみているが、豪中銀の見通しにも達していない程度にとどまると見込まれる。

10月27日に発表された四半期ベースの消費者物価上昇率ではトリム平均値が前年比2.1%へ上昇、消費者物価全体では3.0%の上昇だったが、米国などと比較すればまだインフレ感は鈍い。

米連銀が利上げ前倒しを強いられるようなインフレ進行に苦慮する局面となっていることに対して豪中銀は引き続き利上げを急がない姿勢が継続されれば、豪ドル米ドルとしてはドル高豪ドル安へと進みやすい環境が続くということになりやすいと思われる。

テクニカルポイント 9月22日以降の上昇幅に対する調整レベル

豪ドル円は10月21日高値で86.248円を付けて5月10日高値85.795円を超え昨年3月のコロナショック暴落以降の意高値を更新したが、その後は大幅な調整安につかまっている。

ユーロドルやポンドドルが年初来最安値を更新する中で、豪ドル米ドル及び豪ドル円は10月後半から下落しているものの9月末安値及び8月20日安値割れには至らずにおり、ユーロ等と比較すれば相対的に高値を維持している。

資源通貨として資源エネルギー価格の高騰が豪ドルを押し上げてきた影響と思われるが、最大消費地の中国では石炭価格や鉄鉱石価格の高騰抑制への動きが強まり、電力不足等の影響から製造業がやや停滞気味となりパンデミックからの景気回復の勢いが大幅に鈍化している。このため中国需要と資源エネルギー価格高騰による豪ドルへの押し上げは大きく削がれてきている。また米国のインフレ進行による利上げ催促的な米長期債利回り上昇とドル高ががドル円を押し上げる一方で豪ドル米ドルには大きなプレッシャーとなっている。

豪ドル円は8月20日から二段上げ上昇で10月21日高値へ上昇してから下落に転じているが、今のところは一段目の上昇ピークである9月3日高値82.023円にかぶさっておらず、9月22日からの上昇幅に対する半値押しラインの82.542円も割り込まずにいる。二段目上昇からの調整安で一段目の高値に上総らずに切り返しに入れば三段上げの三段目へと進可能性が高まるが、一段目の高値にかぶさるようだと二段上げ上昇で一巡となり下落基調が本格化してゆく可能性も出てくるところだ。昨年3月以降の歴史的上昇基調を維持し、8月20日を起点として三段上げに発展できるかどうか試されるところだ。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

豪ドル円は11月10日午後安値で83円を若干割り込んだところから10日深夜に84円手前へ戻してから再び失速したが、底割れを回避してジリ高推移を続けている。このため現状は11月10日午後安値と12日朝安値をダブル底として持ち直しているところと思われる。このため12日朝安値83.095円底割れを回避するうちは15日夜から17日深夜にかけての間への上昇余地ありとするが、12日朝安値を割り込む場合はダブル底からの転落として17日朝から19日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では13日早朝に先行スパンを上抜いてきているので、先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから再び転落する場合は下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は60ポイント台へ戻しているところだが、70ポイント以上は反落注意とし、50ポイントを割り込むところからは下げ再開とみて30ポイント前後への下落を想定する。

11月15日の売買戦略

10月後半からの下落基調は継続とみて、戻り売り有利の情勢と考えるが、目先はダブル底型から10日深夜高値を試しやすいところとみる。

83.50円以上での推移中は上昇余地ありとして11月10日深夜高値83.952円に迫る可能性があるとみるが、83.80円から84円手前は戻り売りにつかまりやすいとみる。

83.25円割れからは下げ再開の可能性を優先して83円試しとし、83円割れから続落に入る場合は82.70円台、勢い付く場合は82.50円台への下落を想定する。

11月15日の主な予定

  • 11/15(月)
  • 米中首脳会談(オンライン)
  • 米商務長官、米USTR代表ら日本などアジア歴訪
  • 休場 メキシコ(革命記念日)、ブラジル(共和制宣言記念日)
  • 豪州
  • 09:30 エリス豪中銀総裁補、豪議会出席
  • 中国
  • 11:00 10月 小売売上高 前年同月比 (9月 4.4%、予想 3.7%)
  • 11:00 10月 鉱工業生産 前年同月比 (9月 3.1%、予想 3.0%)
  • ユーロ圏
  • 19:00  9月 貿易収支・季調済 (8月 111億ユーロ、予想 115億ユーロ)
  • 19:00  9月 貿易収支・季調前 (8月 48億ユーロ)
  • 19:00 ラガルドECB総裁、発言
  • 米国
  • 22:30 11月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (10月 19.8、予想 22.0)

今週の豪州関連主な予定

  • 11/16(火)
  • 09:30 豪中銀、金融政策会合議事要旨
  • 11:30 ロウ豪中銀総裁、講演
  • 11/17(水)
  • 08:30 10月 ウエストパック景気先行指数 前月比 (9月 -0.02%)
  • 09:30 7-9月期 賃金指数 前期比 (4-6月 0.4%、予想 0.6%)
  • 09:30 7-9月期 賃金指数 前年同期比 (4-6月 1.7%、予想 2.2%)
  • 11/18(木)
  • 米国・カナダ・メキシコ首脳会議(ワシントン)
  • 14:35 エリス豪中銀総裁補、講演
  • 11/19(金)
  • 休場 インド(シーク教ナナック生誕日、株式市場のみ休場)
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