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無限の試行回数と尽きない資金があれば、絶対勝つことができるギャンブル手法「マーチンゲール」。
この手法がFXにおいても適用できるかどうか、長らく研究が重ねられ、多くのナンピンマーチン型EAが開発されました。
果たしてマーチンゲールは本当に必勝法なのか、FXとの親和性はあるのか、本記事ではバックテスト例を用いて解説していきます。
目次
カジノ必勝法?マーチンゲール手法とは
マーチンゲール法とは、勝率50%の勝負に臨む時、勝てば終了、負ければベットを2倍にして勝負を続行するという手法です。
例えば100円のベットで負けた場合は、次の勝負では200円をベットします。
ここで勝てればトータル+100円で勝ち逃げでき、負けてもベットを400円に増やして再勝負、最終的に勝つまで勝負を繰り返すことで理論上では必ずプラスで終えることができます。
このマーチンゲールの考えをFXに導入したのが「ナンピンマーチン」と呼ばれる運用手法です。
ナンピンマーチンは有効なのか?
FXを含め、あらゆる投資において必勝法は存在しません。
ただ、ナンピンマーチンは資金さえ尽きなければ、理論上負けることのない画期的な運用手法です。
果たしてナンピンマーチンは、FXにおいても現実的に可能なのでしょうか。
ナンピンマーチンの概要
ナンピンマーチンとは、文字通りナンピンとマーチンゲールを組み合わせた運用手法です。
ナンピンでは基本的に、一定レートごとに同量のポジション買い増し(売り増し)を行います。
しかしナンピンマーチンにおいては上図のように、買い増しするポジションは同量ではなく、最初のエントリーから離れるほど倍々に増量していくというものです。
こうすることで、少量ロットのポジションが含み損を抱えたところで、後々エントリーする大量ロットのポジションによって含み損を相殺でき、資金が尽きない限りはプラス収支で終えることができます。
ナンピンマーチンのバックテスト
ナンピンマーチンの狙いは、ポジションのロットを倍々に上げて、最終的にはドカンと勝つ!
どれだけ負けても、最後の勝負に勝てば今までの負け分を取り戻せるわけなので、理論上は必勝法と考えられます。
では実際のところ、どれくらいのパフォーマンスが見込めるのでしょうか?
バックテストにあたり、以下のような超単純なルールで運用することを考えていきましょう。
・70.0~85.0円においては買い注文&86.0~100.0円においては売り注文
・指値幅 0.10円
・1注文あたり 1000通貨
・含み益 1000円で利確
・損切りはせず、利確するまでポジションは保有
極めて単純なナンピン戦略になりますが、これを実際に取り入れいているのが「トラリピ」や「トライオートFX」といった自動売買サービスです。
ナンピンマーチンのバックテスト結果
2015年から2020年までの5年間において、バックテスト結果は以下の通りとなりました。
バックテスト:通常
累計利益:1811000円
最大含み損:-593500円
最大必要資金:913700円
平均利益率:39.6% / 年
バックテスト:ナンピンマーチン
累計利益:4902000円
最大含み損:-1506875円
最大必要資金:2678875円
平均利益率:36.6% / 年
まず大前提として、扱うロットが大きくなる分ナンピンマーチンの方が累計利益が大きくなります。
しかし、注目すべきは運用パフォーマンスそのもの言える平均利益率です。
ナンピンマーチンでは含み損が雪だるま式に大きくなり、その分必要資金も多くを要します。
一方通常のナンピン戦略であれば、含み損を抱えたとしても指数関数的に膨れることはなく、最大必要資金もそこまで多くを要しません。
ナンピンマーチンは膨大な資金投入が必要であり、実現させたところで対してパフォーマンスが良くないという結果が明らかになりました。
マーチンゲール手法の注意点
膨大な資金が必要
マーチンゲールを主軸としたEAの多くは、その高い月利をアピールしています。
月利20~50%も珍しくなく、派手に稼げると分かれば多くの初心者が飛びつくでしょう。
しかし、先ほどのバックテストで示したように、マーチンゲールの実現には途方もないほどの資金が必要です。
仮に、アピールしている月利が嘘ではないとして、それを実現するための環境をどれほどの人が用意できるでしょうか。
月利だけで選ばずに、長期的なバックテストから判断することをおすすめします。
コツコツドカンになりがち
資金がある限り負けないというのがナンピンマーチンの大きなメリットですが、一方で、負けてしまえば全てを失うことになります。
というのも、資金が枯渇して含み損に耐えきれないときは、含み損のトータル≒口座内資金となるため、強制ロスカットされてしまえば退場が確定します。
ナンピンマーチン系EAの中には自動で損切りを入れてくれるものもありますが、基本的には手動で損切りをする以外方法はありません。
コツコツドカンを防ぐためにも、定期的にチャートと口座内状況を確認して、必要に応じて対処していくしかないのです。
おすすめナンピンマーチンEAの選び方
ここまでを読んでみて、ナンピンマーチン型EAを試したくなった人も多いのではないでしょうか。
ただナンピンマーチン型EAはピンキリで選定が難しく、ハズレを選んでしまえば大事な資金が吹っ飛んでしまう恐れがあります。
そこで、押さえておきたいナンピンマーチン型EA選びのポイントは以下の3つ。
- 対象通貨が長期間(10年以上)レンジ相場を形成
- テクニカル分析に基づいた自動損切り
- バックテストが右肩上がり
ナンピンマーチン型EAの持つ最大の弱点は、大きな含み損を抱えるリスクです。
含み損によって口座がパンクしてしまわないよう、損切り機能が備わったタイプを選ばなければなりません。
また、マーチンゲールのようなリスクの大きい手法に頼らずとも、高勝率を目指せるEA・テクニカル指標は数多く存在するため、稼ぐ目的というよりかは知識の1つ程度に留めておくことをおすすめします。
まとめ:FXにおいてマーチンゲールのリスクは大きい!
本記事ではFXにおけるマーチンゲールについて、以下のポイントを中心に解説しました。
- マーチンゲールの概要について
- マーチンゲールの有効性について
- マーチンゲール手法の注意点
- おすすめナンピンマーチン型EAの紹介
マーチンゲール手法は、最終的な勝率こそ高いものの、それを実現させるための資金が膨大になりがちです。
たとえコツコツと利益を積み上げたとしても、一回の強制ロスカットで全てを失うことになりますので、推奨できる運用ではありません。
仮に取り入れるのであれば、記事中に紹介したナンピニア・ユロドルのように、損切機能が備わったタイプを選び、長期的なバックテスト結果が得られたものだけを扱うべきでしょう。
以上、参考にしていただければ幸いです。