[AD] 運営維持のため、一部広告リンクを設置する場合がございます(詳細)
オシレーター系のインジケーターといえばMACDやストキャスティクスなど多種多様にありますが、あなたは「DMI」というインジケーターをご存知でしょうか?
この「DMI」というインジケーターは、RSIやPivotなどの数々の有名なインジケーターを開発しているJ.W.ワイルダー氏が考案したオシレーター系インジケーターのひとつです。
元々このインジケーターは、RSIの弱点を克服するために作られたと言われており、とても信憑性の高いインジケーターなので、海外では人気の高い有名なインジケーターです。
しかし、計算式が複雑で分かりづらかったり、MT4ではデフォルトで入っていない場合がほとんどだったりするため、日本ではあまり馴染みがないインジケーターでもあるんです。
そこで、今回はRSIの進化系インジケーターである「DMI」について詳しくお伝えしたいと思います。
ぜひ最後までご覧いただき、今後のトレードの参考にしてみてください。
目次
DMIとは
「DMI」はDirectional Movement Indexの略で、「方向性指数」という意味を表しています。
主な役割としては、「トレンドの方向性とトレンドの強弱」を確かめるために使われます。
つまり、このインジケーターでは「売りの勢いが強いのか」、「買いの勢いが強いのか」、「トレンドがどのくらい出ているのか」の3つを判断することができるのです。
それでは実際のチャートで「DMI」を見てみましょう!
こちらは「DMI」を実際のチャートで示したものです。
それぞれ、
- 青のライン ・・・ +DI
- 緑のライン ・・・ -DI
- 黄色のライン ・・・ ADX
を示しています。
これだけでは一体どうやって使うかわかりませんよね。
そこで、まずは「DMI」の中に出てくる基本構成と用語について説明していきましょう。
DMIの基本構成
- +DI ・・・ 上昇トレンドを示すプラスの方向性指数
- -DI ・・・ 下落トレンドを示すマイナスの方向性指数
- ADX ・・・ トレンドの勢いを示す強弱判断の指数
※DMIの種類によっては「ADXR」というADXの平均を表す項目がある
DMI用語
- DM ・・・ ディレクショナル・ムーブメントの略で方向性を意味する
- +DM ・・・ 上昇幅の値を意味する
- -DM ・・・ 下落幅の値を意味する
以上がDMIの基本構成と用語です。
続いて、実際のDMIの計算式を見てみましょう!
- +DM=(当日の高値)-(前日の高値)
- -DM=(前日の安値)-(当日の安値)
※前日の値幅以内に当日の値幅が収まってしまった場合「0(ゼロ)」としてカウント
- +DI=(分析期間の「+DM」の合計) ÷ (分析期間の「TR」の合計) × 100
- -DI=(分析期間の「-DM」の合計) ÷ (分析期間の「TR」の合計) × 100
- ADX=「(+DI)-(-DI)」÷「(+DI)+(-DI)」(分析期間の平均値)
上記の計算式で算出されています。
なお、J.W.ワイルダーの推奨分析期間は14日間だと言われています。
DMIはトレンドの初動から終了までを見極められるトレンド判断インジケーター!?
次に、「DMI」の一般的な使い方について見ていきましょう。
主な使い方としては、トレンドがどのあたりで強まり、どのあたりで弱まるのかを確認するために使用するものだと思ってください。
「+DI」が強くなれば上昇トレンドが出ていることを表し、「-DI」が強くなれば下落トレンドが出ていることを表します。
そして「ADX」でどれ位トレンドが強くなっているのかを確認できるのです。
それでは実際のチャートを使って「DMI」の動きを見てみましょう!
まずは下記の画像を見てください。
この画像のようにトレンドが出ていない横ばい状態のときは「+DI」、「-DI」、「ADX」が低水準で横ばいもしくは下降していきます。
このタイミングではまだ、トレンドは出ていないと判断することができますね。
一般的な使い方としては、「ADX」が25のラインを下から上に突き抜けるとトレンドが発生すると言われています。
こちらは上昇が始まった時の画像です。
「ADX」が25のラインを下から上に突き上げた時に、上昇トレンドを意味する「+DI」(青のライン)も大きく上昇していることがわかりますね。
つまりこの瞬間は「上昇トレンドが発生する初動」を表しています。
※下落の場合は「-DI」が上昇していきます。
その後は、大きく相場が上昇しているのがチャートを見れば明らかですね。
ただし、トレンドはいつまでも続くわけではありません。
どこかで終了するのですが、それも「DMI」でわかってしまうのです!
今まで上昇していた「ADX」の傾きが弱まり下降し始めました。
これがトレンド終了のサインとなります。
このサインが出た直後、今までは上昇していたはずの相場でしたが、その後のチャートではトレンドが終了し、下落しているのがわかりますね。
このようにトレンドがどのあたりから強まるのか。そしてどのあたりで弱まるのかを見極めることができるのがこの「DMI」なのです!
DMIとは:まとめ
いかがだったでしょうか?
「DMI」は、計算式こそ難しいですが、内容と使い方さえ理解できればとても優秀なインジケーターです。
「ADX」によって今トレンドの強弱がどれぐらいあるのかを確認できるので、トレンドの終わり際に入って反転してしまった……なんて状況を防げます。
トレンドの初動から終わりまでを見抜くことも可能なので、今あるトレンドがどれぐらいの状態なのか、トレンドがどのあたりで終了するのかを判断するのに最適なインジケーターと言えます。
FXを始めたばかりの方でも意味さえ理解すればこれほど心強いインジケーターはありません。
今回は使い方の一部をご紹介いたしましたが、これ以外にも「DMI」には使い方がいろいろあります。
様々な見方で自分の状況に合った方法を見つけ、ぜひ活用してみてください!