FXの確定申告で提出すべきものとは?必要書類を徹底解説!

FXの確定申告で提出すべきものとは?必要書類を徹底解説!

FXは、利益を稼げばそれで終わりというわけではありません。

というのも、どんな手段であれお金を稼ぐ以上、国に税金を納めなければならず、そのための準備が必要です。

いわゆる「確定申告」と呼ばれるものですが、皆さんは確定申告に際して、どのような書類が必要であるか、正しく理解されていますでしょうか?

FXの確定申告について

確定申告の概要については、以下の記事で紹介しています。

FXの確定申告の方法は?必要書類の書き方など気になる点を詳しく解説 FXの確定申告の方法は?必要書類の書き方など気になる点を詳しく解説 FXの確定申告はいくらから?お得な節税方法も合わせて解説! FXの確定申告はいくらから?お得な節税方法も合わせて解説!

「繰り越し控除」「損益通算」「損出し」「経費計上」など、確定申告では知っておくだけで得するポイントが満載です。

面倒に感じるかもしれませんが、たった一手間が数万円~数十万円の節税に繋がるのであれば、利用しない手はないでしょう!

FX確定申告の準備物は4点!必要書類一式について

FXの確定申告では、メインとなる4種類の必要書類を記入・作成しなければなりません。

・申告書B(第一表、第二表)

・申告書第三表(分離課税用)

・先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書

・所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)

4つも用意するとなると大変のように思われるかもしれませんが、一度書き上げてしまえば、翌年以降使いまわすことも可能です。

記事後半では、それぞれの書き方について詳しく解説していきますので、是非そちらを参考にしてみてください。

書類1:申告書B(第一表、第二表)

「申告書B(第一表・第二表)」は、納める税金全体を計算するための書類です。

確定申告のメインとなる書類でもあり、他の書類で計算した税金について、申告書Bにまとめて記載することになります。

申告書Bに記載していくのは、主に以下3つ。

・収入金額

・所得金額

・所得から差し引かれる金額

いずれも源泉徴収票があれば簡単に書き移せるため、慣れれば5分も掛からない作業です。

書類2:申告書第三表(分離課税用)

FX(株式も同様)で稼いだ所得は、事業所得や給与所得とは分けて納税額を計算しなければなりません。

この仕組みを分離課税といい、FXで得た収入、あるいは出した損失を記入するための書類が「申告書第三表」です。

分かりやすく言えば、上述した申告書BのFX版のようなもので、次節にて紹介する「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」さえ用意できれば、あとは転記するだけとなります。

書類3:先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書

「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」は、FXや株式投資等の利益、あるいは損失の明細を記したものです。

FXの利益を記入するだけであれば、埋めるべき項目はそこまで多くなく、基本的には上で紹介した「申告書第三表」と同じです。

FX会社のマイページから発行できる「年間損益報告書」を用意しておけば、すぐに記入が終えられるでしょう。

書類4:所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)

所得税の確定申告書付表は、本年分のFXの利益と、繰越で計上した損失分を合算させるための書類です。

基本的には本年分の利益と、繰越で計上した損失を記入するだけであり、繰越控除を利用しないのであれば用意する必要はありません。

また最近では、「freee」や「弥生」など、クラウド会計サービスを活用することで、紹介してきた書類1〜4までを自動で作成してくれるツールもあるため、そちらを使ってみるのも一案です。

全6ステップ!必要書類の作成手順・記載方法

ここからは確定申告の必要書類について、具体的な作成手順を解説していきます。

より効率的に行うために、FXの確定申告は以下のステップで進めていきましょう。

以下より紹介する各ステップに従えば、誰でも簡単にFXの確定申告を済ませることができるでしょう!

手慣れた人であれば、30分以内に終えられる作業だと思いますよ!

ステップ1:必要経費の計算

FXと関連した出費は、経費として計上可能です。

何もかもが経費計上できるわけではありませんが、

できる項目例としては、以下の通り。

  • インターネット代などの通信費
  • 書籍、新聞、資料、参考書費用
  • 筆記用具、消耗品、プリンター、インク代
  • FXに関連するセミナーの参加費用
  • 交通費
  • 家賃や光熱費
  • FXに関係するソフト

パソコン機材の購入費やセミナーの宿泊費など、きちんと領収書を残しておくことで、大きく節税に寄与するでしょう。

fx 経費 FXの確定申告で経費に計上できるもの10選!通信費やパソコンは可能?

ステップ2:年間損益報告書の作成

年間損益報告書は、FX会社のホームページより出力することができます。

年間どれくらい稼げたのか、この報告書を見れば一目瞭然です。

確定申告をする際は、申請書とこちらの年間損益報告書、また源泉徴収票も添付する必要があります。

また、FXの利益は雑所得に該当し、年間利益が20万円未満であれば納税義務はありません。

しかしマイナス収支もしっかりと申告しておくことで、翌年以降も繰越して(三年間まで)節税できるようになるため、欠かさず申告しておきましょう。

ステップ3:申告書B(第一表、第二表)の作成

申告書B(入手先:国税庁ホームページ)では、FX以外の収入(事業所得など)について、基本事項を記入していきます。

記入していく内容は、以下の通りです。

  1. 住所・氏名
  2. 収入金額
  3. 所得金額(収入 – 経費)
  4. 所得から差し引かれる金額(所得控除額)
  5. 税金の計算

1~3については、会社から発行される源泉徴収票さえあれば、容易に記入できるでしょう。

また④については、所得控除できるものとそうでないものがあるため、ある程度の知識が必要です。

例えば個人事業主の場合、国民年金や国民健康保険などは納付額に応じて控除でき、会社員の方でも色々と利用できる制度があります。

⑤は納税額を記入する箇所ですが、やはり税金を計算するための知識が必要になります。

自分で計算するのが大変…という方は、「freee」や「弥生」などクラウド会計サービスを利用して、システム的に納税額を算出してみてはいかがでしょうか。

ステップ4:先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書

先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書は、FX会社からダウンロードした「年間損益報告書」をもとに記入していきます。

上の画像は、国税庁による見本になりますが、記入個所はそこまで多くありません。

FXに限って言えば、以下の赤枠の個所だけでOKです。

FXの利益は「雑所得」として扱われるため、用紙上部にある「雑所得用」に丸をつけておきましょう。

合わせて「取引の内容」の項目にある「種類」には「外国為替証拠金取引」、「決済の方法」には「仕切」と記入します。

その他の記入項目は、以下の5点。

  • 収入金額
  • 損失額
  • 損益合計額
  • 必要経費
  • 所得金額(損益合計額-必要経費)

FXで稼いだ利益や、必要経費を記入するためだけの書類になりますので、そこまで時間も掛からないはずです。

ステップ5:所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)

「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」は、繰越控除を利用するための書類です。

そのため「本年の損失を翌年の控除分にしない」あるいは「前年の繰越控除を利用しない」これらの場合において、本書の準備は不要です。

上の記入例は「128,340円」の損失を計上したものです。

FXの損失だけであれば、6箇所に同じ金額を記入するだけでOK。

また以下の画像は、上の画像の翌年に作成した同じ書類です。

「1,011,801円」の利益から前年度に計上した「128,340円」を差し引いて、課税対象金額を「883,461円」まで引き下げています。

このように、トータル利益から前年度の損失分を控除できるという点が、繰越控除のメリットです。

マイナス収支を記入する書類になりますので、毎年プラス収支を達成できるトレーダーにとって、繰越控除を利用する機会はないと言えるでしょう。

しかし、特に経験の浅い初心者の方ほどマイナス収支で終わる可能性が高く、また損失にも利用価値があることを知ることで、日頃の損切りも心置きなく実行できるでしょう。

ステップ6:申告書第三表(分離課税用)

FXにおける所得や納税額をまとめた申告書第三表は、申告書BのFX版です。

ステップ3・ステップ4・ステップ5を終えていれば、本ステップは転記するだけで終了します。

①の「先物取引」の項目に、「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書(ステップ4)」の総収入金額を記入。

②の「先物取引」の項目に、「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書(ステップ4)」の所得金額を記入。

③で記入する税金については、「freee」や「弥生」など、クラウド会計サービスを利用していれば自動で算出されますが、自分で記入しても問題ありません。

「総合課税の合計額」「所得から差し引かれる金額」(ステップ3)等を入力して、最終的な納税額を「税額」の下にある「合計」に記入しましょう。

④の「差し引く控除額」の項目では、繰越控除を利用する場合は、前年分の損失額(ステップ5)を記入、利用しない場合は空白でOKです。

まとめ:FX確定申告の準備はお早めに!

本記事では、FXの確定申告における必要書類について、以下のポイントを中心に解説しました。

  • FXにおける確定申告の概要について
  • 求められる必要書類とは?
  • 必要書類の記入方法

確定申告で求められる必要書類について、何となくイメージできたでしょうか?

申請書の書き方については一通り紹介した通りになりますが、いざ自分で書類作成を始めると、どうしても分からない箇所が出てくるかもしれません。

そんな時は、直接税務署に出向いて質問してみるというのも一案です。

税金のプロが直接指導してくれることに加え、基本的には無料なので、これに勝る解決方法はありません。

以上、参考にしていただければ幸いです。