FXは円高になると負けやすい?円高の仕組みについて解説!

FXは円高になると負けやすい?円高の仕組みについて解説!

円高・円安について、正しく理解されていますでしょうか?

クロス円通貨を扱う機会が多い私たち日本人トレーダーにとって、今が円高なのか円安なのか、その環境認識は非常に重要です。

本記事では、円高についての基礎知識、また過去の円高相場を振り返りつつ、そこから読み取れる教訓について解説していきたいと思います。

円高とは?FXにはどのような影響がある?

円高の基礎知識

円高とは、外国の通貨に対して円の価値が高まることです。

そもそも通貨の価値は一定ではなく、相場環境や時流によって、日々変動しています。

例えば1米ドル=100円の時、円の価値が高くなるとはどういうことでしょうか?

分かりやすく極端な例を挙げると、1米ドル=50円になった時、今までは100円出さないと交換できなかった1米ドルが、その半額で済むようになったということです。

見方を変えれば円の価値が2倍になった、つまり1米ドルあたりのレートが下がれば下がるほど、円高になると考えておくとよいでしょう。

円高による生活への影響

では円高になると、私たちの生活にはどのような影響が訪れるのでしょうか?

日本円の価値が高まるので、ひとまずは輸入商品の価格が下がったり、海外旅行は有利になったりするかもしれません。

しかし長期的に見ればメリットばかりとも言えず、円の価値が上がった状況では、他国は今までのように、日本の商品を大量買いできなくなるはずです。

つまり日本の商品が売れなくなる、経済が回らなくなる、日本全体の景気が下がるといった感じで、最終的には私たちも損をすることになるでしょう。

円高になる局面とは?

「有事の円買い」といった相場格言があるように、世界規模の大きな事件・変化があった場合には、日本円の需要が高まります。

なぜなら日本円は、世界的に見ても珍しい、価値が極めて安定した法定通貨。

資産価値を守るために、とりあえず日本円で保有しておけば良し、という風潮がトレーダーの間では当たり前でした。

試しにクロス円通貨のチャートを眺めてみてください。

チャートが大きく下げた瞬間は、歴史の教科書に載るような、世界的な出来事(リーマンショック、コロナショックなど)が起きている可能性が高いです。

どれくらい下落する?過去の円高相場を紹介!

過去の円高相場について、その発端となった出来事、また相場の下げ幅について見ていきましょう。

リーマン・ショック

  • 発端:2008/9/15 リーマン・ブラザーズの経営破綻
  • 米ドル円の下げ幅:110→84円

世界金融危機を引き起こしたリーマン・ショックは、FXに限らずあらゆる市場に大きな打撃を与えました。

米ドル円の下げ幅は最大で26円、1ロットのロングポジションだけでも26万円の含み損を抱えることになります。

2008年の前半は上昇ムードが強かっただけに、おそらく大半のトレーダーがロングポジションを抱えたまま、退場を余儀なくされたのではないでしょうか。

東日本大震災

  • 発端:2011/3/11 東日本大震災
  • 米ドル円の下げ幅:82→76円

2011年3月には、ひときわ目立つ大きな陰線が確認できます。

東日本大震災は現代にまで続くほど日本に深刻なダメージを与え、その様子は世界中に知れ渡りました。

興味深いこととしては、被害を受けているのが日本にもかかわらず、それでもなお円の需要が高まっているということです。

この状況においても「有事の円買い」が作用している点から、よほど円の安定性や信頼性が高かったことが伺えます。

チャイナ・ショック

 

  • 発端:2015/8/11 人民元の為替レート基準値の引き下げ
  • 米ドル円の下げ幅:125→116円

チャイナショックの発端となった中国の人民元の切り下げは、中国の通貨、人民元の基準となる為替レートの水準を下げたということ。

中国政府が輸出を強化するために、強制的に人民元安に踏み切り、人民元で資産を持つ富裕層の多くが円買いに動きました。

中国人が資金を海外に逃がすにあたって、地理的に近い日本を選びやすかったということ、またそれを見越して多くのトレーダーが円買いのトレンドに飛び乗ったこと、これらの要因が大きく円高に偏らせたのです。

のではないでしょうか。

トランプ・ショック

  • 発端:2016/11/8 大統領選 ドナルド=トランプ候補が勝利
  • 米ドル円の下げ幅:106→102円

2016年11月上旬は、トランプ前大統領の勝利によって、大きく円高相場に傾きました。

民主党候補のヒラリー・クリントン氏の勝利すると考えられていたため、市場は一気に混乱ムードに陥り、徐々に為替レートが下落している局面が伺えます。

ただこれは幕開けににすぎず、これ以降、トランプ氏の発言や行動によって市場全体が振り回される日々が続きました。

実際、大統領選勝利後の宣言で数多くのリップサービスを飛ばし、円高から円安にトレンドを転換させています。

2019年フラッシュクラッシュ(アップル・ショック)

  • 発端:2019年1月2日のNY市場引け後に発表された、米アップルの業績下方修正
  • 米ドル円の下げ幅:109→104円

2019年1月3日の早朝に起きたフラッシュクラッシュ(アップル・ショック)は、正月の薄商いを狙ったヘッジファンドによる売り仕掛けです。

米アップルに関するネガティブな情報を皮切りに、東京市場が休場という状況で円が狙われました。

ヘッジファンドが要する人工知能は、円のロングポジションを次々と損切りさせ、安価であふれた円を拾うという形で大きく儲けを出したようです。

つまり個人トレーダーの多くは負け、もしくは退場に追い込まれたということになります。

コロナ・ショック

  • 発端:2020/3/9 新型コロナウィルス蔓延の懸念から
  • 米ドル円の下げ幅:106→101円

新型コロナウィルス蔓延の懸念から、2020年は2月以降クロス円通貨は下落し続けていました。

当時は毎週1円以上下落しており、どこまで落ちるのか不安なムードが漂っていましたが、最終的には3/9の午前中にヘッジファンドの売り仕掛けが発動。

損切り注文が次々と巻き込まれ退場者が続出、たった1日で5円以上も下落することになりました。

円高相場における注意点とは

トライオートETFとは?メリット・デメリットや評判は?注意点も解説

円高には基準がない

円高・円安は、明確な基準がなく、最近の相場と比較して、評価されるものです。

そのため、今は円高相場と感じていても、将来的は同じレート帯において円安とみなされるかもしれません。

例えば110円から105円まで傾けば円高相場と考えることができますが、105円でしばらくもみ合った後は、もう円高相場とは呼べず落ち着いた状況になっていることも考えられます。

そのため、自分の価値観や値ごろ感でトレードするのではなく、各種インジケーターを用いて、エントリーの根拠を明確にしておきましょう!

いつ来るかわからない

当たり前ではありますが、いつ円高相場になるのか、誰にも予測することはできません。

2019年のフラッシュクラッシュのように突発的なものもあれば、コロナショックのように、ゆっくりと円高に傾き最後に爆発するパターンもあります。

というわけで、最初から円高のタイミングを予測しておく、というやり方はおすすめできません。

ファンダメンタルズが得意なベテラントレーダーならまだしも、それ以外の方はいつ狙われても耐えきれるように、あらかじめ余裕を持たせた運用を心がけておきましょう。

損切り注文が通らない

クロス円通貨が瞬く間に下落していくとき、おそらく多くのトレーダーが損切り注文を検討するでしょう。

しかし、それでは間に合わず、なすすべもなく強制ロスカットを喰らうことになるかもしれません。

というのも「フラッシュ・クラッシュ」や「コロナ・ショック」のように、相場が混乱しているさなかでは、まともに注文を通すことができないからです。

FX会社のサーバーには多大な負荷がかかっており、損切するどころか、マイページにログインさえできない始末です。

筆者自身も、幾度となく歴史に名が残るような相場を経験してきましたが、とにかく強制ロスカットにならないよう祈るばかりで、ほとんど手を付けることができませんでした。

ここを読んでくださる皆さんも、そういった冷や汗かく経験をすることがないよう、やはり日頃からレバレッジに余裕を持たせておく、あまりポジションを持ち越さない等、ご留意いただければと思います。

正常な判断ができない

最後にお伝えする内容は、メンタルに関するお話です。

皆さんは、今までに上で紹介したような急激な円高相場を経験されたことがあるでしょうか?

もしあれば、その時のことを思い出していただきたいのですが、相場が混乱する中、まともな精神状態でいられたでしょうか、正常な判断ができたでしょうか?

おそらく大半のトレーダーが正常な判断を失い、不用意な追っかけエントリーや、両建てで何とか耐えようと試みたり、日頃とは違った感覚になるはずです。

また含み損が瞬く間に膨れ上がっていく様子を見て、気分が悪くなる人もいるでしょう。

つまり、トレーダーも人である以上、追い詰められた時点で負けなのです。

よほどメンタルが強靭でない限りは、ピンチが即退場に繋がるということを覚えておきましょう。

円高相場にも強い!おすすめFX会社を紹介!

円高相場にも強いFX会社とは、以下2つの条件を満たしているところです。

・サーバーが強い

・約定力が強い

これらの条件を満たす、おすすめのFX会社について紹介していきます。

FXプライムbyGMO

FXプライムbyGMOの特徴は以下の通り。

  • 月間取引量世界No.1
  • スプレッドも狭く原則固定
  • 100万通貨以上の大口注文にも対応

優秀な口座スペックを誇り、信頼と実績もあるFX会社です。

8年連続サーバーダウンなしの実績があるため、よほどのことがない限りは、機能してくれることでしょう。

その他のメリットについては、こちらの記事で紹介しておりますので、参考にしていただければ幸いです。

LIGHT FX

引用元:LIGHT FX

LIGHT FXの特徴は以下の通り。

  • 業界トップクラスのスワップポイント
  • シンプルで使いやすい取引ツール
  • 安定した約定力

2020年5月の調査によれば、約定率99.9%という非常に高い数値を記録しています。

筆者自身もメイン口座として運用していますが、過去に起きた大きな相場においても、安定して取引することができましたので、皆さんにもおすすめしたいと思います!

JFX

引用元:JFX

 

JFXの特徴は以下の通り。

  • 最速0.001秒という業界屈指の約定スピード
  • 世界基準トレードツール「MT4」が利用可能
  • 取引量に応じて豪華景品と交換できるポイントGET!

JFXはスキャルピング公認で、どちらかといえば玄人向けの業者です。

しかし国内口座では数少ないMT4が利用できる口座でもあるため、取引しなくとも口座する価値があるといえるでしょう。

また取引だけでなく、ポイントと交換できる特典も豪華なので、取引高に自信のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

まとめ:急激な円高に注意!レバレッジと資金管理を徹底しよう!

本記事では、FXにおける円高について、以下の点を中心に解説しました。

  • 円高の基礎知識
  • 過去の円高相場を紹介
  • 円高相場における注意点
  • 円高相場に強いおすすめのFX会社

スワップ投資家の存在や、オーダーブック等を見てわかる通り、日本人トレーダーはクロス円通貨のロングポジションを保有する方が多いです。

つまり円高に傾いてしまえば損することになるので、その対策や傾向を事前に知っておくのは極めて重要といえるでしょう。

ただ、知っているだけでは意味がありません。

記事中でも述べた通り、やはり日頃から余裕のある運用を心がけ、数円程度の下落ではビクともしないようなレバレッジ管理が望ましいと思われます。

以上、参考にしていただければ幸いです。