ポンド相場が荒れるか?【2020年12月7日】

ポンド相場が荒れるか?【2020年12月7日】

おはようございます。だいまんです。

2020年12月7日相場分析です。

昨日のマーケット

金曜日の海外市場は、注目の米11月雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比+24.5万人と予想の+46.9万人増を下回ったが、一方で失業率は、6.7%と予想の6.8%を下回り、相場の反応はまちまちとなった。NYダウは、ファイザーと独ビオンテックが、「年内目標としている5000万回分のワクチンの大半を製造した」と発表したこと、弱い雇用が追加経済対策の期待につながり、248ドル高で高値引けとなったが、米10年物国債利回りが、0.98%台まで上昇したこともあって、リスクオンのドル売りは強まらず、総じて週末を控えたポジション調整の動きが中心となった。

ドル円は、103.83まで下落後、104.25まで反発、ユーロドルは1.2178を高値に1.2113まで下落、ポンドドルは、1.3411から1.3540まで一時上昇後、バルニエEU離脱首席交渉官が「英国とEUの通商交渉を一時中断する」と発言したことで、1.3421まで売りに押されて引けた。

一方クロス円では、ユーロ円が126.68から126.19まで下落、ポンド円は、139.45から140.72まで上昇後139.80売りに押され、オージー円は77.02から77.52、NZD円は73.16から73.48まで反発、カナダ円は、カナダ11月雇用統計で、予想より強い結果となり81.58まで上昇した。

12月7日の注目材料

  • 07:05 (豪) ロウ豪準備銀行総裁講演
  • 未 定 (中) 11月貿易収支 [米ドル建て] (前回584.4億ドル 予想535.0億ドル)
  • 未 定 (中) 11月貿易収支 [人民元建て] (前回4017.5億元 予想3732億元)
  • 未 定 (中) 11月輸入 [前年比] (前回4.7%)
  • 未 定 (中) 11月輸出 [前年比] (前回11.4%)
  • 未 定 (中) 11月外貨準備高 (前回3.128兆ドル)
  • 08:50 (日) 11月外貨準備高 (前回13844億ドル)
  • 14:00 (日) 10月景気先行指数・速報値 (前回92.5 予想93.3)
  • 14:00 (日) 10月景気一致指数・速報値 (前回81.1 予想85.8)
  • 16:00 (独) 10月鉱工業生産 [前月比] (前回1.6% 予想1.6%)
  • 16:00 (独) 10月鉱工業生産 [前年同月比] (前回-7.3% 予想-4.6%)
  • 17:00 (スイス) 11月外貨準備高 (前回871486百万CHF)
  • 17:30 (英) 11月ハリファックス住宅価格 [前年比] (前回7.5%)
  • 17:30 (英) 11月ハリファックス住宅価格 [前月比] (前回0.3%)
  • 18:30 (ユーロ圏) 12月ユーロ圏投資家センチメント指数 (前回-10)
  • 00:00 (加) 11月Ivey購買部協会指数 (前回54.5))
  • 00:00 (米) 11月雇用傾向指数 (前回97.57)
  • 05:00 (米) 10月消費者信用残高 [前月比] (前回162.1億ドル 予想160.0億ドル)
  • EU・中期予算及び景気対策を巡る合意期限
  • 英下院:英国内法審議・再採決(?)

12月7日の相場見通し

金曜日は、弱い米11月雇用統計にも、この結果を受けて、米国の追加経済対策が進展するとの思惑から、米株価が堅調に上昇したことで、リスクオン的な展開が続きました。株価面では、先高感から「ともかく」どういった材料でも、好感する方向で動いているようです。一方為替市場の方は、ドルの軟調が続いていますが、株価の動きとは若干離れた展開が見えていることは注意しましょう。

今週は、経済指標としては各国の物価指数などが焦点ですが、新型コロナウイルスの感染で、あまり意味のある数字となっていません。経済指標に対する市場の反応が、限定される動きが続きそうです。

イベントとしては、まず週末も交渉が難航している英国とEUのFTA交渉ですが、月曜日に、一部英下院で英国内法の審議・再採決が行われる可能性が指摘されています。もし、この法案が上院で否決された「国際法違反の部分」を再度加えて可決された場合、EUが大きな拒否感を示しでしょう。その場合FTA交渉にも暗雲を投げかける可能性があり、ポンド相場の混乱につながるか注意しましょう。

また、8日には、米大統領選の各州選挙結果の認定期限が訪れます。ここでバイデン氏の勝利が確定するなら、相場に一定の安心感が戻りそうです。

その他、週末は米国の財政予算の暫定期限を迎えます。新型コロナウイルスの拡大で、米国の財政赤字も大幅に拡大していますが、恐らく玉虫色の延長で決着するでしょう。ただ、同時に今週はクリスマス休暇の議会閉会を前に、追加の経済対策の協議が佳境にはいりそうです。期待通りの金額となるかは不透明ですが、一応の決着をみた場合、こちらもリスクオンの動きを支えることが出来るか注目ですが、今まで一定の織り込みで株価などが上昇してきたことで、噂で買って事実売りとなるようなケースには注意しておきましょう。

本日の経済指標としては、中国の11月貿易収支、日本の10月景気先行指数・速報値、独10月鉱工業生産と12月ユーロ圏投資家センチメント指数、英11月ハリファックス住宅価格、加11月Ivey購買部協会指数、米11月雇用傾向指数などが発表されます。

大きな重要指標に発表はありませんが、中国の貿易収支は景気回復から強い内容などが見えるか、独10月鉱工業生産と12月ユーロ圏投資家センチメント指数などは、ロックダウの悪影響が見えるか注意しましょう。

その他、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大やワクチンに関する新たな報道、株価の動きなども注目して対応しましょう。

12月7日のデイ・トレード戦略

ポンドドル

  • 予想レンジ: 1.3300~1.3500
  • 基本戦略: 戻り売り
  • 予想時間:08:00 予想時レート:1.3437

ポンドドルの日足チャートからは、下値を1.2676や1.2855で支えて、上昇が1.3539まで拡大。ただ、引き続き青い矢印のように、ファン・ファインが走っている。また、月足の2.1158の高値からのレジスタンス(下記月足チャート参照)も位置しており、スロー・ストキャスティクスも上昇が鈍っている。一旦ピークをつける可能性のあることは留意しておきたい。あくまでこういった位置までしっかりと超えて、1.3608-18、1.3771、1.4032などがターゲットとなる。ただ、2016年のブレグジット決定後の戻り高値となる1.4377まで超える動きは、想定しづらい。

一方下値は、基準線を含む1.3158-1.3288ゾーンの維持では強いが、1.3107の戻り安値を割れると90日移動平均と雲の上限が重なる1.3080-85などが視野となるが、サポートが控えており、買いが入り易い。ただし割れると雲の下限となる1.2982、1.2906-33の戻り安値圏まで視野となるが、この位置にも外部サポートが控えており支えると堅調が続く。このリスクは、1.2676や1.2645の戻り安値割れで、その場合1.2438-1.2520ゾーンの戻り安値圏、1.2360まで視野となるが、更に1.2252の戻り安値まで割れると1.2162などがターゲットとなるがが、最大のリスクは1.2073の戻り安値割れで、その場合1.20のサイコロジカルが視野となる。

デイの戦略としては、英欧FTA交渉の行方に注意だが、引き続き合意されても達成感、更に決裂の可能性もあることで、一旦金曜日の高値1.3540をピークとみて、戻り売り戦略を検討したい。上値は1.3540をストップに、1.34ミドルから1.35方向への上昇で、慎重に売り上がって、ターゲットは、1.33ミドルから1.33まででは利食いながら対応したい。

また、FTAの交渉次第で、決裂の場合買うのは危険だが、1.3300-50ゾーンでは、下げ渋りを確認して買っても、1.3288を割れるなら止めるスタンスで、買った場合のターゲットは、1.34前半が抑えると利食いを優勢したい。また更に大きく下げた場合は、1.3107をストップに、1.32前後から買い下がってみるが、この場合は、132台では利食いが良さそうだ。

ポンド相場が荒れるか?【2020年12月7日】

ポンド相場が荒れるか?【2020年12月7日】

ポンド円

  • 予想レンジ: 138.50~140.50
  • 基本戦略: 売りから買いは深押し待ち
  • 予想時間:08:00 予想時レート: 140.01

ポンド円は、140.30の戻り高値からの調整を137.20の基準線に守られて、この高値を越える動きとなっている。スロー・ストキャスティクスの反転上昇も見えており、更に上値トライを継続するか注目となる。

上値は、140円ミドルが再Capされると上昇もおぼつかないが、金曜日の高値140.71を超えて、141.00から141.98の戻り高値圏、月足の雲の下限となる142.15まで視野となるが、この位置は、月足の短期のレジスタンスが残っており現状この上抜けは不透明で、あくまで142.72の高値を超えて、月足の144.97の戻り高値、147.97を超えて、サイコロジカルな150円がターゲットとなる。

一方下値は、139.50前後の転換線、138.90の戻り安値の維持では強いが、138.28-35の戻り安値を割れると137.89の横ばいとなる雲の上限、137.57の基準線の維持では堅調が続く。ただし、137.20の戻り安値を割れると雲の下限が、136.07-26で横ばいとなり、日足のサポートから買いが入り易い。また騙し的に割れても135.00-72ゾーンが支えると更なる調整は不透明となる。ただし134.41を割れると133.62-84の戻り安値圏、133.05や132.95の戻り安値割れると相場は崩れ132円のサイコロジカル、131.78の安値まで割れると更に130円までターゲットとなる。

デイの戦略としては、英欧FTA交渉の結果次第だが、ポンドドル相場の調整が想定されることで、上値追いは避けておきたい。当初は積極的には、140.71をストップに、140円前後から140円ミドル方向への上昇では、上げ渋りが確認しながら売りから入ってみたい。ただ、ターゲットは、139.50前後の維持では買い戻しも、割れると139円前後では利食いを検討したい。一方買いはFTAが決裂した場合は、深押しを待つのが無難となるが、139円台の買いなら138.90をストップ、更に138円ミドル方向への調整で買うなら138.28をストップに対応となる。こういった買いの場合のターゲットは139円ミドルが抑えると利食って置かなければならないが、超えても140円が抑えると利食いとなる。

また、様子見とするなら、日足の雲を守る前提で、137.80前後までの大きな下落があれば買いを検討して、ストップを137.20割れ。この場合のターゲットは139円が前後が上値を抑えるとデイ・トレードとしては、利食って置きたい。

ポンド相場が荒れるか?【2020年12月7日】