リスク選好の流れで円安に

リスク選好の流れで円安に

こんにちはYEN蔵です。

今週の為替相場振り返りです。

今週(12月13日週)の振り返り

中銀ウィークというイベントを通過してリスクオンに

先週は多くの中央銀行の金融政策発表があり、2021年の最後のイベントということで市場は注目するとともに警戒していました。

一番注目されていたのは15日のFOMCでした。ここでは来年にFOMCがどのように金融政策を行っていくか、超金融緩和の終了の道筋を占う会合となりました。詳しくは先週のレポートで書きましたが、結果としてはタカ派的な姿勢にもかかわらず市場はそれほど悲観的にはとらえませんでした。

直後には日米ともに株価が上昇、一時下落する局面もありましたが、その後は日米ともにここまで上昇してきています。

また翌日にECB、英中銀、スイス中銀、などの会合がありましたが、これらの会合も無事通過してあまり大きな動きにはなっていません。

外国人はイベントを通過して休暇入り

翌17日には米国株のSQがあり、ここで株式市場のイベントも終わり外国人投資家はクリスマス休暇に入ったものと思われます。クリスマス明けで外国人が戻ってくるまでは大きな動きは出てこないでしょう。これは毎年繰り返されるパターンです。

海外企業や金融機関、ファンドなどの機関投資家は12月決算なので、12月に収益を確定して2021年を終了します。その意味でも決算直前に収益がぶれるのはよくないので取引も縮小します。これは3月決算が多い日本企業が3月に取引を控えることと似ています。

1月に相場が大きく動く傾向があるのは外国人の投資マネーが新年度に動き出すという理由もあります。

こういう時期は無理してトレードすることもなく、大きな資金が入ってきてトレンドが出てきてからでも遅くはありません。相場に焦りは禁物です。

それでも年末のパターンはあります

とはいえ年末の最後に株価が上昇する傾向はあります。それは11月12月に日米ともに損失が出ている株を売って、ここまでの収益と相殺することで税金をセーブする動きが特に個人から出やすい時期です。そのために株価、特に個人に人気のある新興市場の成長株などが売られていましたが今週に入ってから反発しています。

損失の売りが終了してショートカバーが行われている可能性が強いです。これは市場の出来高が日米ともに少なく大きな資金が入っていないので個人の資金中心の動きである可能性が高いです。

株価の動きに反応しやすいのはオセアニア通貨?

為替と株価の動きを考えるとき株価下落の時はいわゆるリスク回避といわれてドル高、円高となるケースが多く、株価上昇の時はいわゆるリスク選好でドル安、円安になるパターンが多く、最近この傾向が復活しているように思えます。

チャートは豪ドル円の日足と時間足に日経平均先物の日足と時間足を重ねたものです。ローソク足が豪ドル円で、ラインチャートが日経平均先物です。

これを見ると日足ベースでも時間足ベースでもほぼ似たような動きになっていることがお分かりいただけると思います。

日足を見ると直近は11月中旬かどちらも下落しましたが、12月3日前後にどちらも底打ちして上昇が続いています。

時間足を見てもこの1週間は20日の先物の28,000円付近、豪ドル円の80.20付近を底に、それぞれ28,800円、83円付近まで上昇しています。

このように相関関係が似ている通貨や株などを比較して投資に生かしていくのも有効な投資手法です。

豪ドル見通し5年後 豪ドルの5年後見通しは?100円超えの可能性や相場分析から見る買い時とは【2022年最新】