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おはようございます。だいまんです。
2021年12月27日の相場分析です。
目次
昨日のマーケット
金曜日の海外市場は、世界的なクリスマスの短縮取引や振替休日で参加者が減少、大きなニュースもなく、小動きの展開で終了した。
ドル円は、114.30から114.45で揉み合いを続けたが、ユーロドルは、1.1344を高値に、ラバロフ露外相が「ウクライナの露大使館が攻撃された」と発言したことが嫌気されて1.1304まで下落、ポンドドルも1.3419から1.3385まで弱含みを見せた。
一方クロス円では、ユーロ円が129.75から129.27、ポンド円は153.52から153.02、オージー円は82.87から82.55、NZD円は78.10から77.84、カナダ円は89.45から89.13と狭い推移に留まった。
12月27日の注目材料
- ウェリントン、シドニー、ロンドン、オタワ市場休場(クリスマス振替休日)、ヨハネスブルグ市場(親善の日振替休日)
- 08:50 (日) 11月小売業販売額 [前年同月比] (前回0.9% 予想1.4%)
- 08:50 (日) 11月百貨店/スーパー販売額・既存店 [前年同月比] (前回0.9% 予想2.0%)
- 08:50 (日) 日銀金融政策決定会合における「主な意見」公表(12月16-17日開催分)
- 10:30 (中) 11月工業企業利益(前回24.6%)
- 00:30 (米) 12月ダラス連銀製造業業況指数 (前回11.8)
- 03:00 (米) 米財務省・2年物国債入札(560億ドル)
12月27日の相場見通し
本日も一部の市場が、クリスマス休暇の振替休日となることで、参加者が減少していることで、総じて様子見ムードの相場展開が続きそうです。
経済指標としては、中国11月工業企業利益や米12月ダラス連銀製造業業況指数が、若干注意ですが、サプライズの結果が見えなければ、影響は少なそうです。
一方今週今年最後の米国債の入札が予定されていますが、本日の2年物国債の入札受けた米長期金利の動向やクリスマス明けのNY株価には、注意を払っておきましょう。
12月27日の相場を振り返って
今年もあと少しとなりますので、来年の相場に向けて、ドル円とユーロドルの今年1年の相場を振り返っておきましょう。
ドル円
- 年間レンジ:102.59~115.52
2021年のドル円相場は、総じて堅調な展開で終了しました。
年初は、新型コロナウィルスの感染拡大が、想定より広がったこともあって、リスクオフ気味の展開からスタートしましたが、ドル円相場は、1月6日の102.59を年間安値として反発に転じました。世界的に各国でワクチンの接種がスタートしたことで、コロナ後の経済回復を睨んで株価が堅調に上昇したこと、一方で米国では、バイデン大統領の大規模なインフラ投資計画の発表もあって、米長期金利が急騰したことを受けて、110.97まで一時反発しました。ただ、これも長らく進んでいた円高で、機関投資家などからのやれやれの利食いも出易い位置となったようです。調整が107.48まで下押ししましたが、3月の月末に向けて、ドル買いのフローが入ったことで、ドル円はじりじりと反発しました。
特に6月のFOMCで、パウエルFRB議長が、「テーパリングの協議を開始する」と発言したことは、サプライズとなったようです。ただ、一方で早期の金融引き締めの懸念から株価が急落となったこともあって、この時も111.66を高値に、その後は夏場の保合相場に移行しました。
アノマリー的に、例年夏場は円高になり易いですが、丁度この時日本の感染者数が、急拡大したこともあって、108.72まで調整しましたが、下げ幅はあまり大きなものになっていません。直近の数年ドル円相場は、年間10円程度しか動いていなこともあって、需給面では、原油価格の上昇もあって、輸入勢の買いニーズが下支えとなったようです。
9月に入ると自民党総裁選を睨んで、菅総理が突然退陣表明したことが、サプライズとなり新政権に対する期待感から日経平均が、31年ぶりの高値をつけたことで、ドル円もリスクオンの動きを強めました。テクニカル面で、それまで上値を押さえていた110円前半を上抜けたことも、買いを強める要因となったようです。加えて9月の米FOMCで、テーパリングの実施が実現味を帯びたこと、米国のインフレ率の上昇もあって、11月のFOMCでテーパリングが本格的にスタートしたことで、ドル円は115.52まで一時上昇を強めました。
ただ、パウエルFRB議長の再任決定後、同氏が急速にタカ派となったこと、12月のFOMCでは、来年3月のテーパリング終了や来年3回程度の利上げが想定されることとなりましたが、一方で新たな変異株となるオミクロン株が、南アフリカで発見されたことで、警戒感が高まる形となっています。
ユーロドル
- 年間レンジ:1.1186~1.2349
2021年のユーロドル相場は、ロシア中銀が外貨準備をユーロにシフトすると表明したことや年初から英国のブレグジット実現後の懸念を払しょくする形で、底堅いスタートとなりましたが、1.2349を高値に、年間を通じて、結局軟調気味の展開で終了しました。
欧州でも、年初からワクチンの接種がスタートしましたが、一部でワクチンに対する不信感もあって、新型コロナウィルスの感染拡大が続いたことで、3月にはECBが、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の大幅拡大を決定、ユーロ相場の上値を抑える要因となりました。一方米国では、バイデン政権が、総額2.25兆ドルのインフラ投資計画を発表、米経済の強い回復期待から米長期金利が上昇を強めたこともあって、3月末には1.1704の安値まで下落しました。
一旦この位置は維持されて5月には1.2266まで反発しましたが、環境対策で欧州が進めていたクリーン・エネルギーが、悪天候の影響で供給不足なったことで、環境に優しい天然ガスの需要が高まり、欧州天然ガスの価格が急騰したことが、ユーロ相場を圧迫する形となりました。その後もユーロドル相場は、ドイツの総選挙を睨んで、1.19台が上値を押さえられて、じり安の展開、また中国の景気減速による輸出低下懸念も相場の圧迫要因となったようです。一部では、中国の車の3台に1台がドイツ車と言われているようですが、来年も中国経済の動向は、ユーロ相場の懸念として残りそうです。
一方ドイツの総選挙では、メルケル首相が率いる最大与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が、第2党に転落、中道左派の社会民主党(SPD)が第1党に躍進し、最終的に独社会民主党と自由民主党、緑の党での連立で合意しましたが、相場の影響はほとんど見えなかったようです。
ただ、9月には、比較的底堅くなった欧州経済や原油や天然ガス価格の上昇から、欧州でインフレ率が高止まりしたことで、ECBが3月に増額したPEPPの購入を止め、来年3月のPEPPの終了を表明したことで1.15レベルが下値を支えましたが、一方で米FOMCでは、テーパリングの終了を表明、金利差の拡大懸念から1.1186の年間安値まで下落しました。現状はこの位置をどうにか支えていますが、ロシアがウクライナ国境に軍部を増強していて、NATOとの緊張が高まっていることで、欧州天然ガス価格が、再び高値を更新、ユーロ相場の上値を抑える形で、2021年の相場を終了しようとしています。