FOMCはタカ派となるリスク?【2021年06月16日】

FOMCはタカ派となるリスク?【2021年06月16日】

おはようございます。だいまんです。

2021年6月16日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、FOMCの結果発表を控えて、様子見ムードが続いた。米経済指標としては、5月卸売物価指数や鉱工業生産・設備稼働率が予想を上回ったが、5月小売売上高やNY連銀製造業景況指数が予想を下回り、総じて影響は限定された。ただ、米10年物国債利回りが、1.513%まで上昇したことがドル相場を支えた。またNY株価3指数が、マイナスで引けたが影響は限定された。

ドル円は、109.99から110.17と高値圏で小動き、ユーロドルは、1.2147から1.2101まで下落も、米国とEUが、ボーイングとエアバスめぐる報復関税が今後5年間停止されることが決まったことが、下値を支えた。またポンドドルは、英政府は、21日に予定していたロックダウン措置の完全解除を4週間延期したことが嫌気されて、1.4035まで一時売りに押された。

一方クロス円では、ユーロ円は133.68から133.27、ポンド円は155.49から154.54で揉み合い、オージー円は、G7での対中政策の協調を合意したことが嫌気されて84.53まで売りに押され、NZD円が78.27、カナダ円が90.24まで値を下げた。

6月16日の注目材料

  • ヨハネスブルク市場休場(青年の日)
  • 07:45 (NZ) 第1四半期経常収支 (前回-26.95億NZD 予想-23.50億NZD)
  • 07:45 (NZ) 第1四半期経常収支・対GDP比 (前回-0.8%)
  • 07:45 (NZ) 第1四半期経常収支・通年 (前回-25.49億NZD)
  • 08:50 (日) 5月通関ベース貿易統計・季調前 (前回2553億円(2531億円) 予想-900億円)
  • 08:50 (日) 5月通関ベース貿易統計・季調済 (前回652億円 予想2418億円)
  • 08:50 (日) 5月通関ベース輸入 [前年比] (前回12.8%)
  • 08:50 (日) 5月通関ベース輸出 [前年比] (前回38%)
  • 08:50 (日) 4月機械受注 [前月比] (前回3.7% 予想2.5%)
  • 08:50 (日) 4月機械受注 [前年同月比] (前回-2.0% 予想8.0%)
  • 09:00 (豪) ロウ豪準備銀行総裁講演
  • 10:00 (豪) 5月先行指数 [前月比] (前回0.2%)
  • 11:00 (中) 5月固定資産投資 [前年比] (前回19.9% 予想16.8%)
  • 11:00 (中) 5月小売売上高 [前年同月比] (前回17.7% 予想14.0%)
  • 11:00 (中) 5月鉱工業生産 [前年同月比] (前回9.8% 予想9.2%)
  • 15:00 (英) 5月消費者物価指数 [前月比] (前回0.6% 予想0.3%)
  • 15:00 (英) 5月消費者物価指数 [前年同月比] (前回1.5% 予想1.8%)
  • 15:00 (英) 5月消費者物価指数・コア指数 [前年同月比] (前回1.3% 予想1.5%)
  • 15:00 (英) 5月小売物価指数 [前月比] (前回1.4% 予想0.3%)
  • 15:00 (英) 5月小売物価指数 [前年同月比] (前回2.9% 予想3.3%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 第1四半期賃金 (前回3.5%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 第1四半期労働コスト [前年比] (前回3%)
  • 21:30 (加) 5月消費者物価指数 [前月比] (前回0.5%)
  • 21:30 (加) 5月消費者物価指数 [前年同月比] (前回3.4%)
  • 21:30 (加) 4月卸売売上高 [前月比] (前回2.8%)
  • 21:30 (米) 5月住宅着工件数 [年率換算件数] (前回156.9万件 予想164.0万件)
  • 21:30 (米) 5月住宅着工件数 [前月比] (前回-9.5% 予想4.5%)
  • 21:30 (米) 5月建設許可件数 [年率換算件数] (前回176.0万件(173.3万件) 予想173.0万件)
  • 21:30 (米) 5月建設許可件数 [前月比] (前回0.3%(-1.3%) 予想-0.2%)
  • 21:30 (米) 5月輸入物価指数 [前月比] (前回0.7% 予想0.8%)
  • 21:30 (米) 5月輸出物価指数 [前月比] (前回0.8% 予想0.8%)
  • 23:30 (米) 週間原油在庫統計 (前回-524.1万バレル)
  • 03:00 (米) 米連邦公開市場委員会・政策金利公表 (現行0.00-0.25% 予想0.00-0.25%)
  • 03:30 (米) パウエルFRB議長・定例記者会見
  • 米ロ首脳会談(ジュネーブ)

6月16日の相場見通し

昨晩もFOMCの発表を控えて、様子見ムードの相場が続きましたが、本日遂にこのFOMCの結果が公表されます。今回は、FRBの経済見通しやFOMCメンバーのFF金利見通しも同時に公表されます。相場に動きが出るか注目されますが、一応政策の変更は想定されていません。市場の注目は、一部に指摘されているテーパリングの協議が、今回開始されるかどうかとなっていますが、総じてマーケットでは、まだ時期早々と楽観論が支配しているようです。サプライズは、この協議が開始されるケースです。また、加えてGDP見通しやインフレ見通しが引き上げられ、更に2023年のFF金利見通しが、現在の0.1%から上昇していた場合、早期の金融引き締めの思惑が高まることとなるので注意です。パウエルFRB議長は、引き続き慎重姿勢を続けるでしょうが、FOMCの結果やパウエルFRB議長の発言で、米長期金利が荒れた動きとなる可能性があることも注目して対応しましょう。

経済指標としては、NZ第1四半期経常収支、日本の5月通関ベース貿易統計と4月機械受注、豪5月先行指数、中国の5月固定資産投資・小売売上高・鉱工業生産、英5月消費者物価指数と小売物価指数、ユーロ圏第1四半期賃金・労働コスト、加5月消費者物価指数と4月卸売売上高、米国では、5月住宅着工件数・建設許可件数と5月輸入・輸出物価指数などが発表されます。

FOMCの結果発表を控えて、個別の経済指標に対する反応は限定される可能性が高そうですが、ただ、中国の経済は、コロナ後の強い回復から直近上げ渋りが見えるようです。弱い結果には注意しておきましょう。また、英国5月消費者物価指数と小売物価指数なども、結果次第ですが、弱い結果は失望となり易いので注目しておきましょう。

その他、本日バイデン大統領とプーチン大統領の初の首脳会談が行われます。先週のG7では、各国が中国に対して協調して、対抗する姿勢が示されていますが、ロシアに対しても敵対的な対応が示された場合、第2の冷戦の思惑にもつながり兼ねないことは、留意しておきた方が良いかもしれません。今回の会合がそこまで、ひどいことになるとは思いませんが、直近ではロシア中銀が、ドル建て資産投資からの撤退を表明しています。こういった面が再度クローズアップされると株価やドルに良い影響を与えないので、一応注意しておきましょう。

6月16日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ドル円

  • 予想レンジ:109.50~110.50
  • 基本戦略:押し目買い、特に大きめの押しがあれば買い下がり
  • 予想時間:09:03 予想時レート:110.09

110.97の高値からの調整を107.48で維持して、日足の雲の上限や110.97と109.79で形成したレジスタンスを上抜け、上昇が110.33まで拡大も、更なる展開となっていない。

上値は110.33の戻り高値を超えて、110.56-85の戻り高値圏が視野となるが、上抜けは不透明。 あくまで110.97の高値を超えて、サイコロジカルな111.00や111.50などのサイコロジカル、111.71や112.23の戻り高値まで越えると112.44の月足の雲の上限まで視野となるが、この位置は丁度75.31のドル円の歴史的な安値から125.86の高値の50%の位置に相当することで、上抜けは相当厳しい位置となる。

一方下値は、直近の109.19―28の戻り安値で、基準線の絡む位置が維持されると強いが、109.04を割れるとサイコロジカルな109円に雲の上限が絡み、維持では堅調が続くが、維持出来ない場合、108.56-72の戻り安値圏、雲の下限が控える108.35の戻り安値まで視野となるが、維持では更に突っ込み売りは出来ない。ただし、108.03の戻り安値や108円を維持出来ずに、もし107.48を割れると相場は崩れ、107.16のそれ以前の高値、106.94の戻り安値、106.37-64の戻り安値、サイコロジカルな106円前後まで視野となるが、大きな流れのネックラインからは、買いが入り易い。ただ、105.83-85の戻り安値まで割れると105.20、サイコロジカルな105円が視野となるが、更に突っ込み売りは出来ない。ただ、104.92の戻り安値を割れると調整気味となり、104.55-86まで視野となる。また104.41の戻り安値を割れると相場崩れ気味となるが、ただ、下値には出遅れた雲が控えており、104.05-20の戻り安値圏で、日足の雲の上限が控える位置が視野となるが、買いが入り易い。ただし割れると雲の下限が位置する103.45-57まで視野となるが、維持では堅調が続く。このリスクは、103.33の安値を割れるケースで、その場合103円方向への調整となるが、維持されると更に突っ込み売りは出来ないが、102.96や102.59を割れると102.50前後のサイコロジカル、101.99の戻り安値、更にサイコロジカルは101.50がターゲットとなるが、引き続き買いが入り易い。最大のリスクは101.19の安値割れとなるが、その場合100.58のフィボナッチ・リトレースメント(75.31-125.86)までターゲットとなる。ただ、100円のサイコロジカルを直ぐに割れることは想定できず、買い下がり位置との見方は変わらない。

デイの戦略としては、高値圏で保合気味だが、本日の日足の雲の捻じれること、FOMCもあって、押し目は堅そう。従って、基本は押し目待ちとなるが、109.80-90から、109円ミドルまで買い場を探して、ストップは109.19割れ。ただ、ターゲットは、110.17-33が抑えると利食いとなるが、超えるなら110円ミドルの動向次第で、超えても111円を前にしっかりと利食いたい。また、こういった位置では売りからの参入も検討されるが、ストップは111円越え。ターゲットは、110.17-33が逆サポートすると利食いだが、下げが甘ければ買い戻しながら対応するほうが安全となる。

FOMCはタカ派となるリスク?【2021年06月16日】

NZドル円

  • 予想レンジ:78.00~79.00
  • 基本戦略:戻り売り
  • 予想時間:09:20 予想時レート: 78.41

上昇が80.19まで拡大も現状はトピッシュとなる形。上値は、スロー・ストキャスティクスが反転下落に転じており、78.99-79.15ゾーンの基準線が絡む位置、79.40-80ゾーンが抑えるとレジスタンス形成から弱い。あくまで上値は80.19を越えて、サイコロジカルな81円、月足の雲の上限となる81.28がターゲットとなる。ただ、未だ絶好の利食い場となる可能性が残っていることは注意しておきたい。

一方下値は、78.09-79.16の雲の上限の維持では良いが、維持出来ない場合77.55-98の戻り安値圏、77.44の雲の下限が視野となるが、維持では良いが、77.17や76.67-76.69の戻り安を割り込むと、調整気味となり76.34の戻り安値やサイコロジカルな76円まで視野となるが、維持は不透明も、75.64の戻り安値を割れると長期のサポートが崩れ、75.33-56、74.72-00ゾーンが視野となる。また更に74.13や73.66の安値まで割れると73.20-27、72.82-85ゾーンまでターゲットとなる。こういった位置は一旦維持される可能性はあるが、72.73まで割れると72.26、71.68-86ゾーン、71.49-53の日足の窓の上限まで割れると相場が崩れ気味となり、窓の下限となる70.48-52、69.71-70.00、69.37-45の戻り安値圏まで視野となるが維持では更に突っ込み売りは出来ない。リスクは68.88や68.65の安値、下限レンジ最安値となる68.21を割れるケースで、その場合下落が加速するリスクが高まり、67.53の戻り安値、66.32-66.59の戻り安値圏なども視野となるが、長期のサポートが控える。更に割れても過去の揉み合いレンジとなる63.10-66.17ゾーンなどは底堅い位置となりそう。このリスクは61.79割れとなる。

従ってデイの戦略としては、突っ込み売りは出来ないが、慎重に戻りがあれば売り場探し。上値は、78.82の戻り高値が上値を抑えるなら、こういった位置から79円まで売り場を探して、ストップは79.15越え。超えても80.19をストップに、79.50-00は売り直しも検討したい。ターゲットは、現状の安値の78円前後の維持では、利食い優先となる。割れても日足の雲の下限となる77円ミドルを前にしっかりと利食いたい。

FOMCはタカ派となるリスク?【2021年06月16日】