FOMC議事録は大注意【2021年7月7日】

FOMC議事録は大注意【2021年7月7日】

おはようございます。だいまんです。

2021年7月7日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、欧米経済指標の悪化などもあって、欧米株価が下落を強めたことで、ドル買い、円買いのリスク回避の動きが強まった。ただ、ナスダックは、一時の下落から最高を更新して引けている。また米6月サービス業PMI・改定値や6月ISM非製造業指数が予想を下回り、米10年物国債利回りが、1.352%まで低下したが、ドル売りにはつながっていない。

ドル円は、110.52まで下落、ユーロドルは、独7月ZEW景況感指数の期待指数が、予想を大幅に下回ったこともあって、1.1807まで値を下げ、ポンドドルは、シェフコビッチ欧州委員会副委員長が「英国との信頼関係を再構築することがもっとも困難な課題」、「英国は、アイルランドの議定書を無視し続けている」と発言したことで英EU関係の悪化懸念から、1.3773まで売りに押された。

一方クロス円では、ユーロ円が130.62、ポンド円が152.36、オージー円は82.76、NZD円は77.34、カナダ円は88.50まで下落した。

7月7日の注目材料

  • 08:50 (日) 6月外貨準備高 (前回13875億ドル)
  • 15:00 (独) 5月鉱工業生産 [前月比] (前回-1.0% 予想0.7%)
  • 15:00 (独) 5月鉱工業生産 [前年同月比] (前回26.4% 予想17.7%)
  • 15:00 (英) 6月ハリファックス住宅価格 [前年比] (前回9.5%)
  • 15:00 (英) 6月ハリファックス住宅価格 [前月比] (前回1.3%)
  • 15:45 (仏) 5月貿易収支 (前回-62.44億ユーロ 予想-61.00億ユーロ)
  • 15:45 (仏) 5月経常収支 (前回-14億ユーロ)
  • 未 定 (中) 6月月次外貨準備高 (前回3.222兆ドル)
  • 16:00 (スイス) 6月外貨準備高 (前回902466百万CHF)
  • 18:00 (ユーロ圏) 欧州委員会・夏期経済予測公表
  • 23:00 (加) 6月Ivey購買部協会指数 (前回64.7)
  • 23:00 (米) 5月JOLTS求人件数 (前回9.286百万人)
  • 03:00 (米) 米連邦公開市場委員会・議事録公表(6月15日-16日開催分)
  • 04:30 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

7月7日の相場見通し

昨晩は、リスク回避の動きが広がりましたが、若干その要因に不透明さが残ることは注意しておきましょう。

一応弱い欧米の経済指標の結果を受けて、欧米経済に減速感が見えたことが、株価の下落につながったとされていますが、米株価の調整は限定されています。どちらかと言うと、米独立記念日が終わって、サマーラリーのご祝儀買いが終了、来週からスタートする企業決算を睨んで、堅調な株価に利食いが出た程度かもしれません。ともかく本日も株価の動きには、細心の注目を払って対応しましょう。

本日の最大の注目は、FOMCの議事録となります。特にこの6月15-16日のFOMCでは、ドットチャートで、利上げ時期の前倒しが示されたことが、大きなサプライズにつながっています。ただ、その後パウエルFRB議長が、火消しに回ったことで、市場は、「FOMCは、利上げを急がない」と楽観する動きとなっていますが、実際FOMC内部では、タカ派が増加しています。一部にパウエルFRB議長が、こういった勢力を抑えきれていないとの指摘もあって、今夜の議事録で、テーパリングの早期開始や利上げ時期の前倒しの必要性などが強く示された場合、ドル買いが強まる局面があるかもしれません。不透明ですが、内容次第で荒れた動きになる可能性には注意しておきましょう。

経済指標としては、日本の5月景気先行指数・速報値、独5月鉱工業生産、英6月ハリファックス住宅価格、仏5月国際収支、欧州委員会の夏期経済予測公表、加6月Ivey購買部協会指数、米5月JOTLS求人件数などが発表されます。

あまり重要度の高いものはありませんが、ただ、昨晩欧米の景気減速懸念が取り沙汰されたことで、独5月鉱工業生産や欧州委員会の夏期経済予測などが、弱い結果となるなら、ユーロ相場の圧迫要因となる可能性があることは、留意しておきましょう。

今年上半期の相場レンジ

ご参考に、今年上半期の相場レンジの一覧表を掲載します。

特別見どころはありませんが、ざっくりですが、半期のピボット水準が、維持できるか、上値を抑えるか、ブレイクが発生するかで、相場に一定の方向性が出るケースがありますので、一応注目しておいてください。

2021年7月7日今年上半期の相場レンジ

7月7日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ドル円

  • 予想レンジ:110.20~110.90
  • 基本戦略: 戻り売りから、押し目買い
  • 予想時間:08:06 予想時レート:110.64

上昇が111.66まで拡大も、現状は更なる展開となっていない。

下値は、基準線や戻り安値の位置する110.42の維持では良いが、維持できない場合、110.21の戻り安値やサイコロジカルな110円が視野となるが、この位置には、上昇サポートが控える形で、維持では堅調が続くが、維持出来ずに109.59-72ゾーンを割れると、109.19―28の戻り安値圏で、今後横ばいとなる雲を目指す可能性となる。ただ、こういった維持では堅調が続くが、もし、109.04やサイコロジカルな109円を割れると、テクニカル的には調整が強まり、108.56-72の戻り安値圏、108.35の戻り安値まで視野となるが、維持では更に突っ込み売りは出来ないが、108.03の戻り安値や108円を維持出来ずに、もし107.48まで割れると相場は崩れる。その場合107.16のそれ以前の高値、106.94の戻り安値、106.37-64の戻り安値、サイコロジカルな106円前後まで視野となるが、大きな流れのネックラインからは、買いが入り易い。ただ、105.83-85の戻り安値まで割れると105.20、サイコロジカルな105円が視野となるが、更に突っ込み売りは出来ない。ただ、104.92の戻り安値を割れると調整気味となり、104.55-86まで視野となる。また104.41の戻り安値を割れると相場崩れ気味となるが、ただ、下値には出遅れた雲が控えており、104.05-20の戻り安値圏で、日足の雲の上限が控える位置が視野となるが、買いが入り易い。ただし割れると雲の下限が位置する103.45-57まで視野となるが、維持では堅調が続く。このリスクは、103.33の安値を割れるケースで、その場合103円方向への調整となるが、維持されると更に突っ込み売りは出来ないが、102.96や102.59を割れると102.50前後のサイコロジカル、101.99の戻り安値、更にサイコロジカルは101.50がターゲットとなるが、引き続き買いが入り易い。最大のリスクは101.19の安値割れとなるが、その場合100.58のフィボナッチ・リトレースメント(75.31-125.86)までターゲットとなる。ただ、100円のサイコロジカルを直ぐに割れることは想定できず、買い下がり位置との見方は変わらない。

一方上値は、110.96-111.20の転換線と絡む戻り高値圏、111.50のサイコロジカルが抑えると上値追い出来ない。111.66や111.71の戻り高値を越えて、112.15の月足の雲の上限や112.23の戻り高値まで視野となる。こういった位置は125.86の高値から99.02の安値までの調整の50%(112.44)の位置に相当することで、上抜けは相当厳しい位置となる。ただし、超えると114.55,114.73、115.51、118,66-60のトランプ大統領就任後の高値まで視野となる。

デイの戦略としては、突っ込み売りは避けたいが、111円方向への上昇で売って、ストップを111円越えとするか、111.20-40まで売り上がりのスタンスならストップは111.66越え。111.71越えで倍返し。ターゲットは、110.50前後の維持では買い戻しも110.42を割れるなら110.00-20前後まで利食い場を探す形で、こういった位置の買いは、ストップを109.71割れに置いて、ターゲットは、110円ミドル、超えても110.80前後が抑えると利食い優先となる。

FOMC議事録は大注意【2021年7月7日】

ポンド円

  • 予想レンジ:152.00~153.50
  • 基本戦略:戻り売り
  • 予想時間:08:14 予想時レート: 152.69

上昇が156.08まで拡大も上値を抑えられる形。上値は、転換線や基準線が位置する153.46-57が抑えると弱い。154.08を越えて、154.20の雲の上限、154.23-54の戻り高値、155.15-16、155.39-94の戻り高値が視野となるが、抑えると上値追いは出来ない。あくまで156.08を超えて、月足の156.60の戻り高値、更に157.05には横ばいとなる月足の雲の上限が位置しており、上値を抑える可能性が残っている。

一方下値は、152.31の雲の下限やサイコロジカルな152円や151.50が維持されると良いが、151.32の下ヒゲを割れると調整が深まり、150.88-151.26、149.54-150.11の戻り安値圏、149.06の戻り安値や148.53-77の戻り安値を割れるケースでは調整が深まり、148.12、147.29-41まで割れると146.36-56,145.22の戻り安値を割れると144.04-50、142.85、142.20まで視野となるが、維持は不透明も維持できない場合141.08-29、140.76、140.35-37などが視野となる。また139.48-52を割れると138.00-33の戻り安値圏、136.80-97の下ヒゲまで割れると相場は崩れ、134.88-135.72の戻り安値圏までターゲットとなる。ただこの下方ブレイクが、一気に実現するかは不透明も134.41まで割れると133.62-84の戻り安値圏、133.05や132.95の戻り安値割れると相場は更に崩れ気味となり、132円のサイコロジカル、131.78の安値まで割れると130円までターゲットとなる。

従ってデイの戦略としては、突っ込み売りは出来ないが、153.00-50ゾーン、153.80前後まで売り上がり姿勢。ストップは154.08越え。ターゲットは152.30-40の維持では利食い、割れても152円前後から151.50までは、下げ止まりを確認しながら利食い優先が安全となる。

FOMC議事録は大注意【2021年7月7日】