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こんにちは、YEN蔵です。
今週の為替相場振り返りです。
目次
今週(10月25日週)の振り返り
今週は日銀、ECBとカナダ中銀が金融政策発表
世界的に超緩和政策からの離脱が注目される中で、今週は先進国では3つの中央銀行の会合がありました。
カナダ中銀はタカ派的姿勢に
27日に行われたカナダ中央銀行の政策金利を0.25%に据え置き、債券買い入れプログラムは11月1日に終了し、満期を迎える国債の再投資を開始すると発表しました。債券買い入れ額の縮小は予想されていましたが、一気に終了はややサプライズでタカ派的な印象を受けました。債券買い入れ終了に理由は、堅調な経済、ワクチンの高い接種率、雇用の堅調な伸びとしました。
四半期ごとに発表される金融政策報告書では再び堅固な成長を遂げている、経済のスラックは2022年半ばに解消される見込みとしました今年の経済成長は7月予想の6%から5.1%に引き下げ、インフレ率は1~3%のレンジを上回る状態が従来よりも長くなり2022年後半には目標に近づくと予想しました。
黒田総裁は円安はメリットとコメント
28日行われた日銀政策会合では予想通り金融政策を据え置き。コロナに対応した大規模な金融緩和を維持しました。四半期ごとに発表される展望レポートでは2021年のGDPを3.8から3.4%に下方修正、22年は2.7から2.9%に上方修正しました。消費者物価指数は2021年を0.6%から0%に下方修正、2022年を0.9%に据え置きました。今年の経済が減速、消費者物価も低下しますが来年は持ち直す予想になりました。
黒田日銀総裁は会見で、足元のドル円は若干の円安とし、円安は常にプラス円高は常にマイナスというわけではないと述べたうえで、今回は輸入コストの上昇の影響をかなり上回っており、今回の円安は間違いなくプラスと述べました。
市場はECBのハト派姿勢に懐疑的
ECB理事会では予想通り金融政策を据え置きました。ラガルトECB総裁の会見ではハト派的なスタンスを示しましたが、マーケットはそれほどハト派的ではないとの判断からユーロは上昇しました。
今回の理事会ではインフレについての議論が中心であったし、一時的な物価の上昇に過剰反応することをしないとし2022年にはインフレは沈静化する見込みを示しました。
一方で市場はインフレが鎮静化するという見方の懐疑的なようです。
欧州の債券利回りは軒並み上昇しています。会見前と比べてドイツ10年債利回りは-0.17%から-0.09%、フランス10年国債は0.18%から0.26%、イタリア10年国債は0.95%から1.09%とそれぞれ上昇しています。
ラガルト総裁は、頑張ってインフレは一時的と主張したのですが、市場はその程度では許してくれずに、債券利回りは上昇しました。これはいずれECBが速い時期での利上げなどに追い込まれるリスクを織り込んでいます。早いといっても来年後半ですが。
動き出したユーロドル
ユーロドルのポイント
ユーロドルは9月29日にサポートされていた1.1670付近を下抜けした後は1.1525まで下落しましたが1か月ほど1.16をはさんだレンジで推移していました。1.16付近にオプションの権利行使価格が集中しており、このオプションがレンジなった原因にもなりました。
昨日のECB理事会後一か月振りに1.1690付近まで上昇しています。
25日移動平均線が位置する1.1630付近を維持できれば、75日移動平均線が位置する1.1730付近、そのレベルを上抜けすれば一目均衡表の雲の下限が位置する1.1770付近への上昇を予想します。
ただ来週はFOMCが開催されドルの方向に影響が出るので、その後の動きはFOMC次第です。
ユーロ円のポイント
ユーロ円は20日に133.50付近まで上昇しましたが、その後はドル円の下落もあり131.55付近まで下落しています。
131.30付近は今回の上昇(127.95~133.50)のフィボナッチ・リトレースメント38.2%にあたり、また25日移動平均線が位置しています。
131.台前半がサポートされれば131~133.50のレンジ継続を予想します。
チャートはユーロドル、ユーロ円の日足、5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線、250日移動平均線、一目均衡表、RSI、スローストキャスティックス、DMI、MACD、です。