[AD] 運営維持のため、一部広告リンクを設置する場合がございます(詳細)
FX最大の魅力は、自己資金を担保にして、より大きなお金を運用できる「レバレッジ」にあります。
とは言えリスクとリターンは常に表裏一体であり、レバレッジをどの程度効かせるのか、証拠金維持率の基本を理解しておかねば、危険な運用になりかねません。
そこで本記事では、証拠金維持率の基本や活用法、よくある失敗例など、初心者向けてに分かりやすく解説していきたいと思います。
目次
FXにおける証拠金維持率とは
証拠金維持率の概要と計算方法
ポジションを保有するために必要とする証拠金が、純資産額の何割に相当しているか、その割合を「証拠金維持率」と呼びます。
証拠金維持率の計算式は、以下の通り。
証拠金維持率:口座資金 ÷ ポジション必要証拠金 × 100
上記の式を分かりやすくイメージしていただくために、一例を示しましょう。
口座に100万円の資金があるとき、米ドル円を10万通貨保有することを考えていきます。
この時1ドル=120円だとすれば、必要証拠金は48万円(120円 × 100000 ÷ 25)。
つまり求められる証拠金維持率は、100万円÷48万円(※)×100 ≒ 208%ということになります。
ちなみに、レバレッジと証拠金維持率は反比例の関係にあり、以下の式よりそれぞれを算出することできます。
レバレッジと証拠金維持率の関係性: 2500(最大レバレッジ × 100) ÷ 証拠金維持率 = 実行レバレッジ
今回紹介した2つの式は、FXを続ける上で欠かせない知識になりますので、ぜひとも習得しておきましょう。
証拠金維持率が低下すると?
証拠金維持率が一定の水準(FX会社ごとに異なる)を下回ってしまうと、以下の2点が執行されることになります。
・追加証拠金の請求
・強制ロスカット
証拠金維持率を低下したまま放置しておくと、追加の証拠金を求められることになるでしょう。
入金あるいはポジション整理等を行うなどして、証拠金維持率に余裕を持たせなければ、それ以上の注文ができなくなってしまいます。
またFXにおける最悪のケースは強制ロスカットであり、含み損を抱えたポジションが強制的に決済されることで、口座内の資金大部分を失ってしまうことになるでしょう。
そうならないための注意点については、以下の記事にて詳しく解説しておりますので、ぜひご一読いただければと思います。
【強制ロスカット】FX初心者の9割が稼げない?よくある失敗例6選トレードスタイル別!証拠金維持率の目安とは
(安全に運用するためには、どれくらいの証拠金維持率を保つべきだろうか?)
多くのトレーダーが、このような疑問を一度は感じたことがあるはずです。
その答えはトレードスタイルによって異なるため、一概に結論づけることはできません。
そこでトレードスタイル別に、保つべき証拠金維持率の目安について解説していきます。
スキャルピング
超短期売買であるスキャルピングは、大抵のエントリーが高ロット、そして回数をこなして利益を積み上げるというやり方です。
取れる値幅は小さい代わりに、ロット(通貨量)でカバーしなければならないため、レバレッジは大きくなる傾向にあります。
「外為どっとコム総研『外為白書2016-17(第8号)」の調査によれば、スキャルピングにおける平均的な実行レバレッジは10倍程度のようです。
つまり証拠金維持率は250%前後ということになり、ハイリスク・ハイリターンな運用になりやすいことから、経験が伴わないうちは手を出すべきではないでしょう。
デイトレード
デイトレードでは、数十秒〜数分間というトレードから、数時間〜半日に及んだりと、比較的時間のブレが大きくなることが考えられます。
そのためどれくらいの変動になるか、あらかじめOANDAのサイトツール等を活用して、ボラティリティを確認しておくことをおすすめします。
通貨ペアごとの値幅をチェックしておくことで、抱え得る含み損の範囲も想定できるため、効かせるレバレッジの上限についても逆算することができるでしょう。
ちなみに有名FXトレーダーであるaki氏を始めとして、多くのトレーダーが実行レバレッジを5倍までというルールを設けているようなので、1つの参考にしてみてはいかがでしょうか。
スイングトレード
ポジションを比較的長めに保有することになるスイングトレードにおいては、証拠金維持率を高めにキープしなければなりません。
なぜなら、保有したポジションが数百pips以上も逆行することは珍しくなく、また時間をかければかけるほど、変動しうる範囲は大きくなるからです。
スイングトレードにおいては、たとえ含み損を抱えたとしても、保有し続ければ助かっていたというケースも多く、そこまで耐え切るためには、やはり資金とレバレッジに余裕がなければなりません。
FXの要!資金管理方法を徹底マスター!リーマンショックやフラッシュクラッシュ等、大きな変動が起きても耐え切れるよう、2〜3倍のレバレッジに留めることをおすすめします。
証拠金維持率に関するよくある失敗例!
「証拠金維持率〇〇%まで!」と一定の水準を設ける際は、ある程度の資金余力も考慮しておかねばなりません。
なぜならFXでは、不定期で展開の読めない大きな変動が起きており、そういった多量の含み損を抱えることになるからです。
その一例を紹介しましょう。
2019年1月のフラッシュクラッシュにおいては、米ドル円やユーロ円など、クロス円通貨は軒並み下落することになりました。
フラッシュクラッシュとは?過去事例から分かる原因と対策について特に豪ドル円の下落幅は大きく、76→71円まで急降下です。
この時、仮に10万通貨の買いポジションを保有していれば、一気に50万円の含み損を抱えることになります。
100万円の資金で運用していたとすれば、必要証拠金は「304,000円」、また強制ロスカットのラインは「68.750」。
エントリー時の実行レバレッジは約8倍程度であるものの、下落のピーク時には20倍に達する寸前になります。
このように、ポジションを保有した瞬間の実行レバレッジは、含み損を抱えることによって、意図せず大きく負担がかかることを忘れてはならないのです。
まとめ:トレードスタイルに応じて証拠金維持率を徹底管理!
本記事では、FXにおける証拠金維持率について、以下のポイントを中心に解説しました。
- 証拠金維持率とは
- トレードスタイル別の証拠金維持率目安
- 証拠金維持率のよくある失敗例
FXで稼ぐために重要なポイントは様々ですが、多くのトレーダーが述べている通り「資金管理」は最重要となります。
そして資金管理が適切であるかどうかの指標として、多くの人が証拠金維持率を参考にしているでしょう。
どの程度の維持率をキープすれば良いのか、自身のトレード歴と照らし合わせながら、適切なラインを探してみてください。
以上、参考にしていただければ幸いです。