アメリカの金利が推移する理由とは?利上げ・利下げによって為替相場はどう動く?

アメリカの金利が推移する理由とは?利上げ・利下げによって為替相場はどう動く?

FXで勝つためには、アメリカの金利推移に注目しておかねばなりません。

なぜならアメリカは、世界経済を牽引する存在であり、また米ドルは為替における基軸通貨だからです。

本記事にて解説する、アメリカの金利が推移する理由を学ぶことで、金利の予測が立てやすくなり、クロスドル通貨の取引において、より有利に立ち回れるのではないでしょうか。

アメリカの金利推移について

アメリカの政策金利は「1.00%」となっています。

上のグラフを見て分かる通り、アメリカの政策金利は不定期で変動しています。

日本では、長らく低金利が維持されているため、金利の重要性については中々気づきにくいかもしれません。

しかし、経済状況に合わせて金利を調整していかねば、国民の安定した生活が揺らぎかねない事態となるのです。

金利が設定される理由

金利が設定される理由は、主にインフレに対応するためです。

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例えば、今まで100円と100円で購入できる商品の価値は同格ですが、商品の値段が200円まで上昇したことを考えてみましょう。

その場合、今までよりも2倍のお金を支払う必要があり、逆にいえば100円の持つ価値が半分になってしまったということです。

このままインフレを放置してしまえば、「通貨の価値が下がった→今までよりも多くのお金が必要」ということになり、国民の生活を圧迫してしまうでしょう。

そこで金利を設定して通貨に付加価値を与えることで、インフレに対応できるようバランス調整しているというわけなのです。

インフレが発生する理由について

そもそも、なぜインフレが発生してしまうのでしょうか?

その理由としては、経済成長や技術革新と大きく関係しています。

例えば、娯楽にしろサービスにしろ、新商品が発表されると、それは従来のものよりも優れていたり、また最新の技術が導入されている可能性が高いです。

そうなると「前よりも良い商品なのだから、少し値段を高く設定しよう」と企業側が考えるのは自然のことであり、これが繰り返されることによって、少しずつインフレが進むことになります。

政策金利が推移する理由とは

各国の政策金利は、経済の状況に合わせて上下します。

どういった局面で「利上げ」あるいは「利下げ」するのか、理由を知っておくことで、金利変動の予測がより立てやすくなるでしょう。

金利を上げる理由

利上げは、高まりすぎた景気を抑えるために行われる措置です。

利上げされた場合、より多くの金利が付与されるようになるため、通貨を保有するメリットが高まります。

そうなると国民は、消費を抑えて現金保有する動きが強くなるため、その結果として市場に流入するお金も少なくなる、つまり景気を抑えることに繋がります。

また政策金利は、高ければ高いほど良いというものではなく、経済が盤石でない限りは、景気を過度に沈静化させてしまう諸刃の剣です。

トルコ経済のように、止まらないインフレとイタチごっこにもなりかねないため、利上げは毎度段階的に行われるということを覚えておきましょう。

金利を下げる理由

利下げは、冷え切った景気をテコ入れするために行われる措置です。

利下げされた場合、現金保有のメリットが少なくなるため、国民の消費や投資の動きが強まります。

そうなると、必然的に市場に流入するお金も多くなるため、経済活動も円滑になり、景気の好転に繋がるという仕組みです。

最近の例で言えば、コロナ禍の不況を脱する策として、アメリカを始め各国で利下げが行われました。

その結果、早い段階で元の景気水準まで戻すことができ、逆に行き過ぎた景気を抑えるために、現在(2022年5月)のアメリカでは利上げ方針が打ち出されています。

金利の推移が為替相場に与える影響

米ドルは基軸通貨であるため、世界中の投資家がアメリカの政策金利に注目しています。

政策金利が変動すると、為替相場において具体的にどのような影響をもたらすのでしょうか?

利上げの影響

利上げされた場合、基本的にその通貨の需要は高まります。

例えば、段階的な利上げが行われた2018年のチャートを見てみると、104円から113円まで大きく上昇トレンドを描くことになりました。

経済大国アメリカの通貨ゆえに値崩れが起こりにくく、なおかつ一定の金利が付与されるとなると、その人気は高まって当然と言えるでしょう。

ただし日本円やユーロのように、金利が低いからといって価値が落ちやすいのかと言えば、決してそのようなことはありません。

通貨価値は国力を反映していると考えられており、先進各国の通貨は、リスクヘッジのために分散投資先となりやすいため、常に一定の価値を有しているのです。

利下げの影響

利下げされた場合、一時的にその通貨の需要は下がる傾向にあります。

アメリカの政策金利がガクンと落ちた2020年のチャートを見てみると、108円から102円前半まで大きく下落トレンドを描くことになりました。

 

しかし利下げが行われたからといって、必ずしも通貨の価値が下がるわけではありません。

なぜなら利下げは、景気回復・好転を目的とした措置であるため、期待を込めて買い圧力が高まるケースがあるからです。

そのため利下げが打ち出されたからといって、すぐにショートでエントリーするのではなく、ある程度の様子見が必要だということを覚えておきましょう。

まとめ:金利の推移に注目するとFXは勝ちやすい!

本記事では、アメリカの金利推移について、以下のポイントを中心に解説しました。

  • アメリカの金利推移について
  • 政策金利が推移する理由とは
  • 金利の推移が為替相場に与える影響

ファンダメンタルズ分析において、政策金利ほど重視すべき指標はありません。

それほど相場に与える影響は絶大で、指標発表に合わせてポジションを仕込んでおくことで、大きく稼ぐことができるでしょう。

ただしその予測を行うためには、日頃からの情報収集が不可欠です。

連日のニュースやFX会社が配信するマーケット調査など、細かくアンテナを張って、積極的に情報収集に努めてみてはいかがでしょうか。

以上、参考にしていただければ幸いです。