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おはようございます。大塚亮です。
2021年9月10日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の9月9日終値は151.856円、前日比0.026円安と小幅続落した。取引レンジは152.167円から151.419円。
9月3日夜の米雇用統計を通過してからのドル高基調により9月4日未明高値からポンドドルが下落した流れに圧されてポンド円は7日夜に151.495円まで下落したが151.50円割れを買い戻されて8日午前には152.091円まで戻した。しかし4日未明高値からの戻り高値切り下がりの範囲にとどまって8日夕には151.464円まで安値を切り下げ、8日深夜にも151.50円を割り込んだが、いずれも買い戻される動きが続いた。
9月9日は夕刻にかけてドル円が110円を割り込む急落となったことで再び151.50円割れに陥って安値を151.419円まで若干切り下げたが、8日夜に一段安したところからやや戻していたポンドドルが夕刻から急反騰に入ったことで151.50円割れからの買い戻しパターンを継続、さらにポンドドルが10日未明に1.38615ドルを付けて9月4日未明高値1.38615ドルに迫るところまで続伸したことでポンド円は152.167円へ上昇、8日午前高値をわずかに超えた。
注目ポイント ポンドドル急伸
ポンドドルは9月3日の米雇用統計直後のドル全面安により9月4日未明高値1.38904ドルへ上昇して8月20日安値1.36023ドル以降の高値を更新したが、週明けからは米雇用統計通過によるドル全面高への揺れ返しに入ったことで急落、8に氏夜には1.37266ドルまで一段安していた。しかし8日は米雇用統計後の米長期債利回り上昇が一服して低下に転じ、9日も米長期債利回り低下が続いたことでドル高に一服感が出てユーロドル等が下げ渋り、ドル円が急落するなどドル高一服の様相となった。
ポンドドルはドル高一服とはいえ急反騰の勢いで戻した。9月9日はNYダウが4日続落、ナスダックも続落で米国株式市場は総じて下落となり、英FT100株価指数も1%を超える下落となった。ECBがパンデミック対策としての資産購入ペースを縮小すると発表したことで独10年債利回りや南欧の長期債利回りが低下し、米長期債利回りも株安債券高により前日からの低下を続けたが、英10年債利回りは上昇基調を継続したためにポンド買いドル売り、ユーロ売りポンド買いが勝る形でポンドドルが急伸、結果としてポンド円を151.50円割れから反発させたという印象だ。
ドル全面高一服に対する主要通貨の反応はまだまちまちなところもあり、ポンドドルが上昇を継続できるのか、米雇用統計直後の9月4日未明高値を超えられるのかはまだ微妙な情勢だが、ポンド円としては151.50円割れを買い戻される高値圏持ち合いをひとまず維持することとなった印象だ。
短期テクニカル分析
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。
9月4日未明高値を当面のピークとして下落基調に入ったが、7日夜から何度か151.50円を割り込んだところを買い戻され、9日深夜には8日午前高値を超えて4日未明高値以降の戻り高値切り下がり基調からいったんは上抜けている。このため7日夜安値と9日夕安値をダブルボトムとして戻しに入ったところと思われる。9日夕安値を割り込まないうちは8日午前高値を基準として13日午前から15日午前にかけての間への上昇余地ありとみるが、9月4日未明高値を超えないうちは戻りが短命に終わる可能性もあるとみて151.65円割れを弱気転換注意とし、9日夕安値割れからは新たな下落期に入るとみて14日夕から16日夕にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では9月4日未明高値以降を151.50円割れを買い戻されつつ152円台序盤では戻り売りにつかまる持ち合いでの推移となっているために遅行スパン及び先行スパンが実線との交錯を繰り返して方向感に欠ける。目先は9日深夜高値超えからはさらに高値追及へ向かうとみて遅行スパン好転中は上昇余地ありとし、9日夕安値割れからは151.50円割れを買い戻せなくなっての下放れとして遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は9日夜の上昇で60ポイントを超えたところからは失速気味で50ポイントを挟んでの揉み合いとなっている。60ポイント超えからは上昇再開とし、40ポイント割れからは一段安へ進みやすくなるとみる。
9月10日の売買戦略
9月4日未明高値からは持ち合いの範囲での推移中であり、152円台到達で戻り売り、151.50円割れを押し目買いという展開が続いている。9日深夜高値超えからは持ち合い上放れへ向かうとみて押し目買い有利とし、4日未明高値超えからは152円台後半を目指す上昇を想定する。152.75円以上は反落注意、利益確定売り優先とみる。
9月9日夕安値割れからは持ち合い下放れに入ると仮定して戻り売り有利の展開とし、151円前後への下落を想定する。下げ足が速まる場合は150円台後半へ下値目途を引き下げ、151.50円以下での推移なら週明けも安値試し継続とみる。
9月10日の注目経済指標
- ドイツ
- 15:00 8月 消費者物価指数改定値 前月比 (速報 0.0%、予想 0.0%)
- 15:00 8月 消費者物価指数改定値 前年同月比 (速報 3.9%、予想 3.9%)
- 英国
- 15:00 7月 月次GDP 前月比 (6月 1.0%、予想 0.6%)
- 15:00 7月 鉱工業生産指数 前月比 (6月 -0.7%、予想 0.4%)
- 15:00 7月 鉱工業生産指数 前年同月比 (6月 8.3%、予想 3.0%)
- 15:00 7月 貿易収支・物品 (6月 -119.88億ポンド、予想 -110.00億ポンド)
- 15:00 7月 貿易収支・全体 (6月 -25.14億ポンド、予想 -16.00億ポンド)
- 米国
- 21:30 8月 生産者物価指数 前月比 (7月 1.0%、予想 0.6%)
- 21:30 8月 生産者物価指数 前年同月比 (7月 7.8%、予想 8.2%)
- 21:30 8月 生産者物価コア指数 前月比 (7月 1.0%、予想 0.5%)
- 21:30 8月 生産者物価コア指数 前年同月比 (7月 6.2%、予想 6.6%)
- 22:00 メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
- 23:00 7月 卸売在庫 前月比 (6月 1.1%、予想 0.6%)
- 23:00 7月 卸売売上高 前月比 (6月 2.0%)