ECBはステルステーパリング?【YEN蔵のFX相場分析】

2021年8月6日週 為替相場分析

こんにちは。YEN蔵です。

今週の為替相場予測です。

今週(9月6日週)の振り返り

米雇用統計は衝撃的な数字でしたが

先週の金曜日には全世界が注目する米雇用統計の発表がありました。そこでの結果はなかなか悩ましいものになりました。市場が一番注目する非農業部門雇用者は23.5万人でした。前月分が105.3万人(94.3万人から上方修正)、予想が75万人でしたから、23.5万人というのはかなり期待外れの数字でした。

一方で失業率は5.4%から5.2%に低下、パートタイムや職探している人も含めた広義の失業率であるU6失業率も9.2%から8.8%に低下しました。

数字を受けてドルの強さを表すドルインデックスは91.95まで下落しましたが、結局そこが大底となってドルは反発して8日には92.85付近まで上昇しました。

その間ドル円は109.60まで下落しましたが110.45まで上昇しました。米雇用統計は雇用の改善は継続しておりFRBが今年中にテーパリング(資産買い入れ縮小)を開始する方針は変化がないという思惑がドルの反発につながりました。

結局そのあとにドルインデックスは92.40付近まで下落、ドル円は109.60付近まで下落して上昇分を帳消しにしてしまっています。

今週の為替は引き続きレンジでの動きが続いています。

今週の最大のイベントECB理事会を通過しました

テーパリングを開始したECB

昨日、ECBは理事会を開催し予想通り政策金利は据え置きましたが、PEPP(パンデミック緊急買い入れプログラム)の資産買い入れのぺースを今後縮小することを決定しました。前2四半期は月間800憶ユーロの買い入れペースでしたが、この買い入れペースを月間600~700億ユーロペースに落とすのではないかと市場は予想しています。

市場はこのニュースを聞いてユーロドルは一瞬上昇(1.1845付近)しましたが、結局その後は下落(1.1805付近)して、執筆時(10日12時ごろ)には再び1.1830付近まで上昇してきています。

なんでユーロドルは下落したのでしょうか。ラガルトECB総裁は会見で、良好な金融環境を実現するために買い入れペースの調整を全会一致で決定した。これに続く措置については討議されなかったと述べました。

市場はテーパリングの開始という判断をしましたが、ラガルト総裁は、これはテーパリングではないし、今後の措置も討議していないと言い張りました。なかなか難解な発言ですね。

タカ派なメンバーであるドイツ連銀などに配慮して資産買い入れペースは減速しましたが、あくまで潤沢な資金供給と感染拡大下での経済を支えるために金融緩和は続けますよという前提の落としどころが、このような判断であったのかもしれません。調整型のリーダーであるラガルト総裁らしい判断だったように思えます。前総裁のドラギ氏が多少張ったりかましても市場にサプライズを起こしていた時に比べると、ECBもだいぶ変化した印象を受けます。

注目通貨はユーロ円

ユーロ円の上昇は終了か?

先週のコラムでは「節目の130円付近には一目均衡表の雲の下限、75日移動平均線が130.20円に位置しこのレベルをサポートできれば一目均衡表の雲の上限が位置する131.40~50円付近への上昇を予想します。一方で130円を下抜けする場合は129円付近への下落を予想します。」と書きました。

ユーロ円は9日にこれらのサポートを下抜けして129.65付近まで下落しています。また25日移動平均線の位置する129.80付近も一時下抜けして、そのレベルで推移しています。

今までサポートしていたところを下抜けした場合は、そのレベルが今度はレジスタンスになるパターンがよくあります。そうなると下抜けするまでサポートされていた130.00~130.20付近が重要なレジスタンスレベルとして意識されます。

このレベルが上抜けできないようであれば一目均衡表の基準線が位置している129.35付近、そこを下抜けすれば129円付近への下落を予想します。

ユーロ円は8月19日の安値127.90付近から9月3日に130.75付近まで上昇しましたが、そこから下落が続いています。この上昇トレンドが完全に終わったのかどうかを判断するのは129.円台中盤がサポートされるかどうかがポイントではないかと判断します。

ユーロ円 チャート

チャートはユーロ円の 日足、一目均衡表、RSI、スローストキャスティックス、DMI、MACDです。