FXは塩漬けでも逆転可能!塩漬けが許される条件とは?

FXは塩漬けでも逆転可能!塩漬けが許される条件とは?

(このまま塩漬けしておけば、いつの間にか元に戻って助かるかも知れない。)

「塩漬け」は、一般的には推奨されない戦略ですが、分かっていながらも中々損切りに踏み切れないものです。

ただFXではその性質上、必ずしも塩漬けが悪手となるわけではありません

本記事では、FXにおける塩漬けのリスク、また塩漬けが許される条件について解説していきます。

FXにおける塩漬けとは

FXにおける「塩漬け」とは、含み損になってしまったポジションを損切りできずに、長い間保有し続けてしまうことを意味します。

ここで大事なのは、塩漬けは自ら損切りするタイミングを見失った場合のみを指し、元から長期的にポジションを保有する戦略には当てはまらないということ。

つまり塩漬けは、最初から狙おうとするものではなく、仕方なく行き着いた状態です。

「少し戻ってきてから損切りしよう」「資金を減らしたくない」

これらの淡い期待に踊らされて、塩漬けを余儀なくされているようでは、生き残るのは厳しいと言えるでしょう。

投資において塩漬けが推奨されない4つの理由

理由1:メンタルの負担

塩漬けが推奨されない一番の理由は、「メンタルの負担」です。

塩漬けになっているということは、損失が出ているポジションを持ち続けることになるため、正常な精神状態を保てなくなります。

そうなるとトレード全般に悪影響を及ぼし、負ける可能性が平常時よりも高くなってしまうでしょう。

メンタル管理はFXにおいて最重要であるため、それを阻害する塩漬けポジションは、極力避けなければならないのです。

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理由2:機会損失

塩漬けポジションによって証拠金維持率が圧迫されると、新規ポジションを保有しづらくなります。

「ポジションを保有するための証拠金 + 塩漬けによる含み損」これらの合計金額を確保する必要があるため、早めに損切りして新たなチャンスを探すほうが賢明な判断と言えるでしょう。

理由3:ストップロス狩り

塩漬けポジションは、ヘッジファンドや機関投資家から狙われやすいということを覚えておきましょう。

なぜなら、個人トレーダーのポジション状況は機関投資家に対して筒抜けであり、為替レートにどれくらい圧力をかければ限界を迎えるのか把握されているからです。

個人トレーダーの塩漬けポジションにとどめを刺して、後から安く買い戻すという常套手段に引っかからないためには、日頃から余裕を持った運用を心がけなければなりません。

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理由4:損失の拡大

塩漬けポジションを放置したままにしておくと、含み損がさらに大きくなる可能性があります。

FXのトレンドは数年単位にわたる長期的なものも存在し、時間をかけてジワジワと含み損が拡大していく様は、耐えられたものではありません。

また人は基本的に、良い方向に行くイメージしか持てず、最悪の想定ができない傾向にあります。

ポジションの塩漬けは、延命しているつもりでも実は自らの首を絞めることになる、ということに早く気づくべきでしょう。

塩漬けは救われるのか?塩漬けしても良い条件とは?

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塩漬けは一般的に推奨されるものではありませんが、FXにおいては「逆転の可能性が残されている塩漬け」であれば、一概に悪手とは言えません。

では、塩漬けから逆転する手立てとは何なのか、どういった条件に注目するべきなのでしょうか。

条件1:レンジ相場が確認できる

レンジ相場とは、為替レートが一定の値幅で行き来する状態のことであり、塩漬けポジションがレンジ相場の圏内であれば、まだ助かる見込みはあります。

レンジ相場はなるべく上位足から選び「少なくとも5年以上の長期スパンでレンジ相場を形成している」というのが意識しておくべき条件です。

豪ドルやカナダドルといった先進国通貨であれば、通貨の需要が偏りすぎないよう各国の中央銀行が調整を行うため、レンジ相場も生まれやすくなります。

レンジ相場の上端・下端付近であれば、その後チャートが反転して救われる可能性も高いため、ポジションを塩漬けして機を待つというのも一案になるでしょう。

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条件2:スワップポイント

抱えた含み損の金額以上に、スワップポイントで稼げるようであれば、塩漬けポジションにも価値が生まれます。

では、その判別をどうやってつければ良いのか、1つ例をお示ししましょう。

以下のチャートは、高金利通貨として人気のあるメキシコペソ円です。

ポジション保有時点から直近数年さかのぼって、最もpipsの高低差がある局面を探してみましょう。

メキシコペソ円の場合は2020年の2月から4月にかけて、コロナショックの影響により30%(6.00円 → 4.20円)もレートを下げています。

この時メキシコペソ円を100万通貨保有していたとすれば、抱える含み損は180万円、一方で年間に入ってくるスワップポイントは約330,000円ほど(計算は割愛)です。

スワップポイントで含み損を相殺するためには、丸6年の期間を要する見通しになりますが、ご自身の収入や口座状況から考えて、問題なく耐え切れるでしょうか

スワップポイントで挽回できるまでに時間が掛かりすぎる、あるいは全く身動き取れない状態になる、といった状況であれば、早々に撤退することをおすすめします。

条件3:「損出し」狙い

年間の損益が確定するまで、ポジションを塩漬けにするというのも一案です。

FXの利益は年間20万円を超えた場合、確定申告の義務が生じるため、必要書類を作成した後に納税しなければなりません。

しかし、一定の損失を敢えて年末時期に確定させることで年間収支を調整し、確定申告義務を免れるという手段があります。

年間利益20万円を超えるかどうかで手元に残る金額は大きく違ってくるため、節税目的としてであれば、塩漬けポジションでも残すメリットがあるというものです。

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まとめ:条件次第では「塩漬け」も有り!

本記事では、FXにおける「塩漬け」について解説しました。

一般的には避けるべき戦略である「塩漬け」も、条件次第では救われることがあります。

不要な損切りを減らすためにも、塩漬けするべきか否か、記事中に紹介した条件と照らし合わせて検討してみてください。

以上、参考にしていただければ幸いです。