テイクプロフィットとは?意味やストップロスとの違いを紹介

テイクプロフィットとは?意味やストップロスとの違いを紹介

テイクプロフィットとは、あらかじめ価格を指定しておき、保有しているポジションの利益確定を行うことです。

手動で利益確定を行うのも問題ありませんが、テイクプロフィットを使いこなすことで、より安定して利益を積み重ねることができます。

ただ、テイクプロフィットの詳細な機能・有用性に関しては、あまり知られていないことが多いようです。

そこで本記事では、テイクプロフィットの使い方やメリット、また活用する注意点などまとめて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

テイクプロフィットオーダーとは?

テイクプロフィット(Take Profit)とは、直訳すると「利益を取る」、つまり利確を意味します。

FXは為替差益で稼ぐことを目的としているため、すでに多くの方が利確を経験されていることでしょう。

ただテイクプロフィットによる利確は、あらかじめ設定したレートに到達した時点で決済される、指値の意味で使われます。

 

テイクプロフィット・ストップロスを使いこなすことで、チャートを監視する時間を大幅に減らすことが出来るため、日中忙しい人にこそおすすめの注文方法と言えるでしょう。

 

またテイクプロフィットを設定するためには、注文する際に都度設定を行う必要があります。

例えばMT4のアプリの場合は、トレード画面の中央に「テイクプロフィット」「ストップロス」が配置されているので、そちらに任意のpipsを入力していきましょう。

またFX会社によっては、「テイクプロフィット」「ストップロス」ではなく、それぞれ省略されて「T/P」「S/L」、もしくは「利食い」「損切り」と表記されていることもあります。

それぞれ目標とする数値を入力しておくことで、チャートが動いた時に自動で決済してくれるようになります。

ポジションを保有中はいつでも変更できるため、スキャルピング等の短期トレードでない限りは、とりあえず設定しておいて損はないでしょう。

ストップロスオーダーとは?

テイクプロフィットとは反対に、「ストップロス(SL)」と呼ばれる注文方法も存在します。

ストップロス ストップロスとは?意味や重要性は?ストップロス注文の方法も解説

ストップロスを設定することで、指定レートまで達した際に自動で損切りを行ってくれるため、チャートから目を離した際に訪れる大きな損失も、未然に防ぐことができるでしょう。

 

またこちらの記事でも紹介しておりますが、人は誰しも「プロスペクト理論」によって損切を苦手としています。

しかしトレーダーとして長らく生き残り続けるためには、いつかは損切りを執行しなければならないタイミングも訪れるでしょう。

 

そんな時は手動で行う損切よりも、事前にストップロスを設定しておくことで、自然と損切りができるよう仕組化しておくことが肝要です。

FXでは、どれだけ稼げるかよりも、どれだけ損失を防げるかの方が大事になりますので、損失を一定範囲にとどめるためのストップロスは、できるだけ早くから習得しておきたいところです。

 テイクプロフィット(TP)のメリットとは

テイクプロフィットを設定するメリットは以下の3つが挙げられます。

特に最後に紹介するメリットを知っておくと、より利確するチャンスが増えていくのではないでしょうか。

メリット1:チャートを監視する時間の削減

テイクプロフィットのように、自動で決済させる注文形式は、トレーダーの時間的な負担を大幅に減らしてくれるでしょう。

FXは、エントリーを済ませればそれで終わりというわけではなく、チャートを監視して常に出口を探っておかねばなりません。

ただ、決済タイミングを図ろうにも、そんなにチャートに時間を割けないという人も多いでしょう。

そんな時は、チャート上のラインやインジケーターから利確ポイントを予想し、あらかじめテイクプロフィットによって指定しておく、というのが有効な立ち回りになるでしょう!

メリット2:システム的にトレードできる

一度テイクプロフィットやストップロスを設定しておけば、後はどう転んでも決済は見えているので、基本的に見守るだけとなります。

一方で、そういった予約制の注文が設定できないとどうなるでしょうか。

ポジションを保有した後の、なんとも言えないソワソワ感、皆さんも幾度となく経験があると思います。

(いつ利確しようか…?)

(このまま待つべきか、一度徹底するべきか…。)

つい気になってしまい、何度もチャート画面を開いてしまうかも知れません。

自分のお金がかかっているとなると、誰だって相場の動向が気になって当然でしょう。

そこで迷いなく、邪念なく、システム的にトレードするためにも、テイクプロフィット・ストップロスを有効活用していただければと思います。

メリット3:瞬間的なブレイクアウトを捉える

チャートを眺めてみると、トレンドラインや、レジサポラインなど、各種テクニカルラインを瞬間的にブレイクしているポイントが見つかるかと思います。

このような急激な値動きはオーバーシュートとも呼ばれ、リアルタイムで値動きを捉えようと思っても、常に相場を監視・分析できる人は限られます。

しかし、テイクプロフィットを設定していれば、このような瞬間的な値動きにも対応可能!

利確ラインにタッチした瞬間に決済されるので、含み益の取りこぼし、機会損失リスクを防げるようになるでしょう。

テイクプロフィット(TP)のデメリットとは

テイクプロフィットのデメリットとしては、以下の2つが挙げられます。

どちらも慣れれば問題ないものの、最初のうちは苦労するかもしれません

デメリット1:設定が面倒

テイクプロフィットは、全て自分の操作で設定しなければなりません。

となると毎回設定が結構面倒で、操作にストレスを感じる人もいるでしょう。

 

いくら利確を逃さないためとはいえ、負担を感じてしまっては意味がありません。

そのため「狙いたい局面だけ設定する」「ボラティリティの激しい通貨ペアのみ設定する」といった、使いやすくする工夫を設けてみるのがいいのではないでしょうか。

デメリット2:必ず決済されるとは限らない

テイクプロフィットを設定したから、安心して利確できる!

・・・とは限らないのが実際のところです。

例えばFX会社のサーバーに負担がかかり過ぎていたり、相場が混乱している状況だと、設定通りに決済されないこともあります。

 

またこれはストップロスについても同じことが当てはまり、損切が間に合わず、強制ロスカットや追証といった大きな痛手を被ることも考えられます。

そうなった場合FX会社側からの保証は一切なく、その旨は基本的に規約に明記されているため、こちらも泣き寝入りするしかありません。

 

使いこなせるようになると大変便利なテイクプロフィット・ストップロスですが、絶対的なものではないと割り切っておきましょう。

テイクプロフィット(TP)の活用方法とは

テイクプロフィットをより上手く活用するためには、「含み益の幅を小さくし過ぎない」これに尽きます。

本節では、その理由について詳しく解説していきますので、より賢く稼ぐためにも是非念頭に置いていただければと思います。

含み益の幅を小さくし過ぎない①

できるだけ早く利確したいがために、含み益の幅を小さく設定していないでしょうか?

気持ちは分かりますが、テイクプロフィットで細かな利確を繰り返していると、思いがけず損をしてしまうかもしれません。

というのも、毎回の注文でスプレッド等の取引コストが発生するからです。

例えば、50pipsの利確を1回行うのと、10pipsの利確を5回行うことを比較すると、後者の方は4回分も余分に取引コストを支払わなければなりません。

1回あたりの取引コストは微々たるものでも、年間通して考えると無視できないほど大きくなります。

テイクプロフィットで利確ラインを設定する際は、取引回数まで意識できるようになると、さらにワンランク上のトレーダーを目指せるでしょう!

含み益の幅を小さくし過ぎない②

プロスペクト理論によって、誰しもが含みを伸ばすことを苦手としています。

プロスペクト理論を克服しろ!4つの克服方法で損切り上手になれる プロスペクト理論を克服しろ!6つの克服方法で損切り上手になれる!

そのためテイクプロフィットで小さな利確幅を設定してしまうのも仕方ないことと言えるでしょう。

しかしFXにおいては、基本的に含み益の幅を大きく設定する方が、累計利益が多くなるという傾向をご存知でしょうか?

 

例えば、長期にわたってレンジ相場を形成しているカナダ円チャートにおいて、単純なナンピン戦略を試してみましょう。

レンジ相場の下半分を買い注文、上半分を売り注文、いずれも0.1円ずつで1000通貨保有することを考えてみます。

 

この時、含み益を1000円でテイクプロフィット(利確)するのか、2000円でテイクプロフィットするのか、その違いは以下のシミュレーション結果によって示されます。

結果より、含み益の決済を1000円(青線)と2000円(橙線)で行うのとでは、5年間で40万円近くの差が出ることが明らかになりました。

 

運用パフォーマンスで考えると、1.3倍もの違いです。

このように、やはりテイクプロフィットを細かく繰り返すよりも、できるだけ伸ばして大きく決済する方が賢い戦術となります。

もちろん、運用手法や期間によっても異なりますが、トレードにおける1つのセオリーとして、お含みおきください。

まとめ:テイクプロフィットでより快適なトレードを!

本記事では、FXにおけるテイクプロフィットについて、以下のポイントを中心に解説しました。

  • テイクプロフィットの意味について
  • テイクプロフィットの設定方法
  • テイクプロフィットのメリットとは
  • テイクプロフィットの注意点

テイクプロフィットやストップロスのように、予約制の注文を使いこなすことで、トレードに充てる時間を大幅に削減することができます。

日中忙しい人でも、テイクプロフィットの設定によって安心してトレードに取り組めますので、ぜひ活用してみてください!

以上、参考にしていただければ幸いです。