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ユーロポンド(EUR/GBP)は、FX初心者の方にとっては、おそらく馴染みの薄い通貨ペアと言えるでしょう。
しかし、ユーロポンドを定期的にチェックしておくことで、取引量世界一を誇るユーロドル(EUR/USD)や、その逆相関を持つドル円(USD/JPY)の情勢まで紐解けるようになります。
そこで本記事では、ユーロポンドの特徴・注目すべきポイント、またおすすめなトレード手法について解説していきますので、新たな運用通貨ペアをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ユーロポンド(EUR/GBP)の特徴5選
特徴1:値動きの予測が困難
ユーロポンドの値動きの特徴としては、予測が比較的難しいという点が挙げられます。
理由としては、英国(ポンド)とヨーロッパ(ユーロ)の政治的・経済的な結びつきが強く、両通貨の均衡が偏りづらい状況だからです。
またポンドもユーロも大きなボラティリティを持つため、上下の激しい値動きがより一層トレーダーの判断を惑わすことになるでしょう。
特徴2:取引量は第9位
ユーロポンドは、値動きの予測が困難であるにもかかわらず、取引量は通貨ペア全体の2.0%、ランキング9位に位置しています。(引用元:OANDA)
本来、ユーロ通貨の取引量はランキング2位、ポンド通貨の取引量はランキング4位であり、両通貨ともトレーダーから根強い人気を誇る通貨です。
そのため、取引量や流動性が常に安定しており、急にレートが飛んだり、スプレッドが広がりすぎることもありません。
特徴3:2017年以降はレンジ相場
ユーロポンドは、2017年以降分かりやすいレンジ相場を形成しています。
2020〜2021年のコロナ環境による大きな情勢変化においても、上図のレンジからは逸脱せず堅調な推移が見られたため、今後もこの流れは継続していくと予想されます。
特徴4:欧州時間から活発に動く
ユーロポンドは、基本的に東京時間(9:00〜15:00)ではほとんど動かず、欧州時間(16:00〜2:00)以降で大きな値動きを見せる傾向にあります。
また日本時間の午後11時以降ではニューヨーク市場も重なり、1日の中で最も取引量が増えることから、ユーロポンドの値動きもさらに活発になります。
うっかり欧州時間以前でユーロポンドのポジションを持ちすぎてしまうと、その後の値動きによっては証拠金維持率が著しく低下する恐れがありますので、欧州時間以降を狙ってトレードしていきたいところです。
特徴5:スプレッドは狭い
クロス通貨(米ドルを介さない通貨ペア)であるにもかかわらず、ユーロポンドのスプレッドは狭い傾向にあります。
国内大手のスプレッド水準は、大体1.0pips前後となっており、トレードによるコストはそこまで負担となりません。
FX業者/通貨ペア | EUR/GBP |
---|---|
FXネオ(GMO) | 1.0銭 |
DMM FX | 1.0銭 |
LINE FX | 0.8銭 |
MATSUI FX | 1.0銭 |
外為オンライン | 3.2銭 |
LIGHT FX | 0.9銭 |
みんなのFX | 0.9銭 |
インヴァスト証券 | 0.3銭 |
1Lot(10,000通貨)あたりのコスト(手数料)は、ポンド円やユーロ円の価格にもよりますが、大体100〜150円ほどになります。
取引コストも少なく、また上述したようにレンジ相場を形成しやすい通貨ペアであることから、ナンピン系EA(自動売買)との相性も抜群です。
初心者も要チェック!ユーロポンド(EUR/GBP)の取引のポイント
ユーロポンドをトレードする際は、以下のポイントを押さえていきましょう。
トレード用のメイン通貨として扱うのではなく、相場の状態を見るためのサブ通貨として扱うのも一案です。
ポイント1:トレンドを狙った順張り
過去40年のチャートを振り返ってみると、「ユーロポンドはトレンドが継続しやすい」といった特徴が浮き彫りになります。
長期スパンで見ると、上昇トレンドと下落トレンドが交互に出現しており、移動平均線の3本線が綺麗にトレンドの方向を示していることが分かります。
またユーロポンドのスワップポイントは良くも悪くも低く、1日あたり「±50円/Lot」前後であるため、ポジションを長期で保有しても大した痛手にはなりません。
そのためスイングトレードに絞って、トレンドをフォローした順張りこそが最も大きく稼げる戦略になるでしょう。
ポイント2:反転狙いのエントリー
ユーロポンドは、上位足で見るとトレンドが明確になりやすいものの、下位足で見ると細かな推移を繰り返しています。
100pipsの値幅内における総推移は全通貨ペアの中でもっとも多く(引用元)、言い換えれば反転回数が多いということです。
上図はユーロポンドの5分足チャートですが、移動平均線は3線とも下方向、つまり下落トレンドを示しつつもローソク足は横ばいで推移しています。
このように下位足においては、レンジ相場を形成しやすく反転回数も多くなるため、1分~5分といった下位足を主軸にトレードする際は、順張りよりも逆張り意識でエントリーしていくことをおすすめします。
ポイント3:リスクヘッジ
日本人トレーダーの多くが「米ドル」「円」をメインにトレードするため、それらと絡まないユーロポンドは、口座内のリスクヘッジに大きく貢献します。
例えば「米ドル」「円」に絞って運用すると、どちらかの通貨に偏りが生じた際、口座内の含み損益は著しく上下します。
しかし、ポジションを「米ドル」「円」だけでなく「ユーロ」「ポンド」といったメジャー通貨に分散させておくことで、通貨強弱の偏りリスクを大きく低減できるでしょう。
なぜならユーロポンドはショック相場に強く、相場が混乱しやすい状況下においても、極端に大きな値動きを生じていないからです。
平常時のボラティリティは若干大きいものの、ユーロポンドは取引量もスプレッドも安定しているため、リスクヘッジ先としては有望と言えるでしょう。
ユーロポンド(EUR/GBP)取引時の注意点
ユーロ・ポンドの金融政策に注目する
FXにおいては、その通貨にかかわる国の経済指標や金融政策の動向などが、その通貨の取引に大きく影響してきます。
それはユーロポンドにおいても同じことで、ユーロ通貨圏20カ国の金融を担っている欧州中央銀行:ECB(European Central Bank)や、英国の中央銀行であるイングランド銀行:BOE(Bank of England)の金融政策が非常に重要です。
このどちらも、政策発表時には大きく値動きする可能性があります。
その発表が市場予想と異なる場合は、さらに大きな値動きも予想されますので、発表時間帯に取引する場合には注意するようにしましょう。
1pipsあたりの損益を意識する
ユーロポンドを初めて取引する場合に注意しておくべきことは、1pipsあたりの損益です。
普段みなさんが取引していることの多い、円やドル絡みの通貨と違い、1pipsの利益はポンド対円の為替レートで計算する必要があるため、あまり慣れてない人からするとイメージしづらいかもしれません。
2024年現在で、10,000通貨の取引で1pips約170円と、ドル円の約1.1倍となっていますので、ストップロスをする場合も、それを念頭において実行するようにしましょう。
ユーロポンド(EUR/GBP)以外におすすめなクロス円以外の通貨ペア
ユーロポンド(EUR/GBP)に注目する理由としては、多くのトレーダーが「クロス円以外の通貨ペアを運用したいから」と答えるのではないでしょうか。
日本人にとって一番馴染みのある通貨ペアはドル円やユーロ円等、クロス円の通貨ペアですが、口座内にクロス円ばかりを偏らせるのは、リスクの観点から得策ではありません。
本節では、ユーロポンド(EUR/GBP)よりも難易度が低く、初心者でも運用しやすいおすすめの通貨ペアについて解説します。
①:NZD/USD
ドル絡みの通貨ペアで、比較的安定した値動きを見せるのは、NAD/USDです。
20年以上0.600~0.800ドルのレンジ帯で推移しているため、高値圏や安値圏はFX初心者でも判断付きやすいでしょう。
ただ、難点として挙げられるのが、保有期間中のスワップポイントです。
特に米国とニュージーランドの政策金利は数値が近く、その上下関係は度々反転します。
また、コロナクラッシュのような異常相場の際など、度々レンジ下限をブレイクすることもありますので、レンジの過信は禁物です。
②:USD/CHF
初心者でも効率よく稼げるのが、USD/CHFです。
チャートを見てわかる通り、0.800~1.020付近で長期的なレンジ相場を形成しており、安値圏にロングポジションを仕込むことで、かなりの勝率を期待できるでしょう。
また、米国の金利上昇にともない、ロングポジションのスワップポイントも狙い目です。
1ロットあたり約170円ほどのスワップポイントが付与されるため、保有ロットによっては、スワップポイントだけでもそれなりの収入になるでしょう。
直近ではレンジ相場の下限付近を推移しているため、始めるタイミングとしても上々といえます。
まとめ:初心者でもユーロポンドはチェックしておくべき!
本記事では、ユーロポンドの特徴について解説しました。
ユーロポンドは、値動きの予測が難しいながらも、上位足・下位足どちらにおいても特徴を持っています。
またユーロもポンドも、取引量が多いだけに相場における影響力は大きく、特にユーロやポンドが絡んだ通貨ペアの状態を把握するためには、ユーロポンドの分析は欠かせません。
スキマ時間に軽くチャートを見るだけでも環境認識の上達に寄与しますので、ぜひアプリ等を活用して日頃からチェックしてみてはいかがでしょうか。