トレンドラインの引き方を初心者向けにわかりやすく解説!

トレンドライン

トレードの基本となる相場分析。

その分析方法には、インジケーター、プライスアクション(チャートパターン)、フィボナッチなど様々な方法があります。
その中でも忘れちゃいけないのが、王道の分析方法「トレンドライン」です。

トレンドラインとは、その名の通り「トレンド相場に沿って引かれる斜めのライン」のこと。

トレンドラインだけで勝ち続けているトレーダーも存在するくらい、シンプルながらその効果は絶大で、多くのトレーダーが相場分析に役立てています。

そこでこの記事では、相場分析の王道「トレンドライン」の引き方を、FX初心者の方でもわかるよう、わかりやすく説明していきます。

FXで稼ぎたいなら絶対に知っておくべき内容になので、どうぞ最後までご覧くださいね。

トレンドラインとは

FX相場は、「上昇」「下降」「横ばい」のいずれかで形成されており、一定期間において上昇する値動きを見せるようであれば、「上昇トレンド」と呼ばれます。

そしてトレンドラインとは、その名の通りトレンドによって描かれる線のことであり、上手く引くことができれば、エントリーの根拠として非常に役立つものとなるでしょう!

本節では、上昇トレンド・下降トレンド・横ばい、それぞれが描くトレンドラインがどのような形状をしているのか、実際のチャートを参考に、詳しく解説していきたいと思います。

トレンドラインの意味について

上昇トレンド」とは、以下図のように、トレンドの安値を結ぶことによって描かれるラインです。

チャートを見てみると、やはり何回もトレンドラインがサポートラインとなって、安値を支えていることが分かりますね!

 

「下落トレンド」とは、以下図のように、トレンドの高値を結ぶことによって描かれるラインです。

こちらもトレンドラインがレジスタンスラインになって、高値の上抜けを何回も阻止していることが分かりますね!

 

そして最後に紹介する「横ばい」については、値動きが一定の範囲で行き来する相場のことで、レンジ相場とも呼ばれます。

横ばいの区間は、上昇と下降の判別がつきにくいため、エントリーが難しくなるでしょう。

また明確なトレンドが発生していないため、エントリー後にポジションが含み損を抱えてしまったとしても、いずれ元の水準まで戻ってくる可能性は高いと考えることができます。

トレンドラインとチャネルラインの違い

トレンドラインを引くことができたのであれば、同時にチャネルラインを引くことができます。

以下図のように、トレンドラインを高値(下降トレンドの場合は安値)に平行移動させた線を引いてみましょう!

このとき、新しく引いた線をアウトラインといい、トレンドラインとアウトライン2つ合わせてチャネルラインと呼びます。

そしてチャネルラインを引くことで、「トレンドの値幅」「トレンドの転換点」が明確になり、トレンドラインだけでは掴めなかった情報が浮き彫りになってくるでしょう。

特に「トレンドの転換点」は、攻めにも守りにも応用することができるので、ぜひとも習得しておきたいところです。(詳細は、記事の後半に紹介しています!)

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トレンドラインを引く2つのメリット

まずはトレンドラインを引くメリットについて解説していきましょう。

FXを始めたばかりの人にとっては、「そもそも、ただの斜めのラインにはどんな意味があるの?」と感じるかもしれません。

しかし、ただの斜めのラインと侮るなかれ、このトレンドラインを見るだけでもかなり有利にトレードを進めることができるんです。

メリット1:相場の傾向を把握できる

FXで稼ぐためには、相場がどっちに動くか?を判断しながらトレードしていく必要があります。

その相場の方向を見るためにも、トレンドラインは欠かせない存在なんです。

なぜなら、波形に合わせてラインを引くだけで、相場が上がっているのか、下がっているのか、トレンドの方向をひと目で見極められるからです。

相場の方向性が視覚的にわかりやすい

このようにラインを引くだけで、上がっていれば買い、下がっていれば売りと、ものすごく判断しやすくなりましたね。

メリット2:エントリーや決済の目安になる

さらに、トレンドラインを応用していけば、エントリーや決済の判断にも役立ちます。

例えばトレンドラインを突き抜けたのでトレンドが転換しそう、トレンドラインでしっかり反発されているからトレンドが継続しそうなど、1種類のラインからでも複数の情報をゲットできるんです。

トレンドラインと相場の動きの関係性を見ることで、エントリーや決済の目安としても有効です。

ラインをブレイクしているので、トレンドの勢いが弱くなっている=決済の判断基準

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2種類のトレンドラインの役割

トレンドラインを引くメリットがわかったところで、続いてはトレンドラインの種類について解説していきます。

トレンドラインは相場の状況に合わせて、2つのラインを使い分ける必要があります。

種類1:サポートラインの役割

まずは上昇トレンド中に引く「サポートライン」について。

サポートラインは「アップトレンド」の波形を、下から支えるようにして引かれたトレンドラインです。

ポイントは、今動いているローソク足のさらに先まで線を伸ばすこと。
それによって、今後の値動きを見る際に指標として活躍します。

アップトレンドの場合、サポートラインが支えるように機能する

種類2:レジスタンスラインの役割

続いて下落トレンド中に引く「レジスタンスライン」です。

レジスタンスラインはサポートラインとは反対に、「ダウントレンド」の波を上から抑えるように引かれたトレンドラインです。

こちらも、今動いているローソク足の先まで、トレンドラインを伸ばして引きましょう。

ダウントレンドの場合、レジスタンスラインがトレンドを押さえつけるように機能する

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ラインを引くときの4つのコツ

ここからは実際に、トレンドラインを引くためのフローを解説していきましょう。

ただ適当にラインを引くだけでは、自分にとって都合の良いように解釈してしまい、効果の薄いトレンドラインになってしまうかもしれません。

ここでお伝えしている引き方のコツをしっかり理解して、精度の高いラインを引いていきましょう。

コツ1:波形を大きく捉える

相場は、上がったり下がったりの波を描きながら進んでいきます。
一方向に、脇目も振らず伸び続けることは基本的にしません。

トレンドラインは、その波に寄り添うように引くのがポイントです。

下記の図は、上昇トレンドに引いたトレンドラインですが、1番を起点として波形を捉えながら、2番で反発したのを確認して初めて、ラインを引くことができます。

日足の波形にトレンドラインを引くと相場が読みやすくなります

その後、3番、4番とラインにタッチしながら伸びていく様子を見ても、このトレンドラインがきちんと機能しているのが確認できますね。

ただ、ここで重要なのが「波をどのように見るか」です。

基本的に波形の捉え方はトレーダーによって異なります。
そのため、最初のうちはトレンドラインを引くのも迷うかもしれません。

そんな時は、できるだけ大きく波形を認識するのがオススメです。

例えば先ほどの図では、1番と2番の間で細かな波も形成していますよね。

しかし、あまり細かく捉えすぎると、すぐにトレンドラインを引き直さなければいけなくなり、あまり効果的なラインを引くことができません。

そのため、最初のうちは「波形を大きく捉える」意識が、効果的なトレンドラインを引くためにオススメなんです。

コツ2:ヒゲを加味してラインを引く

そしてもうひとつ、トレンドラインを引く時に迷うのが、「ローソク足のヒゲと実体のどちらにラインを合わせるのか」という問題。

もしも、あなたも迷うことがあるようであれば、ローソク足のヒゲでラインを引くことをオススメします。

その理由としては、欧米ではバーチャートが主流で、ローソク足のヒゲに相当するものを見て、トレンドラインを引くトレーダーが多いため。

大衆心理を把握しやすいという意味でヒゲを加味してラインを引くことをオススメします。

ヒゲと実体にラインを引いたときの差

コツ3:トレンドラインを引き直す

トレンドラインは1度引けばOKというものではなく、相場の状況に応じて「引き直し」が必要な場合があります。

実際に引き直しの例を見てみましょう。

サポートラインを割ってきたのに高値が更新されている=引いたサポートラインが意識されていない

このように、引いたトレンドラインを一度割ったにも関わらず、再度高値を更新してトレンドが継続していく場合があります。

この場合、もともと引いていたトレンドラインが意識されていないという可能性があるので、トレンドラインの支点を変更して再度引き直してみましょう。

ラインを引き直すことで効いているラインが明確になる

すると、引き直してみたトレンドラインは、その後もトレンドが継続していますね。

このようにトレンドラインを一度割ったとしても、トレンドが継続している場合は再度トレンドラインを引き直すことで、意識されているラインが明確になります。

コツ4:角度に注目する

最後にもうひとつ、トレンドラインのワンポイントアドバイス。

トレンドラインを引いたら、角度にも注目してみましょう。

例えば、トレンドラインの角度が急な場合、これも当然トレンド中のラインなのでトレンドラインではあるのですが、あまり効果的とはいえません。

なぜかというと、かなり勢いが強い場面にトレンドラインを引いているので、どこまで相場が伸びるのか判断付きづらいですよね。

そのため、トレードしづらいポイントでもあり、あまり効果を発揮できていないラインだというわけなんです。

トレンドの角度が急で値動きの予測が立てにくい

反対に、トレンドラインの角度がゆるい場合も、あまり効果的とはいえません。

そもそもトレンド相場は、上昇や下落の勢いがある相場です。

トレンドラインが水平に近いということは、トレンドとしての勢いがない場面を捉えてしまっているので、ここもトレードしづらいですよね。

トレンドの勢いが弱く、角度もゆるいのですぐにトレンドが反転しそう

ベストな角度としては斜め45度ぐらいです。

程よく勢いがある相場であれば、波形もきれいに引けてトレードしやすいでしょう。

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トレンドラインのブレイクを活用したトレード戦略

値動きがトレンドラインを超えて伸びることを「ブレイク」と呼び、大抵の場合、そこがトレンドの転換点となります。

トレンドのブレイクを意識することで、より上手くトレンドに乗る、あるいは逆行するエントリーを避けることができますので、しっかりと知識を持っておきましょう!

戦略1:サポートラインにタッチする瞬間は様子見

上でも少し紹介しましたが、トレンドラインはサポートラインでもあるため、トレンドの安値の買い支えが頻発します。

特に、サポートラインにタッチする回数が多くなるほど、トレンドラインを意識するトレーダーの数も多くなっていくため、その信用性も増してくると考えられています。

ただこの手法には注意点もあり、それはラインにタッチした瞬間にエントリーしないことです。

サポートラインをタッチした瞬間にエントリーしてしまうと、そのまま下抜けして、そこがトレンド転換点になってしまうことも考えられます。

そのためサポートラインをタッチして、数本文のローソク足を観測した上でエントリーする方が、より無難にトレンドに乗ることができるでしょう!

戦略2:トレンドの下抜け(上抜け)を狙ったエントリー

何度も反転しているトレンドラインが破られると、そこがトレンドの転換点になる可能性が非常に高いです。

上図は、強い上昇トレンドの中で何度もサポートラインが機能している場面ですが、サポートラインが破られると、そのまま下落トレンドに転換しています。

先程は、サポートラインにタッチする瞬間はエントリーを控えるべき、と説明しましたが、その理由がよりお分かりいただけたのではないでしょうか。

またこの状況における理想的な立ち回りは、やはり下抜けを狙ったショートです。

サポートラインを抜けて、そのまま複数の陰線が並ぶようであれば、売りの勢力が強くなっている証と言えるでしょう。

戦略3:三角保ち合いのブレイクを狙ったエントリー

上昇トレンドと下降トレンド、2つのトレンドラインが交差することによって描かれる三角形を「三角保ち合い」と呼びます。

特徴としては、高値の切り下げと安値の切り上げが、三角形の頂点に向かうに連れて収束していくことです。

そして、相場が大きく動く重要ポイントにおいて、三角保ち合いは必ず発生しています。

そのため、三角保ち合いをブレイクする前は様子見が基本となっており、ブレイクした後は流れでトレンドが形成されるため、それに乗っかるのが手堅い勝ち方になるでしょう。

三角保ち合いと似たパターンとして、「ウェッジ」や「ペナント」と呼ばれる形状もありますので、そちらも参考にしていただけると幸いです。

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ありがちな間違ったトレンドラインの引き方

トレンドラインを引くときの失敗例として、ありがちなパターンを紹介していきます。

シンプル性ゆえに強力なトレンドラインですが、引き方を誤ってしまえば何も効果を発揮しないので、くれぐれも正しく引けるよう意識してみてください。

トレンドラインのタッチが少ない

以下の図のように、トレンドラインのタッチが少なくなるような引き方では、あまり参考にすることができません。

これでは、いくら高値を捉えているとはいえ、トレンドの中腹とレジスタンスラインの距離が遠過ぎますよね。

全ての高値にキレイに沿うラインは、なかなか引くことができないので、レジスタンスラインからの多少の逸脱は気にしなくてもOKです!

ご都合ライン

特定の箇所だけを意識したラインを引くこともご法度です。

以下の図のように、ラインを引くことはできても、相場の値動きを全く捉えることはできません。

このように、自分の都合の良いように引いたラインを「ご都合ライン」と呼び、初心者によく見られる失敗例の1つです。

上図のチャートでは、敢えて大げさに表現していますが、自分の気づかないところで希望的観測の入り混じった相場解釈をしてしまうことがあるので、よく注意しておきましょう!

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トレンドラインの引き方:まとめ

トレンドラインの引き方を覚えると、相場の方向性、エントリーや決済ポイント、トレンドの勢いなど、かなり多くの情報を得ることができます。

トレンドラインを突き詰めるほど、FXの奥深さや楽しさを感じることでしょう。

ぜひトレンドラインをあなたのトレードにも役立ててくださいね。

出典:みんなのFX|トレンドラインとは?引き方と見方、トレードでの活用のポイント

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