FXのウェッジとは?上昇・下降のFXチャートパターン手法について徹底解説!

ウェッジ

FXテクニカル分析を行ううえで欠かせないのが、数あるチャートパターンを理解することです。

そのチャートパターンから今の相場状況を読み取り、どんなトレーダー心理がチャートに表れているのか。これを理解した上でトレード戦略を立てていけば安定した利益を狙っていくこともできます。

そこで今回は、チャートパターンのひとつである「ウェッジ」について解説していきます!

これをマスターすれば一度のトレードで大きな利益を獲得することもできるくらい、とても重要なチャートパターンになるので、必ず覚えていただければと思います!

ウェッジの意味は? 

ウェッジとは、高値のチャネルラインと安値のチャネルライン結んでできる、チャートパターンの1つです。

上図が代表的なウェッジパターンであり、他の三角保ち合いとは異なり、高値と安値のチャネルラインが同じ向きをとるという特徴を持っています。

ウェッジは、大きな値動きの前に必ず現れる、嵐の前の静けさ的なイメージであると捉えておくと良いでしょう。

単純にエントリーポイントを探すだけでなく、トレードを見送るための選球眼を養うことができます。

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FXの上昇ウェッジと下降ウェッジとは

ウェッジには、チャートが進む方向によって表れる上昇ウェッジ下降ウェッジの2種類のパターンがあります。

ひとつずつ解説していきますね。

上昇ウェッジ

まず上昇ウェッジとは、高値と安値を切り上げながらもみ合うチャートパターンのことです。

安値を支えるサポートラインが、高値を抑えるレジスタンスラインよりも急で、2本の線をチャート上に引くと上向きの先細った三角形のような形になります。

下降ウェッジ

下降ウェッジとは、高値と安値を切り下げながらもみ合うチャートパターンのことです。

上昇ウェッジとは反対に、安値を支えるサポートラインが、高値を抑えるレジスタンスよりもゆるやかで、2本の線をチャート上に引くと下向きの先細った三角形のような形になります。

フラッグやペナントとの違い

ウェッジは「フラッグ」や「ペナント」と形が似ているため、よく混同されがちですが、それぞれの特徴さえ覚えてしまえば、見分けるのは難しくありません。

見誤ってしまえば大きな痛手を被ることも考えられますので、しっかりと特徴を押さえておきましょう!

まずはペナントの特徴について説明していきます。

さて、ペナントとウェッジを見比べて、その形状の違いにお気付きでしょうか?

三角保ち合いで、先端が尖っていくという特徴はそれぞれ共通してますが、チャネルラインの向きに注目してみてください。

ペナントは、チャネルラインが上昇・下落、それぞれ異なる向きをとるという特徴があり、一方ウェッジのチャネルラインは、どちらも同じ向きを取っているのです。

つまり、常にペナントの先端は水平方向を指すということになります。

一方フラッグは、トレンドの上下に平行なチャネルラインが引ける形状をしており、三角保ち合いには該当しません。

こちらは、チャネルラインを引かなくとも、何となく目線を追うだけで形状が捉えられるのではないでしょうか。

チャネルラインを囲んで平行四辺形ができるようであれば、それはフラッグ局面だということを覚えておきましょう!

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上昇ウェッジの見分け方は?

上昇ウェッジには、「反転パターン」と「トレンド継続パターン」の2種類があります。

相場が大きく動く局面において、これらのウェッジは形成されやすいので、どっちのパターンになるのかリアルタイムで値動きを追ってみるのもおすすめです。

【上昇ウェッジ】反転パターン

上昇ウェッジの反転パターンは、高値と安値、どちらも両方切り上げながら、上に鋭く尖る形状をしています。

ウェッジを活用したエントリーポイントについては後述しますが、チャネルラインの間から、大きく飛び出そうとするローソク足に注目してみてください。

チャネルラインが先細るに連れて買い圧力が削がれていき、ウェッジから逸脱した後に大きく下落していることがわかります。

これは、ウェッジの形成を意識した多くのトレーダーが、もうこれ以上伸び代がないと見て、一斉にショートを仕掛けたためです。

【上昇ウェッジ】トレンド継続パターン

下落トレンドから上昇ウェッジをを形成しつつも、元のトレンドに逆らえず、そのまま下落トレンドを継続するパターンも存在します。

強いトレンドの途中に出現し、下落トレンドであれば、高値と安値を切り上げているものの、高値の切り上げ幅が弱い、といった特徴があります。

トレンド途中の戻り目に頻繁に出現し、強いトレンドであればあるほど、このパターンの可能性が高いとされています。

【上昇ウェッジ】エントリータイミング

上昇ウェッジを活用したエントリーポイントは、チャネルラインを抜けて陰線が数本連続で出現したときが、最適なタイミングとなるでしょう。

上図の場合、チャネルライン終盤に現れる陰線は1〜2本目までは、まだ上昇ウェッジの枠内に収まっていますが、3本目から大きく逸脱していることが確認できます。

チャネルラインを抜けた陰線が1本程度であれば、まだもみ合っている途中の可能性もありますが、数本連続して並ぶ以上、ショートの勢力が入り始めている証と考えて良いでしょう!

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下降ウェッジの見分け方は?

下降ウェッジにも上昇ウェッジと同じく、「反転パターン」と「トレンド継続パターン」の2種類が存在します。

見極め方は上昇ウェッジとほぼ同じであるため、そちらを習得していれば、問題なく下降ウェッジにも対応できるはずです!

【下降ウェッジ】反転パターン

下降ウェッジの反転パターンの特徴は、安値と高値を切り下げ、トレンド転換に向けて力を溜めているイメージです。


上図のチャートを見てわかる通り、チャネルラインの中でも、何度か上昇に転換しようとする動きがあり、抜けた瞬間から強い上昇トレンドが発生しています。

【下降ウェッジ】トレンド継続パターン

下降ウェッジのトレンド継続パターンの特徴は、高値と安値を切り下げつつも、安値の切り下げ幅が弱いという点です。

ショートの勢力が価格を押し下げようと頑張っているものの底堅く、次第に力尽きて再び上昇トレンドに戻るようなイメージです。

上位足に上昇トレンドが発生している時、その下位足では必ずと言って良いほど下降ウェッジが形成されるので、押し目のチャンスと捉えて積極的に仕掛けていきましょう!

【下降ウェッジ】エントリータイミング

下降ウェッジのエントリータイミングは、上昇ウェッジと同じく、チャネルラインを抜けたあたりがおすすめです。

数本連続で陽線が並ぶ、もしくは多くのロング勢力が確認できる、長いローソク足も狙い目となるでしょう。

またウェッジだけでなく、上位足のトレードラインや、インジケーターなど、多方面から根拠を固めておくこともおすすめします。

というのも、過去チャートを振り返ってウェッジを描くのは簡単ですが、リアルタイムに値動きを追っていると、なかなかウェッジだけに身を任せるのも不安に感じるはずだからです。

インジケーターを組み合わせたスキャルピング手法

ウェッジの見極めによって、スキャルピング(超短期トレード)に取り組むのも可能ですが、上述の通り、ウェッジだけのエントリーには難しいものがあります。

そこで一例として、インジケーターと組み合わせた手法を紹介しましょう!

今回用いるインジケーターは、買われすぎ・売られすぎのシグナルを出す「RCI」です。

画像の点線中心部分が、理想的なエントリーポイントとなりますが、注目すべきポイントは以下の3つ。

  1. 下降ウェッジ終盤にて、RCIが売られすぎのシグナル、つまりロングのエントリーを示唆している点
  2. 下降ウェッジのチャネルラインを抜けて、陽線が出始めていること
  3. 安値の切り下げが弱く、ロング勢力の存在が読み取れること

ご覧の通り、ウェッジによって上手くエントリーできる際は、必ず他のインジケーターにおいてもそのシグナルが表示されています。

ただ、これはあくまでも一例であり、このインジケーターを用いるのが必ずしも正解というわけではありません。

重要なのは、自分の慣れたインジケーターを併用することで、より根拠を確かなエントリーを心がけることなのです!

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ウェッジのダマシを防ぐには? 

結論からお伝えすると、あらゆる投資において必勝法が存在しないことと同様に、ダマシを防ぐための絶対的な方法もまた存在しません。

こう伝えるとガッカリされるかもしれませんが、ダマシをある程度緩和できる対策法は存在するので、そちらについて紹介していきます。

ダマシを防ぐための、おすすめの対策は以下の3つ。

  • それぞれのウェッジの特徴をよく押さえておくこと
  • 使い慣れたインジケーターと組み合わせること
  • 極力、上位足でトレードすること

上2点についてはすでに説明した通りなので割愛しますが、意識すべきは、下位足ほど騙しは入りやすいということです。

ダマシはそもそも、機関投資家たちによる市場操作によって引き起こされるものですが、下位足ほど要する資金が少なく済むため、操作が容易となります。

またダマシに巻き込まれたとしても、ある程度耐え切れるレバレッジで運用した方が、長期的に生き残れることについては、言うまでもないでしょう。

各種インジケーターを併用し、上位足でトレードする、このようにダマシの可能性を少しでも減らした上で、なお堅実な運用となることを心がけてみてください!

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FXのウェッジを活用したトレード手法

ウェッジ型のチャートパターンというのは、どちらの方向にもブレイクできずに留まっている、「売り手と買い手の攻防が続いている」という状態です。

ひとたびウェッジのラインをブレイクすると、それまでたまっていた圧力が解放されて一気に値が動くため、そのポイントを捉えることができたら、大きく利益を上げられる可能性が非常に高くなります。

ただし、場合によっては上昇ウェッジでも売りの方向にブレイクしたり、下降ウェッジでも買いの方向にブレイクしたりすることもあります。

この場合、ブレイクした方向にエントリーするといわゆる逆張りのトレードになるため、リスクも伴うので、値動きを注意深く見てエントリーの判断をする必要があります。

そして、ウェッジはトレンド継続中にも現れるチャートパターンなので、その一部分だけを見るのではなく、その前の相場状況なども見ながらエントリーポイントを見極める材料にしていくと良いでしょう!

FXのウェッジ:まとめ

高値と安値ともに切り上がっている、または切り下がっているので、一見なんの変哲もないトレンドのように見える「ウェッジ」。

しかし、大きく利益を上げるためのエントリーポイントを見極めにも活用できるチャートパターンだと知っていれば、勝率や利益率の底上げにも役立ちますしトレードの質をさらに高めていくことができます。

ぜひ、こちらの記事を参考にあなたのトレードにも活かしていってくださいね!

出典:GEMFOREX|上昇ウェッジ・下降ウェッジとは?見分け方やトレード手法を徹底解説