FXで円安の時にすることとは?FX専門家が徹底解説!

円安が進み、生活にかかるコストが右肩上がりの中、皆さんは投資において適切な対応ができていますでしょうか?

何もテコ入れせず放置してしまうと、大事な資金が目減りしてしまうかもしれません。

そこで本記事では、FXトレーダーとして円安の時にすべきこと、その中でも特に重要な2点をお伝えしていきます。

これを知ることで、あなたも次のトレードで有利に立つチャンスをつかむかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。

FX初心者向け!そもそも円安とは?

「円安」とは、日本円の価値が他国の通貨に対して低下する状態を意味します。

より分かりやすく言い換えると、「1ドルや1ユーロを取得するのに必要な日本円の数量が増加する」、ということです。

例えば、1ドル=100円から1ドル=110円に変動した場合、この10円の増加が「円安」を示しています。

1ドルの商品を購入するにあたり、より多くの円が必要になる、つまりは円の持つ購買力が下がる、この仕組みによって我々の出費も多くなってしまうというわけなのです。

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結論①:円安の時は「円安になった理由」を考察する

円安になった際、FXトレーダーとしてどう在るべきでしょうか?

根拠のない適当なトレードを避けるのは当然のこととして、まず真っ先に取り組むべきは、なぜ円安になったのか以下のポイントについて考察することです。

  • 金利情勢
  • 経済指標
  • 政治的要因
  • 為替介入・フラッシュクラッシュ

円安の背景には様々な要因が考えられます。

その原因を深堀りすることで、長期的なトレンド一時的な要因どのように立ち回るべきかが見えてくるでしょう。

ポイント1:金利情勢

金利は、為替の重要な動きを引き起こす要因の一つです。

例えば昨今の米ドルのように、通貨の持つ金利が上昇すると投資のリターンが高くなるため、外国資本が集まりやすくなるでしょう。

その結果、円の金利が他国に比べて低い、または日本の金利が下がった場合、円安が進行する可能性が高まります。

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ポイント2:経済指標

経済指標は、その国の経済の健康状態を示すものであり、その影響で通貨の価値にも変動が生じます。

例えば、失業率の上昇やGDPの減少などのネガティブな指標が発表されると、投資家の信頼が低下し、通貨の価値が下がる可能性があるでしょう。

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ポイント3:政治的要因

政治的な不安や変動は、国の経済に影響を及ぼす可能性があります。

例えば、最近の日本の政策や今後の展望を考えると、日本の未来は明るいと捉える人は少ないでしょう。

このように政治的な不安定さ、政策の方針転換が外国の投資家を遠ざける場合、その通貨の需要が下がり、通貨価値まで下がる可能性があります。

ポイント4:為替介入

為替介入とは、国や中央銀行が市場に介入し、意図的に為替レートを操作することを指します。

これは、国の経済政策の一環として行われることが多く、実施された際には、クロス円通貨のチャートが突如大きく下落します。

例えば、円が急激に高騰した場合、日本の輸出競争力を保つために日本銀行が市場に介入して円を売ることで、円安を促すことが考えられるでしょう。

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結論②:円安の時は押し目を待つべし

円安の時は、「押し目」を待ちましょう。

「押し目」とは、価格が一時的に下落することを指す言葉で、絶好のエントリーチャンスのことです。

押し目を待たなければどうなる?

押し目を待つことができなければ、以下のような不都合が生じる可能性があります。

  • 高値でのエントリー
  • 利益の機会損失
  • ストップロスが引かれやすくなる
  • 資金管理の難易度上昇

感情的な取引: 押し目を待たずに取引を行うと、感情に流されやすくなり、冷静な判断が難しくなることがあります。

押し目を待つことの重要性は、リスクを低減し、リターンを最大化するための基本的な戦略といえるでしょう。

円安時はクロス円のチャートが右肩上がりになりますが、よく見るとどこかのタイミングで必ず押し目を作っているはずです。

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円安の時に狙うのは「一攫千金」ではなく「微益撤退」

円安のトレンドは継続力が強く、押し目を狙っていけば高勝率を期待できるでしょう。

しかし、円安の時に狙うのは「一攫千金」ではなく、むしろ「微益撤退」であることを留意しておいてください。

このまま円安トレンドが続くだろうと過信して、全力のエントリーを決めて一攫千金を狙いたくなる気持ちも分かります。

しかし、いかに円安トレンドと言えど、今この瞬間に崩壊しないとも限りません。

「頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言があるように、トレンドから少しずつ利益を抜き取る「微益撤退」の精神を持つことをおすすめします。

覚えておきたい円安と付与スワップポイントの関係性

円安とスワップポイントには密接な関係があります。

この関係性を踏まえておくことで、長期的なトレードにおいて負けにくくなりますので、ぜひ念頭に置いていただければと思います。

円安の時はスワップポイントが高い

そもそも円安になった理由の1つは、金利差の拡大が挙げられます。

日本は長らく低金利が維持されており、一方他国では、景気を調整するために都度金利が変更されます。

日本が低金利を維持したままであれば、その金利差は次第に拡大することになり、スワップポイントの増加に繋がることになるのです。

金利平価説を利用すればリスクを抑えて勝てる

金利平価説は為替における経済理論の一つであり、簡単に言えば、チャート上の為替レートは自国通貨と外国通貨の金利差によって決定される、という考え方です。

つまり、チャート上でどれだけ価格が下落しようが、その分はスワップポイントで補填される、そしてその逆も然りということになります。

この点を踏まえ、ポジションを損切りせずに耐えきることができれば、いつかはどこかのタイミングで含み損が解消されるかもしれません。

そして、含み益になったポジションのみを決済し続けることができれば、理論上FXで負けることはなくなります。

勿論、上記は理想論ではありますが、決して夢物語ではありません。この点については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

FXで損切りはしない方がいい?損切りなしでも〇〇さえあれば勝てます! FXで損切りはしない方がいい?損切りなしでも〇〇さえあれば勝てます!

円安の時にありがちなFXトレーダーの行動

円安の時における、FXトレーダーのありがちな行動について解説していきます。

以下の行動は、必ずしも悪手というわけではありませんが、考え無しにとりあえずで行動するのは推奨できません。

円安だからといって、周りに流されて意思決定していないか、定期的に振り替える習慣を持つと良いでしょう。

外貨を保有(ロングでエントリー)

円安の進行とともに、FXトレーダーの多くは他の主要通貨を保有(ロングでエントリー)しがちです。

円安が進む背景としては、経済の状況や金融政策、国際的な資金の流れなどが考えられますが、これらの要因により、他の通貨が円に対して強まると予想される場合、トレーダーはその通貨を保有することで利益を取りに行くでしょう。

外国株・外国債券に投資

円安時においては、外国の資産に対する投資コストが、相対的に低くなるという特徴があります。

そのため、外国株や外国債券に投資する動きが強くなり、また金利の高い国の債券や、経済成長が期待される国の株に投資する動きが顕著になります。

円通貨の過小評価

円安が進行すると、円の価値を過小評価し始めるトレーダーも増えてくるでしょう。

少し前までは「円=安全通貨」という認識が広まっておりましたが、徐々にそういった認識が薄れつつあるのも事実です。

しかし、それでもなお円の持つ影響力、安定性は強く、決して軽視できる通貨ではありません。

円安だからといって円を過小評価するのではなく、あくまでも冷静かつ客観的に分析を重ねていく必要があります。

円安の時にすべきではないこと・注意点

円安の時期は、多くのトレーダーや投資家にとって魅力的なチャンスとなる一方で、様々なリスクや誤解を伴う場面でもあります。

特に、短期的な市場の動きや、一時的な乱高下に流されやすい状況となるため、より慎重な取引戦略とリスク管理が求められるでしょう。

以下より、円安の時にすべきでないこと、注意点について詳しく解説します。

典型的な「追っかけロング」

円安が進行する中、ここぞとばかりに後追いする形でロングでエントリーする「追っかけロング」は、控えるようにしてください。

円安のトレンドが既に一段落している場面での追従は、頂点近くでのエントリーとなり、瞬間的な反転によって含み損を増大させる可能性があります。

市場の動向や情報に流されることなく、手法・ルールを遵守できなかれば、FXでは生き残れないでしょう。

長期積み立て投資を手仕舞い

円安の際、一時的な評価損が出ている長期の積み立て投資を、短期的な市場の動きに動揺して手仕舞うのは避けるべきです。

長期の投資戦略は、一時的な市場の変動に左右されず、将来的な成長やリターンを見込んでのものであるため、短期の変動に過度に反応することは不利益を招く可能性が高まります。

トレンドの過信

為替市場において、一度確立されたトレンドが永続するわけではありません。

円安トレンドが続いている時期にも、その背後にある経済的要因や政策、国際的な事象を常にチェックし、適切なリスク管理を行うことが必要です。

過去のトレンドが未来を示すものではないため、過度な自信や楽観的な見通しは、大きな損失を招くリスクとなり得るでしょう。

まとめ:円安の時は考察を踏まえてチャンスを待つべし!

本記事では、「円安の時にすべきこと」について解説しました。

円安の動きは、FXトレーダーや投資家にとって大きなチャンスを提供しますが、それと同時にリスクも伴います。

短期的なトレンドや市場の一般的なセンチメントに流されることなく、しっかりとした考察と分析を基に取引戦略を立てることが重要です。

追っかけロング」や「長期積み立て投資の手仕舞い」、「トレンドの過信」など、円安の時に陥りがちなトラップを避けるためには、冷静な判断と継続的な情報収集が不可欠です。

円安時には確かにチャンスが存在しますが、そのチャンスを待てること、そしてチャンスであることを見極められること、円安の恩恵を得るにはこれらが求められるでしょう。