FXは運ゲーではない!運ゲーに陥る理由や脱却のための4つのポイントを紹介

FXは運ゲーではない!運ゲー脱却のための4つのポイントを紹介

FXと聞いたときに、「運ゲー」「ギャンブル」といったイメージを持つ方も多いと思います。

ただ、FXで生計を立てている専業トレーダーの方もいるように、本来FXは「運ゲー」という言葉では片づけられない分析や戦略に基づいたトレードです。

そこで本記事では、FXを運ゲーで終わらせないための武器や、FXを運ゲーにしないために意識しておきたいポイントなどについて詳しく解説します。

FX初心者は要注意!FXは運ゲーになり得る!

FXは運ゲーではありませんが、前提となる知識や分析を身に付けていない状態で行うFXは、運ゲーといっても差し支えないでしょう。

実際、とある局面から任意にエントリーしたとして、チャートのランダムウォーク性によりその勝敗はほぼ五分五分になると考えられます。

 

また、少し話は変わりますが、全世界に数多くのプレーヤーがいる「テキサスホールデム」というルールのポーカーがあります。

「ポーカー」と聞くと、配られたカードが運よくそろえば勝てるゲーム、というイメージの方もいるかもしれません。

しかし実際のところテキサスホールデムは、配られたカード、場に出ているカード、残りの山札の枚数などをもとに確率や期待値を駆使して勝負の判断を行う戦略ゲームです。

 

それと同じように、FXもトレンドの流れやローソク足の推移などを過去の傾向などから推測し、ポジションを建てるべきかどうかを判断するトレードです。

きちんとした理論や分析をもって行えばFXは運ゲーにはなりませんが、適当にトレードするだけでは運ゲーになり得るでしょう。

FXを運ゲーにしてしまう3つの理由

「FXは運ゲーではない」と頭では理解していても、ちょっとした理由や躓きから、気付かぬうちに運ゲーに陥ることも考えられます。

この章では、筆者が実際に経験した事例を元に、FXが運ゲーになる仕組みを解説していきます。

事例1:知識や経験が不足していても勝てる局面

知識や経験が不足しているにもかかわらず、FXで勝てている人は、ただ運が良かっただけであることに気付かねばなりません。

その一例として、2021年以降のドル円チャートをご覧ください。

今なお継続する世界的な円安により、チャートは大きく右肩上がりになっていることが分かります。

このような状況では、ただ「買い」の方向にポジションを建てるだけで簡単に勝ち続けることができたため、自分はFXの才能がある、と勘違いしてしまうのです。

実際SNS上では、運よく勝てていることに調子づいて、身の丈に合わないロットを張るトレーダーが数多く存在していました。

運だけで勝てていることに気付かなければ成長は臨めません。運否天賦で手痛い損失を出さないよう、ご自身の力量は過信しないようご注意ください。

事例2:自分の意思がなくても勝てるトレード

投資界隈のインフルエンサーに影響されて、リピート系FX自動売買に手を出す初心者は、非常に多いです。

自動売買の設定をインフルエンサーと同一にすれば、同じ分利益が得られるため、初心者からすれば実に魅力的と言えるでしょう。

ただ自分の意思ではなく、思考停止でマネしているだけでは、神頼みしているのと何ら変わりません

例えば、2020年ごろから「ユーロ円の売り」を主軸とした設定が流行しましたが、その後どうなったか以下のチャートに注目してみて下さい。

現在は、売り注文が大きく踏み上げられ、2023年ごろから多くの初心者トレーダーが損切りする事態となりました。

素直であることは良いこととされますが、疑いもなく受け入れていると、勝てるかどうかは運に身を委ねることになります。

運ではなく、勝つべくして勝つにはどうすればよいか、自分の手法に常に問いかけ続けると良いでしょう。

事例3:ビギナーズラックで簡単に稼げた

ビギナーズラックで簡単に稼げた経験があると、それを実力と勘違いしてしまい、その後のトレードにおいても運を大きく介入させてしまうでしょう。

(予想が当たった!もしかしたら自分は天才なのかもしれない!)

このように間違った方向で成功体験を得てしまうと、修正は極めて大変です。

事例1と類似した形になりますが、運で勝てていることに気付かなければ、運ゲーを脱却することはできません

FXを運ゲーにしないためには、どれだけ稼げたのか数値的な結果よりも、どうやって利益を得たのか、立ち回りや思考プロセスを重視すべきなのです。

FX初心者は要注意!ビギナーズラックの危険性・失敗例とは FX初心者は早く気付いて!ビギナーズラックの危険性・失敗例とは

FXで「運悪いなぁ…」と感じた事例を紹介

ここでは、FXで「運悪いなぁ…」と感じた事例について紹介していきます。

少し運が悪かったばっかりに、利益を取り損ねたり損失を被ることは往々にして起こりえます。

FXでは時に「運次第でどうにもならないことが起きる」ということを覚えておきましょう。

事例1:運悪く指値にギリギリ届かない

より有利なレート帯でエントリーまたは決済するために、指値を活用される方も多いのではないでしょうか。

指値を設定していれば、常時チャートを監視する必要もなくなり、半自動的にトレードを進められるでしょう。

ただ、指値が順調に成立するかどうかは完全に運次第です。

「あと少しで決済(エントリー)できてたのに…!」といった悔しい展開も一度や二度ではありません。

かといって、手法やルールに反して指値を解除するのも、どこか歯痒い気持ちになるでしょう。

指値逆指値 指値注文と逆指値注文の違いとは?活用方法も解説!

事例2:察知しにくい要人発言

経済指標の発表は、あらかじめ時間が定められているため、それに合わせて立ち回ることは可能です。

一方、要人のふとした思い付き発言はタイミングや内容が予想がしにくく、また影響の度合いも読めないのが難しいところです。

また、米国の要人発言であれば真夜中に発信されるため、朝起きて相場に大きな乱れが生じていれば「運悪いなぁ…」と感じることになるでしょう。

ほかの節でも解説しておりますが、「運が悪くても耐えきれる」「運が悪い状況も織り込み済み」といった運用を心掛けねばなりません。

事例3:予想できない歴史的な相場変動

近年の円相場は、「歴史的な円安相場」「17年ぶりの金利引き上げ発表」などなど、大きな変革期を迎えています。

金利引き上げ発表直後のドル円

当たり前ではありますが、これらレアケースの連続は予想できるものではなく、時流や環境によって左右されるもの、要するに運です。

相場に対する反応を見れば、「よりにもよってこのタイミングか…」と悪運を嘆く方が終われる一方で、「良い経験になった」と次のフェーズへの糧と捉える方がおられます。

運の捉え方も人それぞれですが、最終的に成長できるのは間違いなく後者でしょう。

FXを運ゲーにしないための3つの武器

FXを運ゲーにしないためには、自分なりの根拠や分析をもとにしてトレードを行う必要があります。

FXのトレードを行うにあたって利用したい「武器」について、以下で説明していきましょう。

テクニカル分析

テクニカル分析は、FXを行う上でもっとも基本的な分析手法です。

FXで多少なりとも収入を得たい、FXを副業として行っていきたいと考えているのであれば、テクニカル分析は必ず身に付ける必要があります。

テクニカル分析を身に付けずにFXのトレードを行っていては、いつまで経ってもFXは運ゲーのままです。

勝つべくして勝つテクニカル分析!トレンド系・オシレーター系のおすすめは?

ファンダメンタルズ分析

人によって導入するかどうかに差はあるものの、ファンダメンタルズ分析もFXにおける重要な分析手法です。

テクニカル分析は、過去の値動きなどからトレンドやパターンを把握して、今後の為替動向を予想するための分析です。

一方ファンダメンタルズ分析は、実世界での経済イベントや各国の情勢などが為替市場に与える影響を予測して、今後の為替動向を予想するための分析です。

チャートの値動きを中心に把握するテクニカル分析とは異なり、ファンダメンタルズ分析では自国だけでなく、外国のニュースなどにも目を通して理解する必要があるので、より手のかかる分析手法といえるでしょう。

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デモ取引トレード環境

上述したような分析を身に付けたとしても、実際のトレードでそれらを活かせなければ意味がありません。

身銭を切ることで自分の分析力を上げていくのもひとつの方法ではありますが、資金に余裕がない場合はいきなりトレードに挑戦するのは不安でしょう。

そういった方は、FX会社が提供しているデモ取引のトレード環境を利用するのがおすすめです。

実際にトレードしている感覚を味わって、手ごたえを感じてから実際の資金を利用したトレードに踏み出していくのも、ひとつの方法といえます。

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FXを運ゲーにしないための4つのポイント

FXを本業にしている専業トレーダーの方は、FXを運ゲーにしないために自分なりのルールやポイントを決めてトレードに臨んでいます。

FXを運ゲーにしないためにトレードを行う際に意識しておきたいポイントについて、以下で説明していきましょう。

自分の「勝ちパターン」を見つける

FXにはダブルボトムやダブルトップなど、さまざまなチャートパターンが存在し、それぞれのパターンが現れたら「買い」または「売り」と言われています。

そういったチャートが出てきたときの自分のトレードを見直して、どのようなパターンのときに自信をもってトレードできているか、いわゆる「勝ちパターン」を見つけることが重要です。

勝ちパターンを見つけられればトレードの再現性が期待できますし、自信を持ってトレードを行えるようにもなるので、運ゲーからの脱却につながるでしょう。

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無理なトレードは行わない

FXではトレードを行わなければ利益を得ることはできませんが、その逆もまた然りです。

そのため、自分なりの理論に基づいてその範疇でトレードを繰り返すように注力することが、FXにおいては非常に重要といえます。

とくにポジポジ病は、無理なトレードを繰り返す原因になりやすいので要注意です。

FXトレードにおける我慢の力!待つことで得られるリターンの大きさとは?

資金管理のルールを決める

人によってFXに投入できる資金には差があり、資金に差があれば取れる戦略も当然異なってきます。

自分なりの資金管理ルールを決めて、そのルールに沿ったトレードを行うことを心がけましょう。

負けが込んでくると、ついこれまでよりも多くの資金を投入したくなりますが、過剰な資金投下は判断力を鈍らせる原因にもなりえます。

資金管理 FXの要!資金管理方法を徹底マスター!

適宜PDCAを回して後のトレードに反映させる

自分の「勝ちパターン」の認識や資金管理のルール決めなどは、FXを運ゲーにしないために重要なポイントですが、それらが本当に正しいものかどうかは適宜セルフチェックしなければなりません。

PDCAを回して後のトレードをよりブラッシュアップさせることで、よりシステマチックで適切なトレードが可能になります。

FXではトレードをしていない時間、いわゆる「待ち」の時間が長くなる傾向にありますが、そういった時間を活用して適宜PDCAを回す意識を持っておくことで、安定した運用成績を残せるようになるでしょう。

どのようにPDCAを回していくのか、手法のブラッシュアップに関しては、以下の記事を参考にしていただければ幸いです。

【FX初心者向け】勝てるようになるまでに実践すべきポイント5選 【FX初心者向け】勝てるようになるまでに実践すべきポイント5選

まとめ:FXを運ゲーにしないためにはしっかりとした下準備が必要

FXは運ゲーではありませんが、FXに関する知識や経験を持っていない人からすれば、運ゲーに思えてしまうのも仕方ないことかもしれません。

しかし、それはほかの投資方法にも当てはまることであり、何の準備もないままチャレンジして成功できるほど、投資の世界は甘くないでしょう。

FXに関していえば、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析といった分析手法を身に付けて、自分が得意とするチャートパターンを的確に認識することで、運ゲーから脱却しやすくなります。

そのためにかかる時間は人によって変わってくると思いますが、安定した運用成績を残せるようにきちんとした下準備をしたうえで、トレードに臨むことを意識しましょう。