FXは、良くも悪くも運に左右されるところが大きく、短期的な勝負であれば実力がなくとも稼ぐことができます。
ビギナーズラックにもかかわらず、自分の実力を見誤ってレバレッジを上げたり、資金を追加投入してしまうと後々大変なことになります。
FXを始めた方の多くが1年未満で退場しているデータの裏側には、ビギナーズラックの影響によるところも大きでしょう。
そこで本記事では、FXにおけるビギナーズラックがどれほど危険であるか、またビギナーズラックの失敗例や対策など、まとめて解説していきたいと思います。
目次
FXにおけるビギナーズラックの危険性について
ビギナーズラックの最も都合が悪い点としては、自分自身でビギナーズラックに気づけいないことです。
運よく稼げた時は実力を過信して「自分には才能がある、もっと稼げるかも!」と欲を出して、最終的に痛い目を見る初心者トレーダーが後を絶ちません。
実際のところFXで稼げるかどうかは運、つまろラック(Luck)に左右される部分が大きく、適当にトレードしたところで勝敗はほとんど五分五分と考えられます。
しかし、そういった運頼りのトレードで長生きできるはずもなく、ビギナーズラックで実力を勘違いした人の多くは一年以内に退場しているでしょう。
だからこそ、ビギナーズラックの危険性については熟知しておく必要があり、FXでは「実力で勝つべくして勝つ」というマインドが不可欠なのです。
FXにおけるビギナーズラックの失敗例
ここからは、ビギナーズラックによる失敗例について紹介していきます。
実際にあったケースを元に紹介していきますので、どういった部分が悪かったのか、皆さんもよく考えて読み進めてみて下さい。
ケース1:トルコリラのスワップ狙い
2010年代中頃までトルコリラ通貨は、10万通貨保有するごとに約200-300円程の高額なスワップポイントが付与されたため、世界中のトレーダーから注目を浴びていました。
その情報を聞きつけて、実際に口座に毎日スワップポイントが貯まり続ける光景を見たFX初心者は、次のように考えたでしょう。
(こんな穴場的な稼ぎ方を見つけるなんて自分は賢いに違いない!もっと資金を投入して、スワップポイントの不労所得生活を実現させよう!)
今までの常識を覆すほどの稼ぎ方を知るという意味で、これもまた1つのビギナーズラックです。
トルコリラのその後の暴落を見れば、トルコリラに手を出したことがどれだけ不運だったのか思い知ったでしょう。

ケース2:短期で相場を捉える
「何もしなくても毎日チャリンチャリンとお金が入ってくる!」
やや興奮気味で話すAさんが始めた運用は、リピート系自動売買と呼ばれるものでした。
確かにリピート系自動売買は優秀な運用スタイルの1つ、ただAさんの悪手となったのは、自動売買の設定を極めて短期で捉えていた点。
相場を短期で捉えることでリピート回数が多くなり、決済回数も増えるため身入りも良くなるわけですが、いずれ相場は次のフェーズへと移行します。
結局、大きな変動に耐えきれなくなり、Aさんの口座は証拠金維持率の低下で強制ロスカット。
自動売買は、ある程度リスクを抑えた長期的な運用が推奨されているものの、最初から調子良く稼いでしまうと、欲が出てリスクに目を向けられなくなるようです。
ケース3:世論に騙される
「ドル円は200円まで伸びる!」
歴史的な円安が囁かれた2022年の前半(以下のチャート)では、今までFXに触れてこなかった人たちが興味を持ち始め、こぞってドル円のロングポジションを持ちました。
Bさんもその一人で、伸び続けるドル円に順張りすることで小銭を稼げたようです。
しかし実は、世論が円安について言及した時点でトレンドの伸び代は薄く、既に撤退すべき状況であったことに気づけませんでした。
その結果トレンドが大きく変わり、後は真っ逆さまで含み損だけが膨らむ始末。泣く泣く損切りをして生き延びたものの、トータル収支は大きくマイナスです。
周りの意見に乗せられてビギナーズラックで小銭を稼げたは良いものの、引き際までは誰も教えてくれないので、自分の頭で考えるしかないのです。
FX初心者にありがち?ビギナーズラックに気づけない人の特徴
ビギナーズラックで失敗しないためには、ビギナーズラックを察知して実力を過信しないことです。
では、どうすればビギナーズラックの影響に気づけるのでしょうか?
特徴1:結果だけに注目する人
(自分の予想が当たった!短時間で大きく稼げた!)
このように結果に対して一喜一憂することは、必ずしも悪いことではありません。
ただ結果をあまりに重視しすぎて、その他の全てを蔑ろにしていては、いずれ運も尽きることでしょう。
ビギナーズラックを克服するためには、どうやって利益を得たのか、立ち回りや思考プロセスを重視すべきなのです。
特徴2:前もって準備を進めてきた人
(デモトレードも十分こなした、書籍やネットで沢山勉強した。いざ本番に挑戦…よし、やっぱり稼げたぞ!自分にはFXの才能がある!)
このように、前もって準備を進めてきた人ほど、FXのビギナーズラックに陥りがちです。
なぜならFXは常に上か下か勝率は半々であるため、実力が反映された結果としての勝利なのか、それとも運なのか、定かではないからです。
人は誰しも自分の努力を正当化する節があり、FXで稼げたという結果を自分の努力の証だと捉えるのも無理はありません。
しかし、その努力が正しい方向で、かつ十分な量を満たしているかどうかは、経験年数を重ねない限り断定できないでしょう。
特徴3:地合いの良い状態で始めた人
「地合い」とは、相場の状況や雰囲気のことです。
相場の状態が良ければ、初心者でも稼ぐ難易度がグッと下がることになりますが、残念ながらそれがビギナーズラックの罠でもあります。
例えば、トレンド相場の一番美味しいタイミングで始めた人は、方向性さえ間違っていなければ、エントリーする度に利益を手にすることになるでしょう。
言うまでもなく、たまたま運が良かったからトレンドに乗れているだけなので、トレンドが転換すれば後は実力勝負、ビジナーズラックもその時点で終了です。

ビギナーズラックでFXに失敗しないためのポイント
ポイント1:まずは生き残る
FXで重要なのは、「儲ける」ことよりも「負けない」ことです。
「まずは生き残れ!儲けるのはそれからだ!」
というジョージ・ソロスの投資格言があるように、まずは生き残って相場の立ち回り方を学ばなければなりません。
この素質を見分ける方法については諸説ありますが、トランプや麻雀といったテーブルゲームが分かりやすいのではないでしょうか。
日本トップクラスのレジェンドトレーダーCISさんを筆頭に、トレーダーの多くは麻雀を好み、そして強いです。
運の要素が大きいと言われるトランプや麻雀も、負けないことに関しては完全にテクニックが反映されてきますので、その側面がトレードにも当てはまるというわけなのです。

ポイント2:少額資金で始める
慣れないうちから大きな金額でトレードするのは大変危険です。
例えばカジノへ行ったとして、ろくにルールもわからないまま大金をベットする狂人は、そういないでしょう。
FXの相場もこれと同じで、ルールやセオリー、また正しい知識を身につけておかねば、余程の天才でない限り生き残ることはできません。
「運が良くて勝てた」はFXで一番危険なの状態になりますので、実力を付けるまでは少額資金で始めて、稼げた金額ではなく経験値重視で運用していきましょう。

ポイント3:テクニカル分析
ビギナーズラックの反意語を定めるなら、徹底的な実力主義です。
FXを運で乗り切ろうとするのではなく、勝つべくして勝てるよう、自分のスキルを磨いていくしかありません。
では、実力や精度を向上させるために何をすべきなのか、その答えとなるのが本サイトで度々紹介している「テクニカル分析」です。
テクニカル指標を活用し、エントリーから決済まで「再現性高くロジカルに行うこと」、まずはこの点をしっかり頭に叩き込み、日々のトレードから運要素を排除していけるよう努めてみてください。

まとめ:FX初心者はビギナーズラックを疑うべき!
本記事では、FXにおけるビギナーズラックについて、以下のポイントを中心に解説しました。
- ビギナーズラックの危険性について
- ビギナーズラックの失敗例について
- ビギナーズラックに気づけない人の特徴
- ビギナーズラックで失敗しないためのポイント
あらゆる分野でビギナーズラックという言葉が使われますが、当然のことながらFXにもビギナーズラックは存在しています。
今回お伝えした失敗例のように、最初から調子よく稼いでしまうと、後々大損してしまうことになりかねません。
ビギナーズラックを自覚できなければ、FXで人生そのものを狂わされる恐れもありますので、早いうちから手を打ちたいところです。