トランプ大統領感染も重要だが米国の景気対策の行方に注目【2020年9月28日週】

こんにちは。YEN蔵です。

今週の相場振り返りです。

今週(9月28日週)の振り返り

先週105円台を回復した後は105.20~105.80の狭いレンジで推移しています。先週のレポートにも書きましたが今週は9月30日という月末、日本企業の半期末、四半期末が重なる特殊な需給が出やすい週でした。

実際に30日の東京の9時55分の仲値に向けて上昇し10時過ぎに105.80と週の高値まで上昇しました。東京の仲値では明らかにドル買いの需要が出ました。

一方でロンドン16時(夏時間では東京の0時)をフィキシングでは105.70付近から105.40付近まで下落しました。ロンドン・フィキシングではドル売りの需給が出ていました。レンジをブレークする力はありませんでしたがいずれも月末のフィキシングが決定する時間帯に30日の高値と安値まで上昇、下落し高値に関しては今のところ週の高値となっています。

また29日には米大統領候補のテレビ討論会が開催されて白熱した議論が交わされましたが相場に対する影響は限定的となりました。

注目ポイント

コロナ感染によるロックダウンからの(日本は自粛ですが)経済の回復が注目されています。今週は米国の経済指標がいくつか発表されました。29日に発表された米消費者信頼感指数は101.8と前月の86.3から急上昇、1日に発表されたISM製造業景気指数は55.4と前月の56からはやや低下しましたが水準自体は高い水準です。

これらの指標はソフトデーターと呼ばれていて、生産高とか雇用者数という実際の数字ではなく企業の担当者や消費者に対する景気の状況を問うアンケート調査です。現状のようにロックダウンは解除されたとはいえまだ経済の再開が道半ばの中でこれらの数字が強いのは春先の悲観一色からの揺り戻し、米国株の上昇による資産効果、政府の景気対策による現金給付などの原因があるのかもしれません。

実際30日に発表された米4~6月期のGDPは-31.4%と1~3月期の-5%を大きく下回るひどい数字になりました。また1日に発表された米新規失業保険申請件数では保険の申請が83.7万件と前週の87.3万件から減少しており雇用の回復は着実に進んでいます。とはいえ依然として1176.7万件の継続受給者がおり、前週の1274.7万件から減少したとはいえ1200万人近い人が失業中であることを考慮すれば米国の経済の回復は道半ばです。

本日発表される米雇用統計で雇用の回復が確認できるかが市場の注目になっています。

このように弱い実体経済ですが、この経済を支え人々の信頼感を維持するのが米国政府の感染症対策の景気刺激策です。現在米国議会での審議になっていますが、民主党の主張する2.2兆ドルの景気対策に対してトランプ政権は1.5兆ドルの支出までは容認するという姿勢で、いまだにその溝は埋まっていません。短期的にはこの経済対策が合意できるか、その内容がどうなるかが株式、為替市場には影響を与えるのではないでしょうか。

ここまで書いているところでトランプ大統領がコロナウイルスに感染のニュースが飛び込んできてダウ先物が急落しリスクオフで円高の流れになっています。

今の時点では職務が遂行できなくなった場合はペンス副大統領が代行し政策の基本路線は変わるとは思えません。最悪の場合はペンス副大統領の立候補や違う候補者の立候補というパターンもあるかもしれません。そうなると共和党として対策を考えなくてはならず、何よりも追加景気対策の合意が先送りされるリスクがあり、このことが一番市場に影響を与える可能性はあります。

ただ一番可能性が高いのはしばらく隔離で選挙戦の遊説のスケジュールが変わったり、リモートでの実施などの可能性でしょう。とはいえ大統領の感染事態で米国経済が変化するわけではなく狼狽のリスクオフは長くは続かないで落ち着くのではないでしょうか。

ドル円の予測

今週のドル円は105.25~105.80のレンジで推移していましたが、トランプ大統領感染のニュースで104.95まで下落しました。ダウ先物も一時500ドル近くまで下落しましたが250ドル安ぐらいまで戻してきておりドル円も105.20付近で推移しています。

先週も書きましたが105.80付近は下抜けするまでのサポートレベル、106円付近に一目均衡表の雲の下限と60日移動平均線(EMA)が位置し、ここが中期的なレジスタンスとして機能しています。106円を完全に超えることができれば107円付近への上昇を予想します。

ただ今週は105.80が高値でやはり105.80~106のゾーンは強力なレジスタンスとして機能しています。おまけにトランプ大統領の感染でリスクオフの流れとなっており、20日移動平均線の位置する105.50付近を下回ってきています。

104.90付近がここ2週間のレンジ104~105.80の50%戻しになっており短期的なサポートとして機能しています。ここが維持できれば104.90~105.80のレンジを予想します。

104.90付近を下抜けした場合は61.8%戻しが104.65、78.6%戻しの104.40付近への下落を予想します。

104円付近は中期的サポートとして重要なレベルです。もしリスクオフの動きが加速して104円付近を下抜けすると102~103円付近へのゾーンへの下落を予想します。