ダウ理論はなぜ重要なのか?ダウ理論を活用したエントリー・トレード手法とは

FX初心者向け!ダウ理論を活用したトレード手法まとめ!

FXにおいて、なぜダウ理論が重視されているのか?

それは、ダウ理論がチャート上での共通言語やセオリーとしての認識が広まっており、ダウ理論を理解していなければ、それだけで大きなハンデとなってしまうからです。

とはいえダウ理論には6つの理論があり、それぞれがどのような状況で役立つのか、初心者の方には理解しづらい部分があるでしょう。

そこで本記事では、ダウ理論についての深掘りやトレード手法について、分かりやすく解説していきたいと思います。

ダウ理論だけでFXは勝てる?

ダウ理論について学ぶ前に知っておくべき点としては、「ダウ理論を習得しただけでは不十分である」ということです。

何事も基本が重要であることについては皆さんもご承知の通りですが、ダウ理論を学ぶ必要性は「最終的にテクニカル分析を極めるため」ということになります。

数学を勉強するのであれば、その前段階である算数について学んでおく必要があり、テクニカル分析とダウ理論の関係性もそれと同じです。

ダウ理論をきちんと学んでいくことで、その応用にあたる様々なテクニカル分析を正しく使えるようになるでしょう。

ダウ理論の使い方

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ダウ理論は、主に「環境認識」と「トレンドの把握」のために使われます。

それぞれの目的について、以下より簡単に紹介していきます。

環境認識

相場が今現在どのような状況にあるか確認することを、FXでは環境認識と呼びます。

例えば遠出する際に、天気予報や渋滞情報を確認する人は多いかと思われますが、FXにおける環境認識もそれらと同じようなものです。

トレードで利益を上げるという目的を達成するために、相場環境から様々な情報を集めて、どういった戦略で取り組むべきか検討する作業であると考えてください。

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トレンドの把握

ダウ理論は、トレンドの見極めに特化した分析手法です。

今では数多くするトレンド系のインジケーターも、ダウ理論を軸に考案されてきた歴史があります。

トレンドの「継続」「転換」「状態」これら全てをダウ理論によって捉えられるため、FXトレーダーとして一人前になるためには、ダウ理論の習得を避けては通れません。

ダウ理論の6つ理論とトレード手法

ダウ理論は、主に「環境認識」と「トレンドの見極め」のために使われますが、それには以下の6つの理論を根拠としています。

  • 平均はすべての事象を織り込む
  • トレンドには3種類ある
  • 主要トレンドは3段階からなる
  • 平均は相互に確認されなければならない
  • トレンドは出来高でも確認されなければならない
  • トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する

これらについて学ぶことで、チャート上の値動き、またトレンドの方向性など、FXで勝つために重要なポイントを理解できるようになるはずです。

1:平均はすべての事象を織り込む

1つ目の理論は「チャート上の値動きは、あらゆる事象・出来事の情報を既に含んでいる」という考え方です。

トレーダーの売買行為 (利確や損切)によって値動きが起こりますが、トレーダーを突き動かしているのは「情報」です。

つまり、全ての情報はその時点で値動きに反映されているため、新たに情報を仕入れることに関しては、トレードにアドバンテージを与えるものではありません。

トレードに直接活かせる理論ではありませんが、ファンダメンタルズ分析よりもテクニカル分析に主軸をおくべきであると再認識させてくれる考え方です。

2:トレンドは3種類ある

2つ目の理論は「トレンドは短期・中期・長期の3種類ある」とする考え方です。

短期トレンド:数時間〜1ヶ月続くトレンド。日足や4時間足で確認される。
外部要因や利確、損切りなどで価格が一時的に動く、中期トレンドより短い調整局面を示す。

中期トレンド:数週間から、数か月以上続くトレンド。週足や日足で確認する。
長期トレンドとは逆行する方向に動き、行き過ぎた動きを調整する局面を示す。

長期トレンド:1年から、長い場合は数年以上続くトレンド。月足や週足で確認する。
極めて長期間で形成され、基軸となるトレンドで、大きな方向性を示す。

 

ただし上記のトレンドの期間についてはあくまでも目安であり、必ずしもその通りになるわけではありません。

本来ダウ理論は株式投資向けに考案されたものであり、株式投資とFXの取引時間帯を考えると、差異が生じて当然と言えるでしょう。

では、これらのトレンドの種類を知っておくことで、どのようにトレードに活かせるのでしょうか。

1つの活用法としては「いかなる状況においても値動きはトレンドに含まれる」と知ることです。

長期トレンドの調整局面が中期トレンドであり、中期トレンドの調整局面が短期トレンドとなるため、時間足を移ることで必ずトレンドが見つかるようになります。

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3:主要トレンドは3段階からなる

3つ目の理論は「それぞれのトレンドは先行期・追随期・利食い期に分かれる」という考え方です。

先行期:先行投資家が買い始める時期
追随期:追従型投資家が買い始める時期
利食い期:一般投資家も参加し始める時期

この理論の活用法としては、エントリーする際、現在の値動きがどの期間に含まれているのか、毎回確認しておくことです。

先行期に仕込むのは、余程の天才か大口でない限り無理だとして、追随期だとしたらその中でも初期なのか、それとも既に利食い期に差し掛かりつつあるのか。

3つの時期を意識しておくことで、よりチャートを冷静かつ俯瞰して見れるようになるでしょう。

4:トレンドは異なる通貨ペアで確認

4つ目の理論は「トレンドの発生は異なる通貨ペアで確認できる」という考え方です。

例えば、ユーロ円で上昇トレンドが発生している時、そのトレンドの継続性を見抜くためには、他のユーロ絡みの通貨ペアを確認する必要があります

 

ユーロドルやユーロポンドでも同様に上昇トレンドが確認できれば、そのトレンドの継続性は確かなもので、順張りのチャンスと考えられるでしょう。

なぜならユーロ円だけでなく、ユーロドルやユーロポンドでも買い注文が入りやすくなるため、ユーロの需要が高まることでユーロ円のさらなる上昇に期待できるからです。

一方ユーロ円のみに確認できる上昇トレンドであれば、ユーロの需要が高まっているわけではなく、円の価値が弱まっている状態ということになります。

これらの考え方についてはFXで「通貨強弱」「通貨相関」と呼ばれており、ダウ理論に限らず重宝されてきたチャート分析手法です。

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5:出来高はトレンドに反映される

5つ目は「出来高はトレンドに反映される」という考え方です。

出来高とは取引量のことであり、以下のチャートからも分かる通り、出来高が多くなるほどトレンドの勢いも大きくなります

出来高が多いトレンドは崩れにくく安定的、一方出来高が少ないトレンドについてはレートが飛びやすく、すぐにトレンド転換する恐れもありますので、安易にエントリーしないよう注意してください。

また出来高の確認方法については、「TradingView」に標準搭載されている「Volume(出来高)」のインジケーターより表示させることができます。

6:トレンドは明確な反転シグナルがあるまで継続する

6つ目は「トレンドは明確な反転シグナルがあるまで継続する」という考え方です。

これがダウ理論において最も重要なところであり、エントリーから決済まで、この理論に基づいておけば間違いありません。

覚えておくべきは次の2つ。

・トレンドは基本的に継続するものである
・トレンドの継続、転換には明確なシグナルが出る

トレンドの継続・転換を示す明確なシグナルについては、文章で説明するよりも図で確認する方が理解しやすいと思われますので、次節にて詳細をお伝えしていきます。

【実例あり】トレンド転換はダウ理論で掴め!4パターンの転換シグナルとは

ダウ理論を用いたエントリー手法

ダウ理論を用いてエントリーするのであれば、前節で紹介した6つ目の理論「トレンドは明確な反転シグナルがあるまで継続する」がキーポイントになります。

ただ「〇〇の時に〇〇する」といった知識として覚えるのではなく、ひとまずは以下の図を参考に、ダウ理論のエントリーとはどのようなものか視覚的に掴んでみてください。

上のチャートを見て分かる通り、ダウ理論は一貫して順張りのエントリーです。

確かなトレンドに向けて順張りを徹底するというのが、FXにおいて何よりも手堅い勝ち方となります。

買いエントリー

上昇トレンドの継続が示唆されたタイミングが、買いエントリーの狙い目です。

以下の図のように、安値を更新せずに高値を更新した場合は、上昇トレンド継続のシグナルと見なします。

上のチャート図においても、買いエントリー①&②において、安値が更新されずに高値が更新されていく様子が伺えます。

売りエントリー

売りエントリーを狙っていくためには、上昇トレンドから下落トレンドに転換する瞬間を見極めていかねばなりません。

上のチャート図にある「トレンド転換シグナル」に注目してみると、高値を更新せずに直近安値を更新している様子が伺えます。

トレンドに対して自信を持って挑めるようになりますので、必ずこれらのパターンは覚えておくようにしましょう。

まとめ:テクニカル分析の基礎はダウ理論から!

本記事では、ダウ理論の考え方やエントリー方法について解説しました。

ダウ理論とは、簡単に言えば「トレンドを理解するための理論」であり、ダウ理論を習得することで、上昇と下落どちらの目線でエントリーすべきかが分かるようになります。

大衆とは真逆の方向でエントリーしたところで勝ち目は薄く、トレンドに対する理解がなければ、ギャンブル的なトレードになりかねません。

6つの理論を全て覚えるのは大変に思える方でも、記事中に紹介したエントリーパターンだけ、形状としてインプットしてみてください。

テクニカル分析の基礎が詰まったダウ理論は、きっと皆さんのトレードの心強い味方になってくれるでしょう。

以上、参考にしていただければ幸いです。