来週は米財務長官の人事に注目【2020年11月16日週】

こんにちは。YEN蔵です。

今週の相場振り返りです。

今週(11月16日週)の振り返り

全般的のドル売りの流れの中で、ドル円は105.13を高値に一時103.67付近まで下落しています。

16日に米バイオ医薬のモデルナがコロナワクチンの最終治験で94.5%の有効性が得られたと発表しました。また数週間以内にFDA(米食品医薬品局)に緊急使用許可の申請をするとしました。この報道を受けて欧州株や米国株先物が上昇しリスク選好の流れとなりドル円は105.13と週の高値まで上昇しました。

しかしその後発表された11月ニューヨーク連銀製造業景気指数が6.3と前回の10.5、予想の13.5を大きく下回ったことで104円台中盤に下落しました。

17日に発表された10月の米小売売上高は斬月日0.3%と予想の0.5%を下回りました。自動車を除いたコア売上高も前月比0.2%と予想の0.6%を下回りました。米国のGDPの7割を占める個人消費に関係の深い小売売上高がさえないことは米国の経済成長に対する不透明感を高めドル円は一時104.07まで下落しました。

18日には米製薬大手ファーザーがドイツのビオンテックと共同開発しているコロナワクチンで治験の最終分析で95%の有効性を示し、数日以内にFDAに緊急使用許可を申請すると発表したことで一時104円台前半に上昇しましたが、株価が下落すると103.67付近まで下落しました。

ドル円は103円台後半で推移しています。

注目ポイント

ワクチンの有効性が示された週でしたが、先週ファイザーの有効性に対する最初の報道のときはダウが一時1600ドル高となりましたが、2回目のモデルナの時は400ドル高、3回目のファイザーの時はむしろ300ドル安とワクチンの報道に対して市場が反応しなくなってきました。

ドル円も105円台中盤まで上昇しましたが、重要なレジスタンスである105.60~70の上抜けに失敗し103円台に下落しています。

世界的に株価が高値圏で推移する中で、リスクオンのドル安の流れが続いています。ただ日経平均が26000円台まで上昇した後に、そのレベルがレジスタンスとなり25500円付近まで下落する局面ではリスクオフの円高の流れとなり、いずれにしてもドル円は再び103円台に下落してきています。

来月のECBでは追加緩和が予定されており、そのような状況でユーロも上値が重く簡単にドル売りにもなりずらい展開になっています。

結局FRBの債券買い入れなどは一服していますが、FRBの緩和が続く中でリスクオンの流れになればドル需要が低下して結果としてドルが下落する流れとなっています。

米大手シティグループは来年にワクチンが開発され世界的な貿易や成長が回復する場合はドルが20%ほど下落する可能性があるという予想を出しています。

そのようななかで来週の注目材料は米財務長官の人事です。米国の為替政策をつかさどる中央銀行ではなく財務省であり、そのヘッドである財務長官の人事は重要なポイントです。

現在リストアップされているのはブレ―ナードFRB理事、エリザベス・ウォーレン上院議員、イエレン前FRB議長、ファーガスンFRB元副議長の4人です。

ウォーレン氏は反ウォール街、反GAFAなどの主張をしているために、もし財務長官になった場合は株価の下落も予想され、上院で承認されることは難しいのではないかと予想されています。

現状ではブレ―ナード氏が本命、イエレン氏が大穴というとことでしょうか。いずれにしても就任となれば女性初の財務長官になるわけですが、問題はブレ―ナード氏のドルに対するスタンスです。ブレ―ナード氏はかねてよりハト派的な金融政策を主張し、FRBの金融緩和を主導してきましたが、ドルに対してもドル安を志向しているようです。一説によるとブレ―ナード氏は1ドル=97~98円が適切と考えているようです。そうなると彼女が財務長官になった場合はドル安政策でドルを下落させる方向に向かうかもしれず、彼女の就任自体がドルの下落材料になる可能性もあります。

いずれにせよ感謝祭前後といわれている財務長官人事が注目されます。

ドル円の予想

2週続けて105円台が高値となり105円台の重さが確認されました。とはいえ103円台でも本邦輸入勢やFX投資家からのドル円の買い需要が強く103円台がサポートされています。

110円台からのドルの下落トレンドは依然として継続中です。短期的には103円がサポートとなっており103.20~105.70円のレンジが続いています。

104.20~30が短期的なレジスタンスになっており、ここを上抜けできないと103円台前半を試しに行く展開になると思います。104.20~30を上抜けできれば105円付近への反発を予想します。

短期のヘッジファンドはドル売りのポジションに傾いているようです。ブレイナードFRB理事の就任が決まれば一段のドル安の流れになるかもしれません。