ポンド円 152円台維持できずに失速、151円割れは買い戻される

ポンド円 152円台維持できずに失速、151円割れは買い戻される

おはようございます。大塚亮です。

2021年10月7日の相場分析です。

概況

ポンド円の10月6日終値は151.400円、前日比0.478円安と反落した。取引レンジは152.157円から150.817円。

10月1日から3日連続の日足陽線=赤三兵で上昇して10月5日は前日比0.939円高の上昇で深夜に152円台に到達、6日午前には152.157円まで高値を切り上げたが、夕刻にかけての米長期債利回り上昇局面での全般ドル高に圧されてポンドドルが下落したためにポンド円は152円台を維持できずに失速した。ポンドドルの下落が落ち着いた後はドル円の下落が続いたことでポンド円は深夜に150.817円まで安値を切り下げた。

6日夜からはポンドドルがややジリ高、ドル円も111円割れには至らずにやや戻したことでポンド円は151円割れから持ち直して7日午前には151.50円手前へ戻している。

注目ポイント 英10年債利回りの上昇続く

10月6日は米10年債利回りが一時1.57%へ上昇して9月28日に付けた1.56%を超えて8月4日以降の高値となったがその後は失速した。米連邦債務上限問題や原油相場の高騰、中国恒大集団のデフォルト懸念等の諸問題を抱えて強弱感が交錯しているが、7日夜の米雇用統計も迫る中でやや調整気味の動きとなった印象だ。
米長期債利回り上昇と共に英長期債利回りも上昇している。10月6日の英10年債利回りは1.15%まで続伸しており、既に5月のピーク時の水準を超えているが2019年6月以来2年ぶりの高水準からさらに水準切り上げを継続している印象だ。

米連銀は2022年中の利上げ開始を想定しているが、英中銀も年末にかけての利上げが予想されている。為替市場全般におけるドルの強弱では米長期債利回りの騰落が重要だが、パンデミックからの回復途上にあって物価上昇が継続しているために主要国中銀の長期債利回りも上昇基調にあることからポンドドルも底固さを見せている。

短期テクニカル分析

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。

9月28日午後高値152.569円を起点とした下落が10月1日夕安値149.233円で底打ちとなり10月6日午前高値152.157円まで上昇してきたが、6日夜の反落により目先のピークを付けていったん下落期に入ったと思われる。10月1日夕安値を基準として安値形成期は6日夜から8日夜にかけての間と想定されるので、151円割れから切り返していることですでに底を付けた可能性もあるが、151.80円を超えないうちは7日夜から8日にかけてもう一段安する可能性が残る。

151.80円超えからは新たな上昇期入りと仮定して6日午前高値試しとし、高値更新からは11日午前から13日午前にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では10月6日深夜への下落で先行スパンから転落しかけたもののその後の反発で持ち直している。先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からは下げ再開を警戒し、6日深夜安値割れからはさらに下げ足が速まると警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は10月6日夜の下落時に30ポイント台序盤へ低下したところから50ポイントまで戻している。55ポイント超えからは上昇再開の可能性が高まって70ポイントを目指すとみるが、45ポイント割れからは下げ再開を疑い、40ポイント割れからは30ポイント弱への下落を想定する。

10月7日の売買戦略

151円割れから切り返しているので上昇再開に入っている可能性があるとみて、6日深夜安値150.817円を割り込まない範囲では押し目買い有利として152円台回復を目指すとみる。明日夜の米雇用統計も控えているので152円台到達では戻り売りにつかまりやすいとみる。

6日深夜安値割れからは150円台前半(150.50円から150.00円)を目指すとみる。150.25円以下は反騰注意とするが、151円を下回っての推移なら8日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

10月7日の注目指標

・ドイツ
・15:00 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 1.0%、予想 -0.5%)
・15:00 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 5.7%、予想 5.0%)

 

・米国
・21:30 新規失業保険申請件数 (前週 36.2万件、予想 34.8万件)
・21:30 失業保険継続受給者数 (前週 280.2万人、予想 279.0万人)

 

・ユーロ圏
・22:00 レーンECB理事、シュナーベルECB理事、講演

 

・米国
・24:45 メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論会
・28:00 8月 消費者信用残高 前月比 (7月 170.0億ドル、予想 180.0億ドル)