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こんにちは、YEN蔵です。
今週の為替相場振り返りです。
目次
株価は大幅変動、為替は小動き
先週からの金融市場は比較的大きく動きました。日経平均は29,000円台から27,000円台に下落後に反発、ダウは33,800ドル付近に下落後34,970ドルに反発といったように株価の下落から反発という動きになりました。
米10年債利回りは1.45に下落後1.59%に上昇。米長期金利の上昇を受けてドルが上昇し、ドル円も112円付近まで上昇しています。ドル円は9月30日に112.08まで上昇後に、10月4日に110.83まで下落して再び112円付近に上昇してきています。
金融市場が動き出した理由は?
FOMCのテーパリング(債券買い入れ縮小)には市場は注目しています
そもそもFRBが超緩和の金融政策を徐々に中立方向(超緩和から緩和へ)に変更するスタート時期が迫っていますから市場はそのことに神経質になっています。前回のFOMCでパウエルFRB議長はテーパリングの条件は11月の次回会合までには整うだろうと述べて開始の時期に関してヒントを与えてくれました。そのような時期ですからほかのニュースにも敏感に反応したのが先週の動きでした。
様々な悪材料が噴出
そんな中で出てきたのが中国不動産大手恒大のデフォルト問題です。中国NO2の不動産企業とはいえ世界の資金が投資しているわけでもないですから影響は限定的だと思われます。
そして米国のデフォルト問題です。米国の会計年度(予算の執行期間)は10月1日から9月30日です。ですから10月からは新しい会計年度に入ります。日本でいえば3月に終わって4月1日からと同じことです。しかし米議会で民主党と共和党が予算審議で合意できないので新たな資金調達ができません。米国の場合赤字の上限が法律で決まっていますから、この上限を引き上げないと新たに資金調達できないために、政府機関の閉鎖や下手すると国債の利払いや償還ができなくなってデフォルトとなってします。米国政府のデフォルトは恒大のデフォルトと違って世界に大衝撃を与えます。
ただこの問題は例年の年中行事で米国の政党間のパフォーマンス的な出来事です。まさか両政党とも米国を本当にデフォルトに導いたら責任取れませんからどこかで妥協します。案の定昨晩妥協が成立して、とりあえず12月までの資金繰りが可能になりました。
本日は米雇用統計の発表があります
そのような中で米国の金融政策にも大きな影響を与える米雇用統計の発表があります。9月3日に発表された8月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が23.5万人と予想の72.8万人を下回る衝撃の数字でした。失業率は5.2%と7月の5.4%から低下しました。
求人数は1100万件ほどありますが8月の雇用は予想を大きく下回りました。雇用のミスマッチが起こっている可能性があります。
本日の予想は50万人で予想レンジは25~70万人となっています。
あまり強い数字が出るとテーパリングのペースが速くなったり、賃金の上昇が加速してインフレを助長するという材料になる可能性もあります。とはいえあまり弱い数字でもドル売り、株売りになる可能性もあり、今回はほどほどの数字が良いのではないかと思っています。筆者の感覚では40~50万人ぐらいがあまりサプライズはないのではないかと思っています。
強い数字が出て株価が堅調になればドル円も堅調に推移し、112円を完全に超えれば112~114円のレンジにシフトする可能性があります。
一方で112円付近がレジスタンスになると110~112円のレンジを予想します。
チャートはドル円の 週足、25日、75日、250日移動平均線(EMA)、一目均衡表、RSI、スローストキャスティックス、DMI、MACD、です。