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こんにちはYEN蔵です。
今週の為替相場振り返りです。
目次
今週(11月8日週)の振り返り
米国の物価が止まらない
10日に発表された米国の物価の上昇が予想を上回るものだったので、米長期金利の上昇からドル高が進んでいます。
10月の消費者物価指数は前年同月比6.2%の上昇と9月の5.4%、予想の5.8%を大きく上回りました。この数字は1990年11月以来31年ぶりの大幅な上昇になりました。
変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比4.6%上昇と予想の4.3%を上回り、こちらも1991年3月以来の大幅な伸びになりました。
上昇が目立ったのはガソリンや食料品ですが、ガソリンが前月比で6.1%、食料品が前月比で0.9%上昇しました。肉、魚、野菜などが上昇しましたがアルコールは下落しました。
これらの商品が上昇する中でサプライチェーンの混乱で供給不足からモノの値段も上昇しています。
中古車は8月、9月は下落していましたが10月は2.5%の上昇、年間では26.4%の上昇となりました。新車は前月比1.4%の上昇で年間では9.8%の上昇となっています。
家賃は10月は0.5%の上昇で年間では3.5%の上昇となっています。
米国の物価を見てFRB早期利上げ期待が高まりました
物の価格が上昇する中で、パンデミックからの回復で今後は飲食、旅行などのサービス業の物価の上昇が来年は加速するのではないかとの予想もあります。
先週のFOMCでテーパリングが決定されましたが、米長期金利はそこから低下していました。
10日の消費者物価指数の発表を受けて米2年債利回りは0.43%から0.55%に上昇、10年債利回りは1.44%から1.6%に上昇しました。
これまでパウエルFRB議長は物価の上昇は一過性と述べていましたが、先ほど書いたように今後経済活動がさらに回復するとエネルギーや食品や自動車などモノの値段だけではなく、レストラン、旅行などサービス業の値段も上昇することが予想され、そうなると物価の上昇が一過性ではなくなるのではないかと市場が心配し始めました。
ドルは上値を試しに行くか
ドルの強さを示すDXY(ドルインデックス)という指数があります。この指数は各通貨とドルの関係を示す指数で複数の通貨が組み込まれています。とはいえユーロのウェートが大きいのでユーロの動きに影響を受ける傾向があります。
このドルインデックスは10日にこれまでレジスタンスになっていた94.50付近を上抜けして95.26付近まで上昇しています。
2020年7月以来の高値で94.50は2020年7月以降レジスタンスになっていたところなので、ここを上抜けして上昇が加速しています。96付近が下落前のサポートレベルなので、96を上抜けするようであれば98付近への上昇も考えられます。
当面は94.50付近がサポートされ94.50~96とドルは高値圏で推移するものと思われます。
ドルに対して何を売るか?
そうなるとドルを買うとして、代わりに何を売るかです。ドル円は112.50付近をサポートし114円台を回復しました。ただドル円は115円が重要なレジスタンスなので、ここが抜けないと112~115円のレンジが続く可能性があります。
ユーロドルはここまでサポートされていた1.1500付近を下抜けして1.1450付近に下落しています。1.1500付近は2020年3月の安値1.0640~2021年1月の高値1.2350の50%戻しになっています。
1.1550付近を上抜けしなければ下落トレンドは継続と思われます。その場合は1.12付近への下落を予想します。