ポンド円 円安とポンド安が交錯して三角持ち合い

ポンド円 円安とポンド安が交錯して三角持ち合い

おはようございます。大塚亮です。

2021年11月25日の相場分析です。

概況

ポンド円の11月24日終値は153.823円、前日比0.194円安と小幅下落した。取引レンジは154.149円からから153.372円。

11月22日のパウエル米連銀議長再任決定からドル高が進んでいるが、24日は米経済指標が総じて強くドル高が加速、ドル円が年初来高値を更新する一方でポンドドルは6月1日高値以降の最安値を更新したため、ポンド円としてはドル円の上昇による押し上げとポンドドルの下落による圧迫感が交錯する展開で決め手に欠いて揉み合いとなった。

テクニカルポイント 60分足の三角持ち合い

ポンド円は11月17日夕高値154.698円から11月19日夜安値152.520円まで下げたところから戻しているが、19日夕高値154.440円から23日昼高値154.216円、24日午前高値154.149円と高値ラインは切り下がっている。

一方で安値も23日夕安値153.281円から24日夜安値153.372円へ切り上がっており、上値抵抗線がやや切り下がり気味で下値支持線が切り上がる「レンジ縮小型の三角持ち合い」の様相となっている。

23日昼高値から23日夕安値まで下げた後はこの高安レンジ内に収まっているので、23日昼高値を超えるところからは持ち合い上放れに入り、17日夕高値154.698円超えを目指し、さらに高値更新なら155円台を目指す流れへ進みやすくなると思われる。

逆に24日夜安値を割り込む場合は23日夕安値割れへ向かい、持ち合い下放れに入って19日夜安値152.520円試しとなり底割れなら151円台へ向かう流れへ進みやすくなると思われる。

ドル円の上昇とポンドドルの下落が強弱拮抗した状況のために持ち合いとなっているが、この均衡も崩れれば持ち合い放れへ進むと思われる。

注目情勢 強い米経済指標によるドル高

11月24日は25日の感謝祭の前日だったことで米経済指標の発表が集中したが、総じて強くドル高進行要因となった。

特に米労働省が発表した週間新規失業保険申請件数は前週から7万1000件の減少で19万9000件となったが、これはパンデミック発生以降での最低であり、かつ1969年の11月以来凡そ52年ぶりの少なさだった。週間失業保険受給者総数はまだ204万9000人いるが、米国での景気回復と雇用改善が顕著となっている。

また10月の米個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は前年同月比で5.0%となり9月の4.4%から伸びて1990年11月以来、31年ぶりの伸び率となった。

パウエル米連銀議長は11月22日夜に再任が決まった。バイデン大統領が再任を発表した時に同席したパウエル議長と副議長昇格が決まったブレイナード理事はいずれもインフレと戦う姿勢を確りと示したが、11月10日に米10月消費者物価上昇率が跳ね上がったところでバイデン大統領がインフレ対策を最優先課題としたことに沿ったものであり、12月の米FOMCではテーパリングの早期終了や利上げ時期を前倒しする姿勢が示される可能性もあると思われる。

英中銀も12月会合での利上げが取り沙汰されているものの、前回会合では現状維持が多数派であり、欧州の感染再拡大状況も踏まえると利上げへ踏み切れるのかどうかは微妙だ。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。

11月19日夜安値を起点として上昇期に入ってきたが、23日昼高値からは新たな高値更新へ進めずに23日夕、24日夜と小反落を繰り返したため、現状は23日昼高値を起点とした調整期にあると思われる。

三角持ち合いの様相のため、23日昼高値を上抜く場合は24日夜安値を目先の底とした新たな上昇期入りとして26日昼から30日昼にかけての間への上昇が予想されるが、高値更新へ進めないうちは24日夜安値割れから25日夜ないし26日夜にかけて安値試しへ向かいやすくなるとみる。

60分足の一目均衡表では三角持ち合いの様相のため遅行スパンが実線と交錯して方向感に欠ける。23日昼高値超えからは持ち合い上放れに入るとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、24日夜安値割れからはもう一段安へ進む可能性ありとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は持ち合いの様相のため50ポイントを挟んでの揉み合い。60ポイント超えからは上昇再開感が強まるとみるが40ポイント割れからは下げ再開を疑う。

11月25日の売買戦略

ドル円の上昇とポンドドルの下落の力関係が拮抗して持ち合いにつかまっているところだが、「持ち合いは持ち合い放れにつけ」が鉄則と言われてきた。

11月23日昼高値154.216円超えからは上放れに入るとみて154円台後半(154.50円から155.00円)を試す上昇を想定し、24日夜安値153.372円割れからは下放れに入るとみて152円台後半(153.00円から152.50円)を目指すとみる。

持ち合い上放れからは当面を押し目買い有利の展開とし、下放れからは戻り売り有利の展開と考える。

11月25日の主な予定

米国は感謝祭でニューヨーク市場は外為、債券、株式、商品が休場。

  • 英国
    ー26:00 ベイリー英中銀総裁、イベント参加
  • ドイツ
    ー16:00 7-9月期 GDP改定値 前期比 (速報 1.8%、予想 1.8%)
    ー16:00 7-9月期 GDP改定値。季調済 前年同期比 (速報 2.5%、予想 2.5%)
    ー16:00 7-9月期 GDP改定値・季調前 前年同期比 (速報 2.5%、予想 2.5%)
    ー16:00 12月 GFK消費者信頼感 (11月 0.9、予想 -1.0)
  • ユーロ圏
    ー17:00 ヴィルロワ・ド・ガロー仏中銀総裁、講演
    ー17:10 エルダーソンECB理事、講演
    ー21:30 欧州中銀、議事要旨公表(10月28日分)
    ー22:30 ラガルドECB総裁、EU司法関連会議参加