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おはようございます。大塚亮です。
2021年12月14日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の12月13日終値は81.032円、前日比0.294円安と下落した。取引レンジは81.482円から80.697円。
オミクロン株に対する過剰な不安が後退したとして金融市場全般がリスクオン優勢へ切り返したために豪ドル円は12月4日早朝値78.787円を起点に反騰入りし、12月6日からの3連騰で12月8日未明高値で81.710円まで戻したが、その後は上昇一服で上げ渋りつつ、12月10日に81円を割り込んだところは買われて確りしていた。
しかし12月13日は英国でのオミクロン株感染者死亡との報道からリスク回避感が再燃、NYダウとNY原油が下落する中で資源通貨としての豪ドル米ドルが急落、豪ドル円も13日深夜には80.697円まで失速した。
注目情勢、NYダウとNY原油が反落
12月13日のNYダウは前日比320.04ドル安と反落した。オミクロン株発生報道から下げ足を速めて12月1日安値まで大幅下落していたが、オミクロン株への過度の恐怖は後退したとして12月6日からV字反騰に入っていた。しかし12月13日に英国でオミクロン株感染者に初の死者が出たとの報道から再び不安心理に圧迫されて売られた格好だ。NYダウと共に反騰してきたNY原油も13日は前日比0.38ドル安と下落している。
オミクロン株感染者における重症化率や死者報道が今後も相次ぐのか、軽症が中心であり景気回復の腰折れには至らないという楽観論が持ち直すのかは今後の続報次第だが、12月14日朝時点では世界65か国に感染は拡大しており、中国本土でも天津市で初めての感染例が確認されているため、市場心理としては感染拡大関連報道に対して悲観的に反応しやすい状況に入っているのではないかと思われる。
注目材料
12月14日午前に発表されたNAB(ナショナル・オーストラリア銀行)による11月の豪企業景気信頼感指数は前月比8ポイント悪化のプラス12となった。現況を示す業況指数はは2ポイント改善のプラス12であり、現況は改善してきたものの先行きへの不安感を滲ませるものとなっている。
12月15日にはウェストパックの12月消費者信頼感指数、16日にはマークイットの製造業及びサービス業のPMI、11月の豪雇用統計の発表と続く。
短期テクニカル分析
豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
12月4日早朝安値を起点とした上昇が12月9日未明高値で一巡し、12月10日午前に81円を割り込んだところからいったん戻したものの高値更新には至らずに13日夜には10日午前安値を割り込んでいる。このため現状は12月9日未明高値と10日夜高値をダブルトップとし、10日午前安値を割り込んだことで底割れにより新たな下落期に入っているところと思われる。安値形成期は10日午前安値を基準として15日午前から17日午前にかけての間と想定されるのでまだ一段安警戒の時間帯と思われる。
60分足の一目均衡表では12月13日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。弱気転換には10日夜高値81.553円を超える反騰が必要と思われる。
60分足の相対力指数は12月13日夜の下落で30ポイントまで低下してからも50ポイント以下での推移にとどまっているのでまだ一段安余地ありとみる。強気転換には55ポイントを超えてその後も50ポイント台を維持する反騰が必要と思われる。
12月14日の売買戦略
ダブルトップ型からの下落のため、戻り売り有利の情勢で12月16日未明のFOMC等へ向かう流れとみる。
81.00円から81.25円にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。
12月13日深夜安値80.697円割れからは80.35円、次いで80.00円を試す流れとみる。81円以下での推移なら12月15日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
12月14日の主な予定
- 英国
ー16:00 11月 失業保険申請件数 (10月 -1.49万件)
ー16:00 11月 失業率 (10月 5.1%)
ー16:00 10月 失業率・ILO方式 (9月 4.3%、予想 4.2%)
- ユーロ圏
ー19:00 10月 鉱工業生産 前月比 (9月 -0.2%、予想 1.2%)
ー19:00 10月 鉱工業生産 前年同月比 (9月 5.2%、予想 3.2%)
- 米国
ー22:30 11月 生産者物価指数 前月比 (10月 0.6%、予想 0.5%)
ー22:30 11月 生産者物価指数 前年同月比 (10月 8.6%、予想 9.2%)
ー22:30 11月 生産者物価コア指数 前月比 (10月 0.4%、予想 0.4%)
ー22:30 11月 生産者物価コア指数 前年同月比 (10月 6.8%、予想 7.2%)