米雇用統計の結果で荒れるか?【2021年6月4日】

米雇用統計の結果で荒れるか?【2021年6月4日】

おはようございます。だいまんです。

2021年6月4日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、ロシアのシルアノフ財務相が「同国政府系ファンドがドル保有高をゼロにし、ユーロや人民元、金資産にシフトする計画」と発表したことで、一時ドル売りが見えるも、米5月ADP全米雇用報告、週間新規失業保険申請件数、5月サービス業・総合PMIの改定値や5月ISM非製造業指数などが軒並み津甥結果となったことで、米長期金利が上昇、ドル買いが強まる形で引けた。

5月ADP全米雇用報告は、予想+65.0万人に対して+97.8万人、週間新規失業保険申請件数は、38.5万件となり予想の39.0万件を下回った。また、米10年物国債利回りは、1.584%から1.630%まで上昇、NY株価は、3指数ともマイナス圏で引けた。尚、インフラ投資の財源としての法人増税案を、バイデン氏が撤回を示唆したと報じられたが、影響は見えなかった。

ドル円は110.32まで上昇、ユーロドルは1.2208から1.2118まで売りに押され、ポンドドルも1.4087まで下落した。

一方クロス円では、ユーロ円は133.63まで下落、ポンド円は155.82から155.33で上下、オージー円が84.31、NZD円は78.58まで下落、カナダ円は90.91から91.15で上下した。

6月4日の注目材料

  • 08:30 (日) 4月全世帯家計調査・消費支出 [前年同月比] (前回6.2% 予想9.9%)
  • 10:30 (豪) 4月居住用住宅ローン [前月比] (前回3.3%)
  • 10:30 (豪) 4月投資用住宅ローン [前月比] (前回12.7%)
  • 17:30 (英) 5月建設業PMI (前回61.6)
  • 18:00 (ユーロ圏) 4月小売売上高 [前月比] (前回2.7% 予想-1.0%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 4月小売売上高 [前年同月比] (前回12.0% 予想25.0%)
  • 20:00 (米) パウエルFRB議長・ラガルドECB総裁「BISパネルディスカッション参加」
  • 21:30 (加) 第1四半期労働生産性指数 [前期比] (前回-2.0%)
  • 21:30 (加) 5月新規雇用者数 (前回-20.71万人 予想-2.03万人)
  • 21:30 (加) 5月パートタイム雇用者数・季調値 (前回-7.78万人)
  • 21:30 (加) 5月フルタイム雇用者数・季調値 (前回-12.94万人)
  • 21:30 (加) 5月労働参加率 (前回64.9%)
  • 21:30 (加) 5月失業率 (前回8.1% 予想8.2%)
  • 21:30 (米) 5月非農業部門雇用者数 [前月比] (前回26.6万人 予想65.0万人)
  • 21:30 (米) 5月政府部門雇用者数 (前回4.8万人)
  • 21:30 (米) 5月民間部門雇用者数 (前回21.8万人 予想60.0万人)
  • 21:30 (米) 5月製造業雇用者数 (前回-1.8万人)
  • 21:30 (米) 5月失業率 (前回6.1% 予想5.9%)
  • 21:30 (米) 5月U6失業率 (前回10.4%)
  • 21:30 (米) 5月労働参加率 (前回61.7%)
  • 21:30 (米) 5月平均時給 [前月比] (前回0.7% 予想0.2%)
  • 21:30 (米) 5月平均時給 [前年同月比] (前回0.3% 予想1.6%)
  • 23:00 (加) 5月Ivey購買部協会指数 (前回60.6)
  • 23:00 (米) 4月製造業新規受注 [前月比] (前回1.1% 予想0.5%)
  • 23:00 (米) 4月耐久財受注・改定値 [前月比] (前回1.3%)
  • 00:00 (米) 週間原油在庫統計 (前回-166.2万バレル)
  • 先進7カ国(G7)財務相会議(ロンドン、5日まで)
  • ビットコイン2021会議(5日まで)

6月4日の相場見通し

昨晩は、強い米経済指標を受けて、ドルに買い戻しが強まりました。

本日は米国で、市場が大きく注目する米5月雇用統計が発表されます。相場が荒れた動きとなるか注意して対応しましょう。

経済指標としては、日本の4月全世帯家計調査、豪4月居住用・投資用住宅ローン、英5月建設業PMI、ユーロ圏4月小売売上高、カナダでは、第1四半期労働生産性指数、5月雇用統計とIvey購買部協会指数、米国では、5月雇用統計、4月製造業新規受注と4月耐久財受注・改定値が発表されます。米雇用統計を前に、ユーロ圏4月小売売上高を除いて、総じて指標の結果に対する相場の反応が限定される形となりそうです。

やはり注目は、米5月非農業部門雇用者数に集まりそうです。特に昨日発表された5月ADP雇用報告が強かったことや4月がサプライズ的に弱かったことで、強い結果が期待感ですが、既に昨日織り込まれている可能性もあって、強い結果でも織り込みの反応に注意しましょう。また、サプライズは弱い結果が続くケースで、その場合失望の動きも広がり易そうです。

また、米雇用統計の陰に隠れていますが、カナダの雇用統計も注目です。強い結果が見えた場合、ドルカナダの1.20割れが実現するのか注目しておきましょう。

要人発言としては、BIZのイベントに、パウエルFRB議長やラガルドECB総裁が参加するようです。自国の金融政策に発言があるかは不透明ですが、発言があっても、両氏とも市場が思惑を高める早期のテーパリングに否定的な見解となりそうです。こういった面が、市場金利を抑えるならドル買いも限定されそうです。また、先進7カ国財務相会議では、最低法人税の引き上げに関する国際課税ルールを協議するようですが、今回で一定の成果が出る可能性は低く、影響はなさそうです。

その他、週末にビットコインの会議があるようです。どういった内容となるか分かりませんが、相場に悪影響が見えるなら来週週初の相場に混乱が見えるので注意しておきましょう。

6月4日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ドル円

  • 予想レンジ:109.50~110.05
  • 基本戦略: 押し目買い
  • 予想時間:09:00 予想時レート:110.30

110.97の高値からの調整を107.48で維持して、日足の雲の上限や110.97と109.79で形成したレジスタンスを上抜け、上昇が110.32まで拡大している。

スロー・ストキャスティクスも反転上昇しており、更なる上値トライとなるか注目される。ただ、過去のレジスタンスのパラレル・ラインからは、再レジスタンス形成となるか可能性が残っていることは、留意しておきたい。

上値は110.32の昨日の高値を超えて、110.56-85の戻り高値圏が視野となるが、上抜けは不透明。 あくまで110.97の高値を超えて、サイコロジカルな111.00や111.50などのサイコロジカル、111.71や112.23の戻り高値まで越えると112.44の月足の雲の上限まで視野となるが、この位置は丁度75.31のドル円の歴史的な安値から125.86の高値の50%の位置に相当することで、上抜けは相当厳しい位置となる。

一方下値は、既に転換線や基準線と絡む109.33-55の戻り安値が維持されると相当強い形。109.04戻り安値を割れて、雲の上限となる108.82、108.56-72の戻り安値圏が視野となるが維持では堅調が続く。ただし、108.35の戻り安値を割れると雲の下限となる107.95が視野となるが、維持では良いが、もし107.48を割れると相場は崩れ、107.16のそれ以前の高値、106.94の戻り安値、106.37-64の戻り安値、サイコロジカルな106円前後まで視野となるが、大きな流れのネックラインからは、買いが入り易い。ただ、105.83-85の戻り安値まで割れると105.20、サイコロジカルな105円が視野となるが、更に突っ込み売りは出来ない。ただ、104.92の戻り安値を割れると調整気味となり、104.55-86まで視野となる。

また104.41の戻り安値を割れると相場崩れ気味となるが、ただ、下値には出遅れた雲が控えており、104.05-20の戻り安値圏で、日足の雲の上限が控える位置が視野となるが、買いが入り易い。ただし割れると雲の下限が位置する103.45-57まで視野となるが、維持では堅調が続く。このリスクは、103.33の安値を割れるケースで、その場合103円方向への調整となるが、維持されると更に突っ込み売りは出来ないが、102.96や102.59を割れると102.50前後のサイコロジカル、101.99の戻り安値、更にサイコロジカルは101.50がターゲットとなるが、引き続き買いが入り易い。最大のリスクは101.19の安値割れとなるが、その場合100.58のフィボナッチ・リトレースメント(75.31-125.86)までターゲットとなる。ただ、100円のサイコロジカルを直ぐに割れることは想定できず、買い下がり位置との見方は変わらない。

デイの戦略としては、米雇用統計の結果次第で荒れる可能性に注意だが、発表前は、しっかりと押し目を待って買う形で、下値は109.75-00方向への調整での買い狙い。ストップは、深めの109.33割れとして、出来れば、109円ミドルまで買い下がりの余裕を持った対応したい。このターゲットは、発表後吹けば、110.50を前にしっかりと利食いたい。また、こういった位置は売りを検討しても、ストップは一旦110.60越え。または、111円越えに置くなら、110円後半まで売り上がって、このターゲットは、若干不透明だが、110円を維持するなら利食っておきたい。

米雇用統計の結果で荒れるか?【2021年6月4日】

カナダ円

  • 予想レンジ:90.20~91.50
  • 基本戦略:深押しでの買い狙い
  • 予想時間:09:18 予想時レート: 91.02

上昇が、月足の雲の上限を超えて91.19まで拡大。更なる上値追いは不透明だが、超えると月足の91.58-91.64の戻り高値圏などが視野となる。ただ、既に上昇が3段階となっており、危険水準、またこういった位置は月足の106.52の高値をトップとしたショルダーの上限で上値を押さえ易いことは、留意しておきたい。

一方下値は、転換線と絡む90.53-61の維持では強いが、割れると89.59-92ゾーン、基準線と絡む88.73-89.37ゾーンの戻り安値圏まで視野となるが維持では堅調も、88.44の戻り安値を割れると87.14-56の雲の上限と絡む位置、86.01-35の戻り安値圏で、雲の下限と絡む位置が視野となるが、維持では良いが、85.44の戻り安値を割れると相場は崩れ始め、84.11-45ゾーン、83.52-59の戻り安値を割れると相場が崩れ始め、83.04-20の戻り安値圏、81.97-82.35ゾーン、81.88の戻り安値、81.16-58順次視野となるが、過去の高値圏からは維持では堅調が続く。ただし、80.99を割れると80.38-57の戻り安値、80.15の戻り安値を割れると相場的には崩れ気味となり、79.82-94の戻り安値、リスクは79.24の戻り安値まで割れると78.72、78.08-23まで視野となるが、維持では更に突っ込み売りは出来ないが、77.93や77.63を割れると調整が76-77円ゾーンまで視野となる。このリスクは、75.58、74.77、73.77の安値を順次割れるケースとなる。

従ってデイの戦略としては、引き続き上値追いは厳しい。ただ、カナダ雇用統計の強い結果が押し上げる可能性もあり、早期は91.19越えをストップに売っても、ターゲットは90.60-80ゾーンが維持されると利食いで、この維持では買っても、ストップは、90.53-61ゾーン割れ。この買いの利食いも現状の高値91.19を越えないなら利食い優先となる。

一方様子見として、弱い雇用統計での深押しがあれば買い場探しで、サポートの90.00-20ゾーンへの調整があれば買いを狙って、ストップは89.59割れ。このターゲットは90.53-60ゾーンが上値を抑えると利食いで、超えても91.20を前に上げ渋りでは、利食い優先となる。

米雇用統計の結果で荒れるか?【2021年6月4日】