米国金利に神経質なマーケット【YEN蔵のFX相場分析】

こんにちはYEN蔵です。

今週の為替相場予測です。

今週(8月9日週)の振り返り

強い雇用と物価の一服

ここのところは米国の長期金利の上昇がドルの上昇を促す流れが続いています。先週の米雇用統計は予想を上回る強い数字になりました。非農業部門雇用者数が94.3万人と2か月連続で90万人を超え(6月分は85万人から93.8万人に上方修正)失業率は5.9から5.4%、にU6失業率は9.8から9.2%に低下しました。

強い雇用統計の数字を受けて米10年債利回りは1.25から1.3%に上昇しドルインデックスは92.40から92.84まで上昇しドル円も110円台前半に上昇しました。

雇用の改善を受けてFRBのテーパリング(資産買い入れ縮小)開始が早まるのではないかという思惑が米長期金利を上昇させてドルの上昇につながりました。

一方で11日発表された米CPI(消費者物価指数)は上昇が一服した形になりました。

11月のCPIは前月比0.5% (予想0.5%、前月0.9%)、前年比 5.4% (予想5.3% 前月 5.4%)となり前月比では予想通り上昇が鈍化しました。

またコア指数は前月比 0.3% (予想0.4% 前月0.9%)、前年比 4.3% (予想4.3% 前月4.5%)とこちらも前月比では予想を下回り上昇が鈍化しました。

CPIの数字を受けて米長期金利の上昇、ドルの上昇ともに一服して小動きになっています。昨日から特に動きが鈍化し夏枯れ相場に突入したのかもしれません。

金融政策の注目は雇用と物価

米国の中央銀行であるFRBのミッション(任務)は物価と雇用の安定です。物価の安定はインフレ率を年率2%と定めています。雇用のほうは完全雇用を目指すとしていますが、この完全雇用のレベルがどのレベルかは明確にしていません。昔は失業率が5%ではないかといわれていましたが、コロナ前の失業率は3.5%まで低下していたので、一応このレベルがターゲットではないかと思われます。

失業率はまだ5.4%、特にマイノリティーと呼ばれるアジア系、ヒスパニック系、ネイティブアフリカン系の失業率は高止まりしています。

雇用に関しては改善していますが、まだ道は遠いというところでしょうか。一方で物価に関しては目標の2%を大きく上回っていますが、パウエルFRB議長は物価の上昇は一過性であると述べています。

このような中で複数のFOMCメンバーたちがテーパリングの開始時期を早めるほうが良いという発言を繰り返しており、以前より開始時期が早まるのではないかという予想が市場にも広まってきています。このことがドルの上昇に結び付いています。

来週金融政策会合のあるニュージーランドドルに注目

ニュージーランド準備銀行が実施した四半期インフレ調査によると7~9月期は1年後の期待インフレ率は3.02%と4~6月期の1.87%から上昇しました。景気回復と一部の商品の供給不足が物価押し上げの原因になっています。

2年後の期待インフレ率は2.27%となり前期の2.05%から上昇しました。

このインフレ率の上昇を受けて市場では来週18日に行われるニュージーランド準備銀行の会合での利上げ予想が出てきています。

ニュージーランドドルは7月20日に0.6881まで下落した後に8月4日には0.7088まで反発しました。ドルの上昇にもかかわらずニュージーランドドルが比較的堅調に推移しているのは中央銀行の利上げ予想の影響と思われます。

0.7050付近に一目均衡表の雲の下限と75日移動平均線が位置し短期的なレジスタンスになっています。予想通り利上げがあった場合はこのレジスタンスを抜けて上昇が予想されます。

その場合のターゲットは雲の上限の0.7120付近、節目の0.72付近になります。

一方で利上げが見送られた場合は0.69~0.70のレンジを予想します。