豪ドル円 3日連続陰線で下落、8月17日午前には7月20日安値を割り込む一段安に

豪ドル円 3日連続陰線で下落、8月17日午前には7月20日安値を割り込む一段安に

豪ドルの8月16日終値は80.149円、前日比0.618円安と大幅続落した。取引レンジはは80.867円から79.990円。

8月11日高値で81.574円を付けて7月23日高値81.659円に迫ったものの高値更新へ進めず、8月12日から8月16日まで3日連続の日足陰線(三羽烏)で失速した。8月13日の前日比0.250円安から下げ足も早まったが、8月17日午前には79.80円割れへ続落して7月20日安値79.833円を割り込んだ。

8月16日はドル円が109.10円まで大幅続落となり、円高によりクロス円全般が失速したが、豪ドル米ドルも14日未明高値から下落に転じて17日午前には8月10日昼安値を割り込む一段安となっており、豪ドル円としてはドル円の大幅下落と共に豪ドル米ドルの下落も重なって両面からの売り圧力に晒されている。豪ドル米ドルが戻す場面ではドル円が下落、ドル円が下げ渋る局面では豪ドル米ドルが一段安というように、弱い組み合わせが続いている。

注目ポイント NYダウへ追従できず

8月16日はNYダウが5営業日連続で終値ベースの史上最高値を更新しており、米国株式市場における景気回復感と先高期待は根強い楽観に支えられているが、NYダウの後を追いかけて大上昇してきた為替市場におけるユーロ、ポンド、豪ドル、南アランド等は徐々にNYダウへ追従できなくなっている。

国際商品市場でもプラチナや原油の下落が目立っているが、コロナショック不況からの回復基調も一服感が出ており、デルタ株による感染再拡大が世界規模で見れば第三波となり、オーストラリアでもロックダウンの長期化に陥っている。中国の景気回復も鈍化し、アジアの感染拡大が製造業における部品供給へ影響を与え、自動車生産に支障が出始める状況もある。

テクニカルの注目ポイント 7月20日安値を割り込み5月10日からの下落は二段目に

豪ドル円は7月20日安値で79.833円を付けた後は81.50円を超える水準では戻り売りにつかまりつつも新たな安値更新を回避して下げ渋りによるボックス型の持ち合いで推移してきたが、高値切り上げへ進めずに上値が重くなったところからの三羽烏出現で7月20日安値へ迫り、17日午前に底割れに至った。

5月10日に85.795円まで上昇して昨年3月底からの大上昇の最高値を付けたところから上値が重くなり、6月21日に82.132円へ下落したところはいったん戻したが、戻り高値を切り下げて7月20日へ一段安していた。今回さらに一段安へ進んだことにより5月10日からの下落はさらに長期化する懸念も強まっている。

ボックス型持ち合いから下放れする場合、ボックス型持ち合いの値幅の倍返し、下げ渋り前の下落幅と同規模の下げへの発展等が考えられるが、7月20日安値79.833円から7月23日高値81.659円までの戻り幅1.826円を7月20日安値から差し引けば下値計算値は78.007円となる。5月10日高値85.795円から7月20日安値までの下げ幅は5.962円であり、同規模の下落となる場合の下値計算値は75.697円と計測される。75円台を意識するのは時期尚早だが、倍返しの78円試しは現実味のある水準として意識しておきたい。

短期テクニカル分析

60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

豪ドル円は8月10日昼安値を起点として上昇したが、11日夜高値で目先のピークを付けて下落期に入ってきた。当面の安値形成期は17日夜にかけての間と考えられるので既に反騰注意期にあるが、16日夜安値を割り込んできているのでまだ一段安余地も残るところとみる。8月17日午前高値(80.244)を上抜き返す場合はいったんリバウンドに入るとみるが、安値更新が続く場合は79円台前半(79.50円から79.00円)を試す流れとみる。

60分足の一目均衡表では8月12日夜の下落で遅行スパンが実線を割り込んで悪化し、先行スパンからも転落したが、その後も揃って悪化が続いている。強気転換にはまず26本基準線を上抜き、遅行スパン好転から先行スパンへ潜り込む上昇が必要と思われる。遅行スパンが実線を上抜き返すところからはいったん戻しに入るとみるが、先行スパンからの転落中は戻り売り有利の展開とし、遅行スパンが再び悪化するところからは下げ再開とみる。

8月17日の売買戦略

80円以下での推移か一時的に超えても維持できない程度にとどまる場合は安値追及の流れとして79.50円、79.25円を段階的に試しみて戻り売り有の展開と考える。

8月17日午前高値80.244円超えからは短期のリバウンド入りとみて80.50円、次いで80.60円台を試すとみるが、80.50円以上は反落警戒圏として戻り売り有利の水準と考える。

今晩の注目材料

  • 18:00 ユーロ圏 4-6月期 GDP改定値 前期比 (1-3月 2.0%、予想 2.0%)
  • 18:00 ユーロ圏 4-6月期 GDP改定値 前年同期比 (1-3月 13.7%、予想 13.7%)
  • 21:30 米国 7月 小売売上高 前月比 (6月 0.6%、予想 -0.2%)
  • 21:30 米国 7月 小売売上高・除自動車 前月比 (6月 1.3%、予想 0.1%)
  • 22:15 米国 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 0.4%、予想 0.5%)
  • 22:15 米国 7月 設備稼働率 (6月 75.4%、予想 75.7%)
  • 23:00 米国 6月 企業在庫 前月比 (5月 0.5%、予想 0.8%)
  • 23:00 米国 8月 NAHB住宅市場指数 (7月 80、予想 80)
  • 26:30 米国 パウエル米連銀議長、講演
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