ISMの結果次第では、ドルの巻き戻しも【2020年9月1日】

ISMの結果次第では、ドルの巻き戻しも【2020年9月1日】

おはようございます。だいまんです。

2020年9月1日の相場分析です。

昨日のマーケット

昨日の相場は、大きな材料のない中、月末のフローの動きで、ドル売り、円売りが優勢となりました。株価面では、NYダウは、銘柄変更やアップルの分割の影響で300ドル越えの安値まで一時下落しましたが、ナスダック総合指数は、史上高値をまた更新し、リスクオフの動きはつながっていません。

ドル円は、安倍総理のサプライズ的な辞任発表後も、下値は105円を前に下げ止まりを見せています。次の焦点は、次期総理の候補ですが、菅官房長官が有力視されています。菅官房長が次期総理になった場合、現状のアベノミックス政策が踏襲されるとの見方から、巻き戻しが優勢となっています。

一方ユーロドルは、独8月消費者物価指数の速報値が、予想をわずかに下回りましたが、引き続き押し目買い意欲が強く、今年の高値1.1966に再度つら合わせしました。ただ、この位置が上値を押さえています。ユーロ・ロングも大分溜まっていることもあって、1.20のサイコロジカル的に強い位置を前に、利食いも出易い位置となっています。

また、この影響で、ユーロ円も強く、年初来高値となる126.85まで上昇しました。ドル安相場にも、ドル円の下げが限られています。その面で、対欧州通貨でのドル売りが続く限り、クロス円相場は総じて堅調を続けそうです。

9月1日の注目材料

  • 08:30 (日) 7月失業率 (前回2.8% 予想3.0%)
  • 08:30 (日) 7月有効求人倍率 (前回1.11 1.08)
  • 10:30 (豪) 7月住宅建設許可件数 [前月比] (前回-4.9% 予想-1.0%)
  • 10:30 (豪) 7月住宅着工許可件数 (前回1.5%)
  • 10:30 (豪) 第2四半期経常収支 (前回84億豪ドル 予想130億豪ドル)
  • 10:45 (中) 8月財新製造業PMI (前回52.8 予想52.5)
  • 13:30 (豪) 豪準備銀行・政策金利発表 (現行0.25% 予想0.25%)
  • 16:50 (仏) 8月製造業PMI・改定値 (前回49.0 予想49.0)
  • 16:55 (独) 8月製造業PMI・改定値 (前回53.0 予想53.0)
  • 16:55 (独) 8月失業者数 [前月比] (前回-1.80万人 予想0.00万人)
  • 16:55 (独) 8月失業率 (前回6.4% 予想6.4%)
  • 17:00 (ユーロ圏)8月製造業PMI・改定値 (前回51.7 予想51.7)
  • 17:30 (英) 7月消費者信用残高 (前回-1億ポンド 8億ポンド)
  • 17:30 (英) 8月製造業PMI・改定値 (前回55.3 予想55.3)
  • 18:00 (ユーロ圏) 7月失業率 (前回7.8% 予想8.0%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 8月消費者物価指数・速報値 [前年同月比] (前回0.4% 予想0.2%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 8月消費者物価指数コア指数・速報値 [前年同月比] (前回1.2% 予想0.9%)
  • 22:45 (米) 8月マークイット製造業PMI・改定値 (前回53.6 予想53.6)
  • 23:00 (米) 8月ISM製造業景況指数 (前回54.2 予想54.5)
  • 23:00 (米) 7月建設支出 [前月比] (前回-0.7% 予想1.1%)
  • 02:00 (米) ブレイナードFRB理事講演
  • 03:00 (ユーロ圏) クノット・オランダ中銀総裁講演
  • 米TikTokの売却先発表?

9月1日の相場見通し

今日から9月に突入しますが、例年米国では、レイバーデー明けから、本格的にヘッジ・ファンドが動きだすことで、年末に向けて、相場に一定の方向が見えてくると言われています。特に今週末は、米国の雇用統計の発表も控えています。何か大きな動きにつながるか注目しましょう。

ただ、本日のところはまだ不透明ですが、経済指標としては、日本では、7月失業率・有効求人倍率、豪州では、7月住宅建設許可件数と第2四半期経常収支、 豪準備銀行の政策金利発表、中国では8月財新製造業PMI、ユーロ圏では、各国の8月製造業PMIの改定値、独・ユーロ圏の7月失業率と8月消費者物価指数の速報値、英国では、7月消費者信用残高と8月製造業PMIの改定値、米国では、8月マークイット製造業PMIの改定値、8月ISM製造業景況指数、7月建設支出とダラス連銀サービス売上高指数などが発表されます。

経済指標に対する関心度が低下している環境が続いています。RBAも据え置きで影響は少ないでしょう。ただ、以前ユーロ圏の8月PMIが、弱い結果となったことが、一時ユーロ売りを誘っています。今夜は改定値ですので、数字がブレなければ、影響は少ないでしょうが、一方で米国のISM製造業景況指数が、予想外に強かった場合やユーロ圏の弱い失業率で、ユーロ圏と米国の景況感格差に注目されると、一定のドルの買い戻しもあるかもしれませんので注意しておきましょう。

その他、新型コロナウイルス関連の話題は、大分落ち着いていますので、サプライズ的なニュースが出なければ影響は少ないでしょうが、一部で本日TikTokの米現地法人の売却先が、本日発表されると報道されています。この点も織り込みがあるので影響は限られると思いますが、もし、中国の反発や買収交渉が、難航している場合、リスクオフの動きにもつながり易いことは留意しておきましょう。

9月1日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ドル円

  • 予想レンジ:105.50~106.50
  • 基本戦略:逆張り

安倍総理の電撃的辞任発表でのリスクオフの動きも、下値はサイコロジカルな105円を前に、105.10-20を守って反発気味です。一応一部に105円では、機関投資家の買いが控えているとの見方があるようです。現状直ぐに105円を割れるとの見るのは時期尚早ですが、将来的に105円を逆に割れるなら、104.19の安値も割り込み、103.08や101.99の戻り安値圏を目指すと見るのが順当です。

一方上値は、日足の雲がしっかりと抑えています。直近戻り高値となる106.95-107.05ゾーンを上抜けるまで、上昇期待は厳しいでしょう。当面は、105-107円レンジ相場を想定して、下落した買い、上昇したら売りの逆張り戦略が基本と見ています。

本日のところは、サポート圏が105.50-60となりますので、この位置を睨んで買い下がりです。ストップは105円割れとしておきましょう。ターゲットは、昨晩の高値106.10を超えないなら利食い優先です。超える動きが見えても、106.40-60ゾーンまでは、利食いながら対応して、また売り狙いも検討しましょう。ストップは106.95-107.05越えで、できれば106円後半まで売り上がりの余裕を持って対応しましょう。ただ、こういった上昇での売りの場合、利食いは106円前後が維持されると買い戻しながら対応するほうが安全そうです。

ISMの結果次第では、ドルの巻き戻しも【2020年9月1日】

ユーロドル

  • 予想レンジ:1.1880~1.1980
  • 基本戦略:押し目買い

下値は1.17を前に下げ止まりを見せて、直近高値に再トライとなっています。ただ、1.20のサイコロジカルは、オプションの防戦売りも想定され強い位置です。直ぐに上抜けるのは難しいでしょう。また、何か材料が出て、1.20をつけるようなことがあっても、それは買い過ぎになる可能性が高く、ストップをつける程度で、一時的なだましとなる可能性に注意しましょう。決して1.20を超えても、追いかけて買うのは避けておいた方が良いと思います。

本日のところでは、サポート圏が1.1880-1.1900ゾーンで、こういった位置から1.18ミドルまでは買い下がり場を探しましょう。ただ、ISM発表後にドルが買われるなら深押しのリスクがあることは注意です。ですので、ストップは浅めなら1.1810割れ、理想的には1.1754割れなどで対応しましょう。 ターゲットは1.19566の高値が上値を抑えるなら利食い優先。超えても前述の通り、1.20前後では、上げ渋りを確認して利食い優先。またこういった位置の売りは、1.2050越えをストップに検討しますが、トレンドはユーロ高なので、下げが甘ければ買い直しながらが良いでしょう。

ISMの結果次第では、ドルの巻き戻しも【2020年9月1日】

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