週末でリスクオフが続き易い【2021年7月16日】

週末でリスクオフが続き易い【2021年7月16日】

おはようございます。だいまんです。

2021年7月16日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、ブラード・セントルイス連銀総裁が「緊急措置を終わらせる時になっている」との見解を示したこと軟調な株価を受けて、リスク回避の動きが強まった。米経済指標としては、7月NY連銀製造業景気指数が予想を上回るも、週間新規失業保険申請件数は、良好な結果も予想比変わらず、7月フィラデルフィラ連元製造業景気指数や6月鉱工業生産指数が予想を下回り、まちまちな結果から相場への影響は限られた。また、NYダウは、一時の下落から小幅に上昇して引けるも、ナスダックが一時1%を超える下落、S&Pも値を下げて引けた。パウエルFRB議長の議会証言では、「国債やMBSの買い入れについて、今後数週間で協議する予定」、「テーパリングを始めるために新たな労働力参加の傾向を理解する必要はない」、「我々はインフレ期待を注意深く監視している」と述べたが、前日の証言からサプライズはなく、反応は限定的された。一方米10年物国債利回りは、1.349%まで上昇後、1.292%まで低下した。

ドル円は、一時の米長期金利の上昇を受けて、110.09まで上昇後109.78まで下落、ユーロドルは、ビスコ伊中銀総裁が「時期尚早のテーパリングは避けなければならない」とハト派発言を続けたことで、1.1851から1.1796まで売りに押され、ポンドドルは、サンダース英MPC委員が「刺激策の解除がまもなく適切となる可能性がある」と述べたことで1.3899まで上昇後1.3085まで下落した。

クロス円は総じて軟調な展開となり、ユーロ円が129.61、ポンド円が151.62、オージー円が81.43、NZD円は76.55、カナダ円は、原油価格の下落もあって、87.06まで売りに押された。

7月16日の注目材料

  • 07:30 (NZ) 6月製造業PMI (前回58.6)
  • 07:45 (NZ) 第2四半期消費者物価 [前期比] (前回0.8% 予想0.7%)
  • 07:45 (NZ) 第2四半期消費者物価 [前年同期比] (前回1.5% 予想2.7%)
  • 未 定 (日) 日銀金融政策決定会合・政策金利公表 (現行-0.10% 予想-0.10%)
  • 未 定 (日) 日銀展望レポート公表
  • 15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁・定例記者会見
  • 18:00 (ユーロ圏) 5月貿易収支・季調済 (前回94億ユーロ 予想80億ユーロ)
  • 18:00 (ユーロ圏) 5月貿易収支・季調前 (前回109億ユーロ)
  • 18:00 (ユーロ圏) 6月消費者物価指数・改定値 [前年同月比] (前回1.9% 予想1.9%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 6月消費者物価指数/コア指数・改定値 [前年同月比] (前回0.9% 予想0.9%)
  • 21:15 (加) 6月住宅着工件数 (前回27.59万件 予想27.50万件)
  • 21:30 (加) 5月卸売売上高 [前月比] (前回0.4% 予想1.1%)
  • 21:30 (加) 5月対内証券投資額 (前回99.5億加ドル)
  • 21:30 (加) 5月対外証券投資額 (前回1.63億加ドル)
  • 21:30 (米) 6月小売売上高 [前月比] (前回-1.3% 予想-0.5%)
  • 21:30 (米) 6月小売売上高・除自動車 [前月比] (前回-0.7% 予想0.4%)
  • 22:00 (米) ウィリアムズNY連銀総裁・イベント挨拶
  • 23:00 (米) 5月企業在庫 [前月比] (前回-0.2% 予想0.4%)
  • 23:00 (米) 7月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値 (前回85.5 予想86.5)
  • 23:00 (米) 7月ミシガン大学消費者信頼感/現況指数・速報値 (前回90.6)
  • 23:00 (米) 7月ミシガン大学消費者信頼感/期待指数・速報値 (前回83.8)
  • 05:00 (米) 5月対米証券投資 (前回1012億ドル)
  • 05:00 (米) 5月対米証券投資・除短期債 (前回1007億ドル)

7月16日の相場見通し

昨日は、米長期金利の上げ渋りにも、軟調気味な株価を受けて、ドル買い、円買いのリスクオフ的な相場展開となりました。

本日は週末もあって、この傾向が続き易いことは、留意して対応しましょう。

金融政策としては、日銀が金融政策決定会合の結果や展望レポートを公表します。ただ、政策の変更は想定されていません。一部に気候変動対策融資などの骨格が発表されるようですが、市場に与える影響は見えないでしょう。

経済指標としては、NZ6月製造業PMIと第2四半期消費者物価、ユーロ圏5月貿易収支と6月消費者物価指数・改定値、加6月住宅着工件数と加5月卸売売上高、米6月小売売上高、5月企業在庫と7月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値などが発表されます。

注目はやはり米小売売上高となりそうです。直近発表された物価指数も強く、良好な悔過を受けた米長期金利の動向が焦点となりそうです。当然強い結果となれば、株価が支えられて、リスクオフの動きに巻き戻しとなるか注目です。ただ、一方で米長期金利は、直近上値の重い状況となっています。既にFRBの早期のテーパリングが織り込まれているようです。トレード的には、米株価や長期金利を睨んで対応する形となりますが、ドル円以外は、あまり連動性が見えていないことは、注意して対応しましょう。

7月16日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ユーロドル

  • 予想レンジ:1.1780~1.1870
  • 基本戦略: 突っ込みは避けて、戻り売り
  • 予想時間:07:54 予想時レート:1.1814

高値の1.2351からの調整を、1.1704で維持して、1.2266まで再反発も、再度売りに押される展開。この下落が日足のサポートや90日移動平均、雲を再び割り込んでおり、スロー・ストキャスティクスは反転気味も、戻りでは売りが出易い状況が続きそうだ。

上値は、1.1875-96の戻り高値圏、1.1909-45ゾーンの戻り高値が抑えると弱い。1.1975の戻り高値を越えても、雲の下限と基準線が位置する1.1981-90、1.1995-1.2007の下落スタート位置や90日移動平均と絡む位置、1.2009、1.2032-57、1.2094-1.2101の日足の窓の上限が視野となるが売りが出易い。1.2135-48の雲の上限と絡む位置を超えても1.2193-95,1.2218-55が抑えるとレジスタンスが有効となる。あくまで直近高値の1.2254-66を超えて、1.2285の戻り高値を目指す動きとなるが、上抜けは不透明で、1.2349の今年の高値をしっかりと超えて、1.2400のサイコロジカル、月足からは、1.2414-1.2476の戻り高値圏、1.25のサイコロジカルまで視野となる。ただ、1.2555の戻り高値を越えるかは、現状不透明となる。

一方下値は、1.1769の安値を割れると1.1737の戻り安値まで視野となる。維持は不透明だが、1.1704やサイコロジカルな1.17を割れると1.1650のサイコロジカルまで視野となる。ただ、この維持では更に突っ込み売りは出来ないが、リスクは、1.1603の安値を割れで、その場合調整が深まり、それ以前の高値1.1495から1.1422ゾーンまで視野となるが買いが入り易い。またもし割れても1.12-1.14ゾーンは、揉み合いを経たゾーンで、こちらも買いが入り易い。あくまで1.1168の戻り安値を割れるまでは、堅調相場が続くと見たい。

従ってデイの戦略としては、若干揉み合い気味が見えており、突っ込み売りは出来ないが、反発があれば売り狙い。上値は、既に1.18ミドルが抑えると売り狙いもストップは1.1850越え。ターゲットは、1.1769-96ゾーンが維持されると利食い、割れても1.17ミドルでは利食いを優先したい。ただ、超えるケースでは、一定の上昇の可能性はあるが、1.1895をストップに、上げ渋りを確認して売るが、この場合は、1.1820-50が維持されると利食いが安全となる。

一方買いは1.1769の安値をストップに1.18前後を維持するケースだが、それも1.1850-80ゾーンは利食っておきたい。

週末でリスクオフが続き易い【2021年7月16日】

NZドル円

  • 予想レンジ:76.50~77.50
  • 基本戦略:逆張り
  • 予想時間:08:11 予想時レート: 86.88

上昇が80.19まで拡大も現状は、トピッシュとなって、日足のサポートや雲を割り込む形。ただ、76円前後が堅く、更に下落は拡大していない。ただ、スロー・ストキャスティクスが反転下落気味で、反発ではやれやれの売りが出易い。

上値は、基準線と転換線の77.38-43が抑えると弱い。77.66-69の戻り高値を超えて、78.13や78.43の雲の下限が視野となるが、売りが出易い。78.77の上ヒゲ越えから78.89、78.99-79.15の雲の上限と絡む位置、79.40-80ゾーンが視野となるが、抑えると上値は追えない。あくまで上値は80.19を越えて、サイコロジカルな81円、月足の雲の上限となる81.28がターゲットとなる。ただ、未だ絶好の利食い場となる可能性が残っていることは注意しておきたい。

一方下値は、76.44-54の戻り安値の維持では良いが、75.98-00の直近安値圏を維持出来ずに、75.64の戻り安値を割れると長期のサポートが崩れ、75.33-56、74.72-00ゾーンが視野となる。また更に74.13や73.66の安値まで割れると73.20-27、72.82-85ゾーンまでターゲットとなる。こういった位置は一旦維持される可能性はあるが、72.73まで割れると72.26、71.68-86ゾーン、71.49-53の日足の窓の上限まで割れると相場が崩れ気味となり、窓の下限となる70.48-52、69.71-70.00、69.37-45の戻り安値圏まで視野となるが維持では更に突っ込み売りは出来ない。リスクは68.88や68.65の安値、下限レンジ最安値となる68.21を割れるケースで、その場合下落が加速するリスクが高まり、67.53の戻り安値、66.32-66.59の戻り安値圏なども視野となるが、長期のサポートが控える。更に割れても過去の揉み合いレンジとなる63.10-66.17ゾーンなどは底堅い位置となりそう。このリスクは61.79割れとなる。

従ってデイの戦略としては、逆張り的な戦略となるが、下値は76円ミドルが支えると買い下がって、ストップは75.98割れ。ターゲットは、77.50-70が抑えると利食いとなる。またこの位置から78円まで売り上がって、ストップは78.12越えとして、この売りのターゲットも、76円ミドルを前に、下げ渋りではしっかりと利食っておきたい。

週末でリスクオフが続き易い【2021年7月16日】