「勝てないようにできてる」は本当?現役FXトレーダーが解説する真実とは?

FXに挑戦しても、なかなか勝てないと感じている人は多いでしょう。

そもそもFXは、「勝てないようにできてる」という噂も広まっており、最初から挑戦を諦めている層も一定数存在します。

果たして本当に、噂通りFXは勝てないようにできているのでしょうか?

本記事ではその点に注目しつつ、FXトレーダーとして長らく相場と対峙してきた筆者の考察をまとめていきたいと思います。

FXは「勝てないようにできてる」という認識が広まった背景

FX市場では、多くのトレーダーが勝てないという事実があります。

これは「FX市場が、金融機関や大手投資家によって操作されている」という考え方が広まっているからです。

つまり、相場をコントロールできる力を持つ者たちが、小口投資家を含めた一般のトレーダーを操作し、故意に損失を出させているという主張になります。

また一部のトレーダーたちは、FX市場で勝てない理由について、その原因を自分自身に求めることができず、外的要因に原因を求める傾向があります。

そのため、「勝てないようにできている」という言葉が広まっているわけですが、一方で多くのトレーダーが成功を収めていることも事実です。

したがって、このような主張は必ずしも正確ではないと考えられるでしょう。

FX会社の呑み行為について

国内口座において、投資家の損失は、そのままFX会社の利益となります。

これは「呑み行為」と呼ばれ、「FX会社が少しでも利益を取れるよう投資家に不利な取引を強いている」という主張があります。

この呑み行為が勝てない理由の直接的な原因となるかはともかく、この仕組みについては知っておいて然るべきでしょう。

呑み行為とは?

FX会社の呑み行為とは、簡単に言えば「顧客の注文をFX会社内だけで完結させる」というものです。

ただ、これだけの説明だと分かりづらいかと思いますので、以下より順序立てて解説していきましょう。

まず、FX会社の主たる役目とは、顧客の注文をインターバンク市場に流して注文を成立させることです。

しかし呑み行為をしていた場合、顧客の注文はインターバンクまで届かず、FX会社内だけで処理されることになります。

呑み行為の問題点

呑み行為の問題点は、注文が正しく処理されているのか明らかにしづらい点にあります。

例えば、ある顧客がポジションを利確した場合、応じた金額をトレーダーの口座に払い込むことでトレードはそこで終了です。

しかし顧客がトレードで損失を出してしまった場合、その損失分はインターバンクに流れるのではなく、FX会社に呑まれることになります。

つまり顧客の損失がFX会社の利益になっており、FX会社の利益のために、注文を都合よく処理されてしまうことも考えられるわけです。

国内FX会社は呑み行為している?

顧客とFX会社間でトレードが完結する取引をDD方式と呼び、国内口座の大半がDD方式を採用しています。

最近はDD方式において、トレードの透明性・公平性に疑問を感じているトレーダーも増えており、注文をきちんとインターバンク市場まで流せる(NDD方式海外FX口座を利用する方も増えているようです。

国内口座では、注文を操作した悪質な呑み行為は考えづらいですが、それを確かめる術はありません。

以上のように、顧客の損失が胴元(FX会社)の利益になるという仕組み上、FXでは顧客の大半が勝てないと言われているのです。

FX「勝てないようにできてる」という噂の真相

外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査によれば、約6割近くのトレーダーが年間収益プラス、あるいはプラマイゼロであることが明らかになっています。

この調査により、FXでは確かに稼いでいる層も存在することが分かるため、本記事の題意である「FXは勝てないようにできている」は誤りであることが分かります。

スリッページやスプレッドの広がりなど、投資家にとって不利な取引を度々強いられるものの、それでも半数以上はFXで勝てているというわけです。

実力不足を棚に上げて外部要因を言い訳にするのは簡単ですが、それでは投資家としての成長は臨めません。

適切な情報収集やトレードスキルの向上など、努力と知識を積み重ねが重要であることは言うまでもないでしょう。

「FXは勝てないようにできている」部分的に正しい

ある程度経験を積んだトレーダーの観点からすれば、FXは「勝てないようにできている」という噂は、部分的に正しいと考えられます。

ただし、これはFX相場やFX会社といったトレード環境に原因があるのではなく、トレーダー自身の問題です。

なぜなら、プロスペクト理論によって、人はトレードに際し合理的な判断を行うことはできません。

「利益を早く確定させ、損切はなるべく先延ばしにする。」

この特性を克服しない限り、FXは「勝てないようにできている」という疑念を払しょくできないでしょう。

ただ、分析や検証、トレーニングを重ねることで克服は可能ですので、伸びしろある初心者のうちから積極的に取り組んでみることをおすすめします。

「勝てないようにできてる」に負けないために

安定して勝ち続けるためには、マーケットの分析を継続的に行い、自分のトレードスタイルに合ったトレードプランを立てることが大切です。

より具体的にいえば、以下のポイントを押さえる必要があります。

  • エントリールールの確立
  • プロスペクト理論の克服
  • リスク管理

それぞれ順に解説していきます。

エントリールールの確立

ギャンブル的なトレードを避けるためにも、ルールの確立は非常に重要です。

特に、どのタイミングでエントリーするのか、きちんと言語化しておきましょう。

またエントリールールは、「知る」だけでは意味がなく「習得」してこそ真価を発揮します。

例えば、よく飛ぶバットがあったとして、初心者が打つのとプロが打つのでは、まるで違う結果になることは明らかです。

重要なのは使い手のスキルであり、どんなに優れたトレードルールだとしても、使いこなす技量がなければ意味がありません。

そのため、適当に書籍やネットを読み漁ってエントリールールをインプットしていくのではなく、実戦から理解を深めていく必要があります。

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プロスペクト理論の克服

損切りは先延ばしにしてしまうのに、利確を焦ってしまうのは、プロスペクト理論を克服できていないからです。

例えば、米ドルを1ドル100円で10,000ドル保有、つまり口座内に100万円分の資産がある状況を考えてみましょう。

ここから米ドルが90円まで下落してしまった時、口座内の資金は90万円まで目減りすることになります。

しかし大半の方からすれば、当初口座内にあった100万円という資金が脳裏に焼き付いて、なかなか損切に踏み切ることはできません

1ドル100円に回復することを祈って、ポジションを握り続けるでしょう。

そして次第に含み損が証拠金維持率を圧迫するようになり、ついには強制ロスカット…そして退場という典型的な負けパターン。

FXで生き残り続けるためには、プロスペクト理論に負けない強い判断力が必要不可欠なのです。

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リスク管理

FXを「攻め」と「守り」に分けて考えてみてください。

攻めとは稼ぐための動き、レバレッジであったりトレード手法等が挙げられますが、多くの人がFXで稼ぐことを目的としているため、攻めに関して積極的にアプローチを行うはずです。

一方守りとは、資金を守ったり相場で生き残るためのテクニック、時には身銭を切る必要もあるため、蔑ろにされる傾向があります。

ただFXにおいて攻めと守りのバランスは半々ではなく、1:9あるいは2:8ほど、それ程までに守りを重視していかねばなりません。

リスク管理を疎かにするようであれば、FXの世界を長きにわたって生き残れないでしょう。

まとめ:FXでは勝てる努力が必要

「FXは勝てないようにできている」は、間違った考え方です。

事実として、投資家の半数以上は利益を取れているため、勝てていないのには自分自身に理由があるということです。

知識・経験不足なのか、プロスペクト理論を克服できていないのか、考えられる要因は様々ですが、継続さえできていれば必ず成長のブレイクスルーは訪れます。

そのための情報を幣サイトでは引き続き発信していきますので、参考にしていただけると幸いです。

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