含み益・含み損の意味とは?初心者にもわかりやすく解説!

含み益・含み損の意味とは?初心者にもわかりやすく解説!

「含み益」「含み益」それぞれの意味について、正しく理解できていますでしょうか?

意味について理解できたとしても、初心者のうちは、それらを正しく評価できていない人も多いです。

そこで本記事では、「含み益」「含み益」の意味だけでなく、注意点対処法についても解説していきたいと思います。

含み益・含み損とは?

「含み益(ふくみえき)」とは、まだ確定していない利益、そして「含み損(ふくみぞん)」とは、まだ確定していない損失という意味になります。

とはいっても、テキストだけの説明では伝わりにくいかと思いますので、以下の図をご用意しました。

含み益・含み損について、それぞれ上図のチャートを例に解説していきたいと思います。

含み損の例

ある地点からロングでエントリーすることを考えてみましょう。

上昇を見込んだものの下落してしまった場合、そのポジションは含み損を抱えることになります。

ただこの時はまだ損失が確定しておらず、ポジションの「決済」が行われない限り、救済される可能性もゼロではありません。

含み益の例

ロングでエントリーした地点よりも上昇した場合、そのポジションは含み益を抱えることになります。

含み損と同じく、含み益についてもこの時点で利益は確定しておらず、どれだけ含み益を伸ばせるか、ポジションを保有する力を「ポジション握力」と呼ぶこともあります。

おそらくトレーダーの多くは、初心者時代にポジション握力について悩まされたのではないでしょうか?

誰もが含み益の決済を我慢できないのは、次節で解説する「とある理由」が隠されているからです。

初心者が失敗しやすい含み益・含み損の注意点

抱えるポジション一覧に、含み益・含み益があれば、どのような点に注意すればいいのでしょうか?

FXでは、1つ1つの意識の積み重ねが収支に直結するため、ぜひ以下のポイントに留意していただければと思います。

含み益を伸ばすのは難しい

含み益の決済を我慢できず「あの時利確していなければ、まだ利益を上乗せできたのに…」と、後悔した経験があるのではないでしょうか。

この利確が我慢できない心理を紐解くためには、「プロスペクト理論」を学ぶ必要があります。

一例として、次の状況を考えてみてください。

ケース1:

A:100万円を確実に受け取る
B:2分の1の確率で200万円を得る、2分の1の確率で何も得られない

ケース2:

A:200万円の負債が確実に半分(負債100万円)になる
B:2分の1の確率で200万円の負債が無くなるが、2分の1の確率で負債は変わらない

いずれの選択においても、期待値は変わりません。

しかし多くの人が、ケース1では「A」ケース2では「B」を選ぶのではないでしょうか?

 

「プロスペクト理論」によれば、人は損失を避ける傾向が明らかにされています。

つまりケース1では「確実にもらえるお金を減らしたくない」、ケース2では「元々負債があるのだから、無くなる可能性に賭けたい」といった心理が働きます。

この心理があるからこそ、多くのトレーダーは含み益を伸ばせず、また含み損いつまで経っても損切りできないのです。

本記事をお読みの皆さんは、ぜひ上記の内容を念頭に置かれて、含み損・含み益を平等&正しく評価できるようになっていただければと思います。

含み損が回復するとは限らない

FX相場は、7割がレンジ相場によって形成されます。

レンジ相場とは一定の値幅を往来する相場であり、レンジ相場圏内であれば、元の水準まで戻ってくる可能性が高いです。

例えばカナダ円のチャートでは、75〜95円の値幅でレンジ相場を形成していることがわかります。

こういった事例を目の当たりにすると、含み損の決済、つまり損切りに中々踏み切れないのではないでしょうか?

チャートを見て分かる通り、どれだけチャートが下落したとしても、その後大きな上昇を見せています。

 

とはいえ、あくまでもレンジ相場の形成は結果論の1つです。

そのため、これから先どうなるかも分かりません。

含み損をいつまでも放置していれば、トルコリラ円のような際限ない下落に巻き込まれることもあるでしょう。

そのため、含み損をいつまでも放置しておくのは推奨できません。

〇〇pips下落したら損切りする…といったように、あらかじめポジションの出口まで想定しておきたいところです。

含み益・含み損があるときの対処法

含み益:

「含み益をできるだけ伸ばしたい」とは思いつつも、決済したいという欲望は手強いものです。

そこで、少しでもポジション握力を強くしたいと方に向けて、いくつか対処法を紹介していきます。

トレール注文の活用

トレール注文とは、相場の値動きに応じて、決済レートを自動で追従させる注文方法です。

例えば、最低でも1000円の利益を確保したい場合は、その額をトレール注文の逆指値として設定しておきましょう。

そうすることで、含み益が1000円以上を割り込むタイミングで自動的に決済が入ります。

一方含み益が伸び続けたとき、今度は最低の利確ラインを自動で引き上げ、含み益が伸びる度に同じことが繰り返されます。

追従させる変動幅については任意に設定可能なので、自動で含み益を伸ばしたい方におすすめです。

分割決済

1万通貨でトレードする場合、それぞれ0.5ずつのポジションに分けてみましょう。

一方を利食いしたとしても、もう一方の行く末を見守ることができます。

やはりどちらか一方でも、ポジションの一部を利確したという安心感から、利確したいという欲を抑えることができるはずです。

含み損の対処法

損切りは重要!計画的に!」と言われても、それが最初から実行できる人はそう多くないでしょう。

そこで、ついつい損切りを先延ばししてしまう人に向けて、含み損との向き合い方・対処法について紹介したいと思います。

プラススワップのエントリー

損切りが苦手だという人は、エントリーをプラススワップに絞るというのも一案です。

例えばクロス円の通過であれば、ロングーのエントリーでプラススワップを受け取ることができます。

上画像のように、含み損を抱えたとしても長期間保有することで、含み損を上回るスワップポイントが付与されれば、その時点で勝ちです。

含み損は抱えると辛いものですが、エントリーの方向次第では、含み損の相殺も可能であるということを覚えておきましょう!

損出し

「損出し」とは、FXの利益に課される税金を調整するために、意図的に損失を出す節税テクニックです。

長らく放置している含み損ポジションがあるのだとすれば、利益と相殺する気持ちで損切りしてみるのも良いでしょう。

仮に年間利益が25万円であれば、課される税金は約2割にあたる5万円。

ところが、年間利益が20万円未満であれば税金が課されないため、5万円分の含み損を決済することで、大幅に節税することができます。

損切りも、節税のためと割り切っているのであれば、心理的なストレスにはなりません。

損出しについては、こちらの記事でも詳しく解説しているので、参考にしていただければ幸いです。

まとめ:含み益・含み損は正しく賢く対処しよう!

本記事では、含み益・含み損について以下のポイントを中心に解説しました。

  • 含み益・含み損の意味とは
  • 初心者が失敗しやすい、含み益・含み損の注意点
  • 含み益・含み損を抱えた時の対処法

特に押さえていただきたいのが、「プロスペクト理論」を軸にした含み益・含み損の考え方です。

人は誰しも、含み損は先延ばしにして、含み益はすぐに確定させてしまう、といった潜在意識があることを覚えておいて下さい。

「プロスペクト理論」を克服し、含み益・含み損について公平かつ正しく評価できるようになれば、トレードで勝ち越せる割合もかなり多くなっていくことでしょう。

以上、参考にしていただければ幸いです。