来週は大統領選挙の結果がマーケットに大きな影響をあたえるでしょう【2020年10月26日週】【YEN蔵のFX相場分析】

来週は大統領選挙の結果がマーケットに大きな影響をあたえるでしょう【2020年10月26日週】【YEN蔵のFX相場分析】

こんにちは。YEN蔵です。

今週の相場振り返りです。

今週(10月26日週)の振り返り

週明け26日は人民元の基準値がドル高方向に設定されたこともありドルは堅調に推移しドル円も104円台後半に上昇しました。週末に米追加経済対策の合意が遠のいたことでリスク回避のドル買いの動きもありました。株価が下落したこともありリスク回避のドル買いで105.05と週の高値まで上昇しました。しかし105円付近は輸出勢の売りも控えており、105円付近が抑えられました。

28日のニューヨーク市場ではダウが1000ドル近く下落したことでドル円は104.10付近まで下落し、29日も欧米市場で株価が下落すると104.03と週の安値まで下落しました。

今週は欧米で感染拡大が広がり、そのことが株価を大きく下落させました。リスクオフの動きが円高を加速させました。

ただ欧米株価が大きく下落するなかで日経平均の下落は限定的で23,000円付近をサポートし23,000円台前半で推移しています。ドル円も104円台がサポートされています。欧米に比べ感染が落ち着いている日本に関しては今のところ株価の下落、円高の加速も限定的になっています。

注目ポイント

来週は3日に米大統領選挙、5日にFOMC、6日に米雇用統計と大きなイベントが目白押しとなっています。どれも一つで市場を大きく動かすポテンシャルのあるイベントですが、それが3日連続(開票は4日になりますので)で襲ってきます。

やはり大統領選挙が一番インパクトがあるイベントですが、今回懸念されるところは4日に選挙結果が出るのかどうかです。感染拡大により郵便投票を含めた事前投票が増加しているようです。一説によると郵便投票が8000万件ほどあるという報道もあり、開票結果が出てくる時間が読めないことがリスクになります。2000年のブッシュ大統領が選ばれた選挙戦では36日間結果が出るまでかかり、その間にSP500は10%以上下落しました。

またトランプ大統領が僅差で敗れた場合はトランプ大統領が裁判に訴えて結果が法廷に持ち込まれる可能性があります。そうなると選挙結果が出る時期がますます後ずれする状況になる可能性があります。

今週株価が下落した要因は感染拡大に加えて追加経済対策が合意できなかったことにあります。1回目の経済対策で米国経済は何とか持ち直しましたが、再度の経済対策をマーケットが求める動きになっており、政治的な混乱によって追加経済対策の合意がなされないとリスク回避の動きが続く可能性があります。

トランプ大統領、バイデン大統領どちらが選ばれてもそれ自体で影響はすでに織り込まれたのかもしれません。ポイントは選挙結果と同時に行われる議会選挙の結果が重要です。

現状の議会は上院が共和党、下院が民主党が多数派を形成しています。下院は再び民主党が多数派になる可能性が高いようです。一方上院は5分5分の情勢になっています。かりにトランプ大統領が当選しても上下院が民主党優勢となると、議会とのねじれで法案が通らない状況になります。トランプ大統領+共和党+民主党かバイデン大統領+民主党+民主党がそれ以外の組み合わせよりはマーケットにとってはよりましな組み合わせになると思われます。

ドル円の予想

今週のドル円はここまで104.03まで下落しましたが104円を何とか維持して104円台で推移しました。本日まで104円、104.50に大きなオプションのエクスパイアリーがあります。エクスパイアリーというのはオプションの期日の到来のことで、夏時間だと東京の23時、冬時間だと0時にオプションは消滅してマーケットに対する影響がなくなります。

大きなオプションの期日があると相場がレンジになる傾向があります。今週は株価の下落で円高傾向でしたが、このオプションの影響もあってここまでは104円を割り込まずに104.00~50のレンジ中心の動きになりました。しかしオプションが本日消滅すると相場の両サイドを押さえていた重しがなくなります。

大統領選挙後の開票が長引く事態などでリスクオフの流れが強まった場合は104円を下抜けする流れになる可能性があります。

来週は大統領選挙の結果がマーケットに大きな影響をあたえるでしょう【2020年10月26日週】【YEN蔵のFX相場分析】

チャートはドル円の日足、一目均衡表です。青いラインはダウの先物です。やはりダウ先物とドル円の動きが連動していることがわかり、ドル円の動きも株価次第です。

RSIのところを見てください。前回104円まで下落したときにRSIは20%を割れるレベルまで低下し、104円がサポートされると急速に上昇しました。今回は30%付近でもみ合っているのは、相場に勢いがない状況です。

来週に関しては大統領選挙次第で大きな変動が予想されますが、もし株価が急落して104円が切れる場合は101~102円付近への下落も予想されます。ただ100円を超えるドル安円高が長引くとは思っていません。

一方で大統領選の影響が限定的で株価が安定する場合は104~107円のレンジ継続を予想します。