[AD] 運営維持のため、一部広告リンクを設置する場合がございます(詳細)
おはようございます。大塚亮です。
2021年10月6日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の10月5日終値は81.255円、前日比0.404円高と上昇した。取引レンジは81.347円から80.554円。
日足は4日連続陽線で4連騰、9月22日安値以降の戻り高値を切り上げている。
10月5日は米長期債利回りが前日から連騰で上昇したが、主要国の長期債利回りも上昇傾向にあるため米長期債利回り上昇が単純にドル全面高とはならず、ユーロドルは下落してドル円が上昇したが、ポンドドルは高値を切り上げ、豪ドル米ドルも5日夕刻に0.725ドルを割り込んだところから切り返して0.730ドル台に到達して9月30日以降の出直り基調を維持している。加えてドル円が111円割れから切り返しており、豪ドル円としては豪ドル米ドルの夕刻からの上昇とドル円の上昇が重なる形で4連騰に至った。
注目材料 豪中銀理事会の金融政策は現状維持
オーストラリア準備銀行(RBA、豪中銀)は10月5日の定例理事会で政策金利を過去最低の0.1%に据え置き、9月から開始した量的金融緩和による資産購入については月次で40億豪ドルに減額したうえで来年2月まで延長する方針を維持した。
物価上昇による金融引き締め圧力が徐々に高まる中にあって豪中銀も量的緩和縮小開始から利上げ時期を伺いたいところにあるものの、デルタ株感染拡大によるロックダウンの長期化により7-9月期にマイナス成長となる可能性が懸念されているために金融緩和縮小への積極姿勢を示せない状況にある。
政策金利の据え置きは10会合連続。2024年4月満期の豪政府債の利回り誘導目標も0.1%で維持した。今年10-12月期はワクチン普及により景気回復へ持ち直すと楽観的な見通しを示したが、「物価が持続的に2~3%の目標レンジを維持するまで政策金利は引き上げない」との姿勢を維持し、「利上げ可能な状況は2024年まで達成されない」とした。
米連銀がテーパリング開始から利上げ想定時期の前倒しへ向かっていること、英中銀が年内の利上げの可能性を示唆し始めていること、NZ中銀が10月6日午前の理事会で政策金利を0.25%から0.50%へ引き上げたことなどと比較すれば、感染拡大とロックダウンの影響から豪中銀による金融政策の正常化は出遅れ感があるところだ。
豪10年債利回り上昇で米10年債利回り上昇でも豪ドル米ドルは確り
豪10年債利回りは10月5日に1.55%台へ上昇、6日午前時点では1.579%まで続伸して8月23日の1.05%以降の高値を更新している。米10年債利回りは9月28日に1.56%台へ上昇してから反落していたが10月4日から持ち直して1.55%台へ上昇している。
主要国の10年債利回りは物価上昇圧力や利上げ想定時期の前倒し等により上昇基調にあるが、米長期債利回りが上昇しても豪長期債利回りも上昇し水準が上回るなら豪ドル米ドルにとってはさほどのドル高圧力にはならない。このため、豪ドル米ドルは9月30日早朝安値0.71687ドルからの上昇基調を継続して0.730ドル台到達まで戻したといえる。しかし、豪中銀の利上げ想定時期は米連銀よりも遅れるため豪10年債利回り上昇による豪ドル米ドルへの上昇圧力もまた限定的ともいえる。
短期テクニカル分析
豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は9月28日午後高値をピークとして下落に転じたが、9月24日夜安値から5日目となる10月1日夕安値で目先の底を付けて反騰入りした。高値形成期は10月1日午後から5日午後にかけての間と想定されたがすでに想定時期を超えて延長入りしている。
10月6日午前高値で81.393円まで上昇して9月28日午後高値81.307円をわずかに超えているが、ダブルトップ形成水準でもあり、目先はいったん仕切り直しの下落も入りやすいところとみる。80.80円以上での推移中は上昇余地ありとするが、80.00円割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先して6日午後から8日午後にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では10月1日夕安値からの反騰で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いてその後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、高値更新が続かないと遅行スパンは悪化しやすくなるお注意し、遅行スパン悪化からは仕切り直しの下落に向かいやすいとみて安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は10月4日夜高値時と5日夜高値時に70ポイントに到達したがフラットな水準にとどまっているので弱気逆行型から下落に転じやすいところとみる。50ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが、50ポイント割れからは下げ再開として40ポイント割れを目指す流れとみる。
10月6日の売買戦略
10月1日安値からの反騰基調が継続しているが、9月28日高値とのダブルトップ形成に注意するところとみる。80.80円を割り込まない範囲は押し目買い有利として高値更新からは80円台後半(80.50円から81.00円手前)を目指すとみるが、80.80円割れからは下げ再開と仮定して戻り売り有利とし、80.50円前後試しへ向かうとみる。80.70円以下での推移なら7日も安値試しを続けやすいとみて下値目途を10月1日安値79.902円試しへ引き下げる。
10月6日の注目指標
・10/6(水)
・休場 中国
・ドイツ
・15:00 8月 製造業新規受注 前月比 (7月 3.4%、予想 -2.1%)
・15:00 8月 製造業新規受注 前年同月比 (7月 24.4%、予想 16.4%)
・ユーロ圏
・18:00 8月 小売売上高 前月比 (7月 -2.3%、予想 0.8%)
・18:00 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 3.1%、予想 0.4%)
・米国
・21:15 9月 ADP非農業部門雇用者数 前月比 (8月 37.4万人、予想 42.8万人)
・22:00 ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
・23:30 EIA週間石油在庫統計