豪ドル円 豪中銀の利上げ時期前倒しなく急落、米FOMCから戻す

2021年11月4日 豪ドル円

おはようございます。大塚亮です。

2021年11月4日の相場分析です。

概況

豪ドル円の11月2日終値は84.645円、前日比1.087円安と大幅下落した。取引レンジは85.909円から84.499円。11月3日終値は84.933円、前日比0.288円高と上昇した。取引レンジは84.977円から84.500円。

豪中銀理事会による金融政策発表が11月2日12時半にあったが、市場が予想していた利上げ時期の前倒し姿勢は見られなかったことで政策発表後は豪ドル売りが加速、ドル円も夕刻にかけて下落中だったため豪ドル円は豪ドル安と円高の両面から圧迫されて85円割れへ急落、ドル円が夕刻から反発したものの豪ドル米ドルの下落は深夜以降も続いたことで豪ドル円は当日高値から1円を大幅に超える急落で、日足は大陰線になった。

11月2日深夜安値84.499円の後は下げ渋り、3日夜の米ADP民間雇用報告で非農業部門就業者数が予想を上回る増加だったことと米10月ISMサービス業景況指数も予想を上回ったために深夜に欠けてはドル高豪ドル安が進行したものの、豪ドル円は84.500円まで下げたところで安値更新をぎりぎりで回避、米FOMCが予想通りにテーパリング開始を決定したものの利上げを急がない姿勢を改めて強調したことでドル安豪ドル高へと流れが変わり、ドル円も米長期債利回り上昇と米国株高によるリスク選好感から反発したために豪ドル円は85円手前まで反発した。

11月4日午前序盤には85円台を回復して戻り高値を切り上げてきている。

注目材料 豪中銀 YCC止めるも早期利上げ感はぼやける

豪中銀(オーストラリア準備銀行=RBA)は11月2日の定例理事会で政策金利を過去最低の0.1%で据え置いたが、2024年4月満期の豪国債利回りを0.1%に誘導するとしてきたYCC(イールドカーブコントロール=長短金利操作)を終了した。政策金利の据え置きは11会合連続となるが市場の予想通りだった。週40億豪ドルの国債購入による量的緩和を少なくとも2022年2月半ばまで維持するとの前回会合の方針は維持した。

豪中銀のロウ総裁は「基調的な物価が2023年末時点で利上げ条件となる2.5%より高くなることはない」と述べて「利上げ条件は2024年まで満たされない」としてきた従来の表現から変更したが、これについては今後の物価上昇次第での利上げ時期前倒しに含みを持たせるものと市場は受け止めたが、利上げを急がない姿勢として豪ドル売り材料となった。

YCCの中止については、10月28日から11月1日までの3営業日で2024年4月満期債の買い入れオペレーションを行わなかったことで市場も予想していた。
利上げ時期についてはあいまいな表現にとどまった印象だが、7-9月期の消費者物価のトリム平均値が前年同期比2.1%へと上昇して6年ぶりの高水準に到達しているため、市場は2024年まで利上げしないと繰り返してきた総裁のスタンスも早期利上げへと変わる可能性もあるのではないかとみていたが、総裁の表現はあいまいで早期利上げ感を強めるものではなかったとして政策発表後は豪ドル売り反応となった。

テクニカルポイント 三角持ち合いからボックス型持ち合いへ変容して確りできるか試される

9月22日安値78.837円を起点とした大上昇が10月21日高値86.248円までで一服となり、その後に10月27日高値86.052円、11月1日高値86.054円と86円台に到達したものの高値更新へ進めず、その間の安値は日々切り上げていたために「86円台序盤を上値抵抗帯として下値支持線切り上がり型の三角持ち合い」という様相だったが、11月2日の下落で支持線を割り込み、10月22日安値も割り込んだために三角持ち合い下放れとなった。

11月3日、4日午前と連騰気配で戻しているので、三角持ち合いの様相から「86円台序盤を上値抵抗帯、84.50円前後を下値支持帯とした若干右肩下がりのボックス型持ち合い」へと変容した可能性があるので、84.50円を若干割り込んでも切り返すうちはボックス型持ち合いとして持ち合い上放れへ進み、高値更新からは87円台、88円台を目指す可能性を残すと思われる。しかし4.50円割れから続落に入り84.00円も割り込むようだと10月21日高値を当面の天井とした下落期入りの可能性が高まり、83.00円、82.00円等を順次試してゆく可能性も出てくると注意したい。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

豪ドル円は10月23日未明安値を起点として上昇基調に入り、10月27日午前高値から27日夜安値へいったん下げたところを押し目底として上昇基調を継続していたが、11月3日の急落でいったん弱気サイクルに入った。しかし、2日深夜安値84.499円と4日未明安値84.500円でダブル底を形成して反騰期に入っている。高値形成期は11月1日深夜高値を基準として4日夜から8日深夜にかけての間と想定されるのでまだ上昇余地ありとみるが、84.80円を割り込むところからは下げ再開を警戒し、84.70円割れからは戻り一巡による下落期入りとみて5日夜から9日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では11月4日未明安値からの反騰により遅行スパンが好転、先行スパンへ潜り込んできている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパン上限には抵抗感が出やすいとみるが先行スパン突破からは上昇が勢い付く可能性があると注意する。先行スパンから再び転落する場合は戻り一巡からの下げ再開として遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は2日深夜と4日未明のほぼフラットな安値に対して指数のボトムが切り上がる強気逆行を発生させ上昇しているので、50ポイント以上を維持するうちは上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開に入るとみて30ポイント割れを目指すと考える。

11月4日の売買戦略

豪中銀金融政策発表からの急落はひとまず落ち着き、米連銀のFOMCから反騰入りしているが、86円台序盤での抵抗感、10月23日未明安値を割り込んだことを踏まえると、まだ本格的な上昇再開に入ったとまでは言えないところとみて、短期的には85円台後半での戻り売り有利、84.50円割れは買い戻し有利の逆張り展開と考える。

11月4日の主な予定

  • ドイツ
  • 16:00 9月 製造業新規受注 前月比 (8月 -7.7%、予想 2.0%)
  • 16:00 9月 製造業新規受注 前年同月比 (8月 11.7%、予想 11.3%)
  • 17:55 10月 サービス業PMI改定値 (速報 52.4、予想 52.4)
  • ユーロ圏
  • 18:00 10月 サービス業PMI改定値 (速報 54.7、予想)54.7)
  • 19:00 9月 生産者物価指数 前月比 (8月 1.1%、予想 2.2%)
  • 19:00 9月 生産者物価指数 前年同月比 (8月 13.4%、予想 15.2%)
  • 21:45 ラガルドECB総裁とシュナーベルECB専務理事、講演
  • 英国
  • 21:00 英中銀 政策金利 (現行 0.10%、予想 0.10%)
  • 25:50 カンリフ英中銀副総裁、講演
  • 米国
  • 21:30 9月 貿易収支 (8月 -733億ドル、予想 -729億ドル)
  • 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 28.1万件、予想 27.5万件)
  • 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 224.3万人、予想 211.8万人)
  • 21:30 7-9月期 非農業部門労働生産性速報値 前期比 (4-6月 2.1%、予想 -3.0%)
  • 21:30 7-9月期 単位労働コスト速報値 前期比年率 (4-6月 1.3%、予想 7.0%)
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