豪ドル円見通し 3連騰後の調整では81円割れを買われて確り

豪ドル円見通し 3連騰後の調整では81円割れを買われて確り 2021年12月13日

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月13日の相場分析です。

概況

豪ドルの12月10日終値は81.326円、前日比0.240円高と小幅上昇した。取引レンジは81.553円から80.831円。

オミクロン株に対する過剰な不安心理が後退したとしてNYダウが大幅連騰で切り返す中、豪ドル円もリスク選好感を回復して12月3日安値78.787円を起点に反騰入りとなり、12月6日から8日までの3日間を1日の高安レンジで1円を超える規模の大陽線の連続で上昇、V字反騰型で勢いを付けて12月9日未明には81.710円まで高値を切り上げてきた。

12月9日は3連騰一服に加えて中国恒大集団等のデフォルト問題がリスク選好感にブレーキを掛けたことで調整安となり9日夜に81円を割り込み、10日午前には80.831円まで安値を切り下げたが、81円を割り込んだところでは押し目買いされて10日夜には81.553円まで戻すなど確りした。

米11月消費者物価上昇率は高インフレの継続感を示したが市場予想通りだったことで大きな動きには発展せずNYダウも上昇したことで豪ドル米ドル、ドル円ともに落ち着いた動きだった。

注目情勢、NYダウの反騰継続

NYダウは12月10日に前日比216.30ドル高と上昇した。12月1日に34006.98ドルまで下げて11月8日に付けた史上最高値36565.73ドルからは2559ドル安の下落となっていたが、12月6日に前日比646.95ドル高、7日に同492.40ドル高と2日間で千ドルを超える反騰となり、10日も高値を切り上げてV字反騰の様相となっている。

11月8日からは高値警戒感とインフレ対策での米連銀による引き締め姿勢への転換を警戒した下落となり、欧州の感染再拡大、米連銀の利上げ前倒し感、オミクロン株発生等により売られてきたが、12月6日からはオミクロン株への過度の不安は不要として切り返しに入った。中国恒大集団などのデフォルト懸念を気にしつつも10日には高値を切り上げているため、景気回復の継続、インフレ進行での量的緩和縮小や利上げの前倒しでも低金利水準は維持されるとしてリスク選好で動いている。

10月25日から大幅下落してきた原油市場も反騰しており、米国株高によるリスク選好感に加えて原油反騰による資源通貨買いの動きが豪ドル米ドルの反騰につながり、株高債券安による米長期債利回り上昇がドル円を押し上げるため、豪ドル円としては豪ドル米ドルの反騰とドル円の確りが重なっている印象だ。

注目情勢 12月16日の主要中銀金融政策決定会合と豪雇用統計

12月16日は未明から重要イベントが続く。

12月14-15日開催の米連銀FOMCは16日未明に声明発表と議長会見があるが、バイデン政権によるインフレ対策を最優先課題とするとの姿勢を踏まえて再任されたパウエル米連銀議長はテーパリングの早期終了と利上げ時期の前倒し姿勢を打ち出すのではないかと思われる。

12月16日夜には英中銀金融政策委員会があるが利上げは見送られそうだ。10月時点では11月と12月の2会合連続でインフレ抑制のための利上げを決定するのではないかとの予想も浮上していたが11月に見送られ、今回も英欧の感染再拡大を踏まえて現状維持が予想されている。16日夜にはECB理事会があるが大きな決定は来年2月会合まで避けられるとして現状維持が予想されている。

12月16日午前には豪11月雇用統計の発表もある。市場予想では失業率が10月の5.2%から5.0%へ改善、就業者数も10月の4.63万人減から20.0万人増へ大幅な改善が見込まれる。豪ドル円が全般的なリスク選好感で上昇基調にあれば豪雇用統計の良好さから豪ドル買いも進みやすいタイミングになる可能性が考えられる。

主要中銀の金融政策発表を見ながらリスク選好的な株高原油高と共に豪ドル米ドルが上昇基調を維持できるかどうか、その際に円安も重なって押し上げに勢いがつくのか、ドル高感が強まって豪ドル米ドルの上昇にブレーキがかかりながら円安に支えられる展開か、年末へ向けての流れを決める重要な1日になりそうだ。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

12月4日早朝安値を起点とした上昇が12月9日未明高値で一巡して調整安に入ったが、12月10日午前安値から持ち直しているため、4日早朝安値から4日目の10日午前安値で底を付けて新たな上昇期に入ってきたと思われる。9日未明高値を超えないうちはダブルトップにとどまる可能性もあるが、高値更新からは13日深夜から16日未明にかけての間への上h相が想定される。ただし12月10日午前安値割れからは底割れによる下落期入りとして15日午前から17日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月10日午前安値からの持ち直しで遅行スパンが好転、先行スパンを割り込むところは買い戻されているため、遅行スパン好転中の高値試し優先とする。弱気転換は10日午前安値割れからとし、その際は遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は12月9日夜から10日午前への安値切り下がりに対して指数のボトムが切り上がる小規模な強気逆行を見せて30ポイント台から50ポイント超えへ戻し、その後も50ポイントを割り込んだところは買い戻されているのでまだ上昇余地ありとみる。ただし10日午前安値を割り込む場合は30ポイント以下への反落を想定する。

12月13日の売買戦略

3連騰後の調整安を消化しつつ81円割れは買われて確りしており、高値切り上げへ向かう流れとみて押し目買い有利の状況と考えたい。

80.10円から80.90円にかけてのゾーンは押し目買いされやすく、12月9日未明高値81.710円を超える場合は82円前後への上昇を想定する。82円前後はいったん売られやすいとみるが81.25円以上での推移なら14日も高値トライへ向かいやすいとみる。

リスク回避材料などを伴って12月10日安値80.831円を割り込む場合は80.65円から80.35円にかけてのゾーンを試すとみる。また81円以下での推移が続く場合は調整安の継続で14日も安値試しへ向かいやすいと注意する。

12月13日の主な予定

OPEC月報

今週の豪州関連主な予定

  • 12/14(火)
    ー09:30 11月 NAB企業景況感指数 (10月 11)
  • 12/15(水)
    ー08:30 12月 ウエストパック消費者信頼感指数 (11月 105.3)
    ー28:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)
  • 12/16(木)
    ー09:30 11月 新規雇用者数 (10月 -4.63万人、予想 20.00万人)
    ー09:30 11月 失業率 (10月 5.2%、予想 5.0%)
    ー21:00 英中銀金融政策委員会
    ー21:45 欧州中銀理事会
  • 12/17(金)
    ー日銀金融政策決定会合
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