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おはようございます。大塚亮です。
2021年12月13日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の12月10日終値は150.444円、前日比0.465円高と小幅上昇した。取引レンジは150.510円から149.671円。
オミクロン株に対する過度の不安が後退したとして12月4日早朝安値148.983円から7日夕高値151.127円まで切り返したが、英国での感染拡大が収まらない中で規制強化が始りポンドドルが失速し、ポンド円も8日夜に149.360円へ下落、その後は新たな安値更新を回避しているものの9日夜と10日深夜に150円を割り込むなど150円を挟んだ揉み合いにつかまっている。
注目情勢 英国の感染拡大続き、オミクロン株も流入
英国での新型コロナウイルス新規感染者数は連日のように5万人を前後する高水準が続いているが、感染力の高いオミクロン株も流入し始めており、全体の新規感染者に占める比率はデルタ株と比較して少ないものの、オミクロン株の感染確認は日々倍増してる。
英保健安全保障庁(UKHSA)は12月10日にワクチンのブースター接種により70~75%予防できるとの見通しを示し、現状では軽症者が多いとしたことはやや安心感をもたらせているが、12月8日にジョンソン政権は行動規制の強化に乗り出しており、在宅ワークの推奨や公共の場でのマスク着用を求めている。ブースター接種による効果はありそうだが、ファイザーもモデルナもオミクロン対応ワクチンの開発に着手していることは現状のワクチンでは効果にも限界があることを示しており、デルタ株と比較しての重症化率が低いとされていることについてもまだ発生確認から間がないため充分なデータは揃っていないと思われる。
欧州の感染再拡大はオミクロン株発生報道以前から深刻化していた問題であり、そこにオミクロン株も流入してくることで年末年始の商戦への影響も心配されるところだ。
テクニカルポイント、150円を挟んだ持ち合い下放れリスクと鍋底形成期待
ポンド円は11月26日からの急落が12月4日早朝安値でひとまず落ち着いているが、12月7日夕高値で151.127円まで戻した後は新たな高値更新へ進めず、150円を割り込んだところは買い戻されているものの上値の重さも見られる。
今年3月に150円を超えて一段高した後は、7月20日安値148.458円を最安値としつつ8月20日や9月21日の150円割れはいずれも切り返しの上昇へ進んでおり、150円弱から148円台までが岩盤的な下値支持帯を形成してきた。11月26日からの急落で150円を割り込んだ後も150円割れを買われて確りしているため、7月や8月等のように今回も下値支持帯に支えられて切り返しに入る可能性が期待されるところだが、150円を割り込んで数日のうちにV字反騰に入るようなこれまでの勢いがみられずに日足レベルでは150円を挟んだ下げ渋りの持ち合い程度にとどまっている。
60分足で見れば、12月4日早朝安値までは戻り高値切り下がり基調だったところ、4日早朝からは高値切り上げへは進めずにいるものの8日夜から9日夜、10日夜と安値を切り上げてきているため鍋底型を形成しつつある印象となっている。
12月7日夕高値151.127円を超えてくれば底上げ基調に加えて高値切り上げにも入るため鍋底形成からの上昇再開感が強まり、持ち合い上放れに入る可能性が高まると思われるが、12月7日高値を超えないうちは持ち合い下放れへ向かう懸念が残る。
短期テクニカル
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。
12月4日早朝安値を起点としは反騰は12月7日夕高値でいったんピークを付けて下落に転じたが、12月4日早朝安値から3日半となる12月9日夜安値から持ち直しに入っている印象だ。このため12月9日夜安値割れ回避のうちは14日夕刻にかけての間への上昇余地ありとするが、再び150円を割り込む場合は下げ再開注意とし、9日夜安値割れからは新たな下落期入りとして14日夜から16日夜にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では150円を挟んだ揉み合いが続いているために方向感に乏しい。12月13日午前時点では両スパン揃って好転しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、両スパン揃って再び悪化するところからは下げ再開を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は12月9日夜から持ち直し基調で推移しているので50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復する内は70ポイントを目指す上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント前後への低下へ進むとみる。
12月13日の売買戦略
150円を挟んでの揉み合い状態のため、151円前後では戻り売り、149円台後半では押し目買いの逆張り展開中と思われるが、持ち合い放れからはトレンドの発生としてその流れに乗りたいところ。
12月7日夕高値151.127円超えからは持ち合い上放れと仮定して151円台中盤(151.30円から151.70円)へ向かう流れとし、9日夜安値149.488円割れからは持ち合い下限となる4日早朝安値148.983円試しとし、底割れからは下落期間の長期化を踏まえて148円割れを目指す流れへ進むのではないかとみる。
12月13日の主な予定
特になし
今週の英国関連主な予定
- 12/14(火)
ー16:00 11月 失業保険申請件数 (10月 -1.49万件)
ー16:00 11月 失業率 (10月 5.1%)
ー16:00 10月 失業率・ILO方式 (9月 4.3%、予想 4.2%)
- 12/15(水)
ー16:00 11月 消費者物価指数 前月比 (10月 1.1%、予想 0.4%)
ー16:00 11月 消費者物価指数 前年同月比 (10月 4.2%、予想 4.8%)
ー16:00 11月 消費者物価コア指数 前年同月比 (10月 3.4%、予想 3.7%)
ー16:00 11月 小売物価指数 前月比 (10月 1.1%、予想 0.3%)
ー16:00 11月 小売物価指数 前年同月比 (10月 6.0%、予想 6.7%)
ー28:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)
- 12/16(木)
ー18:30 12月 製造業PMI速報値 (11月 58.1、予想 57.6)
ー18:30 12月 サービス業PMI速報値 (11月 58.5、予想 57.0)
ー21:00 英中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 0.10%、予想 0.10%)
ー21:45 欧州中銀理事会
- 12/17(金)
ー日銀金融政策決定会合
ー16:00 11月 小売売上高 前月比 (10月 0.8%、予想 0.8%)
ー16:00 11月 小売売上高 前年同月比 (10月 -1.3%、予想 4.2%)
ー16:00 11月 小売売上高・除自動車 前月比 (10月 1.6%、0.8%)
ー16:00 11月 小売売上高・除自動車 前年同月比 (10月 -1.9%、予想 2.3%)
ー18:00 12月 IFO企業景況感指数 (11月 96.5、予想 95.2)