ポンド円見通し ポンド高とドル円の一段高で154円台回復

ポンド円

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月28日の相場分析です。

概況

ポンド円の12月27日終値は154.420円、前日比1.106円高と大幅上昇した。取引レンジは152.945円から154.461円。

12月24日は米独市場が休場、27日は英国市場が休場で手掛かりに欠けていたものの、27日はNYダウが4連騰となり金融市場全般のリスクオン優勢感を継続したことでドルストレートではドル安、クロス円が全面高となり、ポンド円はポンドドルの上昇とドル円が115円手前へ一段高したことで両面から押し上げられて当日の高安で1円を超える大陽線での上昇となった。

注目情勢 NYダウ4連騰で為替市場もリスクオン優勢の展開

先週末からは英国での新規感染者12万人超えや米国等主要国での感染拡大、中国西安での感染増などで感染拡大による先行き不安を助長する報道も相次いだが、オミクロン株の重症化率は低いとの認識が広まっていることで感染急増でもリセッション入りには至らないとして株高基調が続いている。

NYダウとナスダック総合指数は12月21日から27日にかけて4連騰の上昇となり金融市場全般のリスクオン優勢感を助長した。このためポンドドルは27日夜に23日深夜高値を超えて一段高に入り12月8日以降の高値を更新し、ドル円もクロス円全般の上昇を背景に114.90円台へ上昇して11月24日高値115.51円に迫り始めた。

注目情勢 英国は年内の規制強化せず

12月24日に英国における新規感染者数が12万人を超えて過去最多となったが、ジョンソン英首相はクリスマス前の規制強化は行わないとしてそのままクリスマスに突入した。英国の新規感染者数は12月25日に11.3万人、26日に10.7万人、27日も9.8万人と高止まりしているが、ジョンソン首相は27日に年内の規制強化をせずに年明けに判断するとした。

英国では規制強化に反対する官邸デモが発生するなど国民の規制強化への抵抗感は根強い。爆発的な感染増でも医療崩壊にはまだ至らず、死者も以前の感染爆発時と比較すればかなり少ない。ファイザーやモデルナのワクチン・ブースター接種による有効性や経口治療薬の承認が相次いでいることも踏まえ、このまま感染増状態のまま経済を回すウイズ・コロナ政策を継続する姿勢のようだ。

ただし、EU離脱の影響もあって人出不足により物流停滞となってガソリン在庫が店頭から消える騒ぎも発生した経緯もあり、英国民の自主的な行動規制やサプライチェーンの世界規模での停滞等による景気への悪影響も懸念される。今のところはこのまま景気回復を続けるとの楽観が優勢ではあるが危険な橋を歩んでいる状況ともいえる。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。

12月20日夜安値を起点とした上昇が12月23日深夜へ一段高したところからの上げ渋りでひとまずピークを付けたとし、27日時点では23日深夜高値を超えないうちは下落余地ありとしたが23日深夜高値超えからは新たな上昇期入りとして28日夜から30日深夜にかけての間への上昇を想定するとした。

12月27日夜に一段高に入りその後も154円台を維持しているので現状は12月27日朝安値を起点として新たな上昇期入りしたところと思われる。153円台後半までを下値支持帯として上昇継続とし、弱気転換は27日朝安値割れからとする。

60分足の一目均衡表では12月24日夜の下落で遅行スパンが悪化したが27日の一段高により再び好転している。27日朝に先行スパンへ若干潜り込んだところから上抜けている。このため遅行スパン好転中の高値試し優先とする。遅行スパンが悪化するところからはいったん下げに入るとみるがその際は先行スパンが下値支持帯になりやすいとみて遅行スパンがその後に好転するところからは上昇再開とする。

60分足の相対力指数は12月27日深夜に80ポイントまで上昇してから低下しているが、相場が高値を切り上げる際に指数のピークが切り下がる弱気逆行は見られないので50ポイント以上を維持するうちは70ポイント超えから上昇再開とみる。

12月28日の売買戦略

150円割れを何度も切り返してきたパターンを今回も継続して切り返しに入っているが、上昇の勢いとしては10月1日から10月20日高値への上昇時に近い印象がある。当面は押し目買い有利で155円、156円を段階的に試してゆく流れとみる。

154.0円から153.70円にかけてのゾーンは押し目買いされやすいところとみる。

28日早朝高値を超えるところからは155円台序盤へ向かうとみる。

12月28日の主な予定

  • 休場、NZ、豪、英国、カナダ
  • 米国
    ー23:00 10月 米連邦住宅金融局(FHFA)住宅価格指数 前月比 (9月 0.9%)
    ー23:00 10月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (9月 19.1%、予想 18.5%)
    ー24:00 12月 リッチモンド連銀製造業指数 (11月 11、予想 11)
    ー27:00 財務省5年債入札