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おはようございます。大塚亮です。
2021年12月6日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の12月3日終値は149.311円、前日比1.225円安と下落した。取引レンジは150.755円から149.983円。
オミクロン株発生と世界規模の感染拡大による先行き不安を背景にリスク回避的な動きに圧されて11月26日の急落以降、6日連続で10月20日高値158.219円以降の安値を更新している。
12月2日は150.798円までいったん戻して7日ぶりに日足は陽線となっていたが、12月3日は米雇用統計発表後のドル高に圧されてポンドドルが下落、ドル円もいったん上昇したところから米10年債利回り低下を見て失速したことでポンド円はポンド安と円高が重なったために前日比で1円を超える下落となった。
11月26日以降は6日連続で10月20日以降の安値を更新している。
テクニカルポイント 150円割れから切り返しきれず
ポンド円にとっては150円を割り込んだところで買い戻されて反騰を繰り返してきたため、現状の150円割れに対しても同様の切り返しへの期待感がもたれるところだが、12月2日にいったん150円台を回復したものの12月3日に再び150円を割り込んでこの間の安値も更新しているため、今回は150円割れからの切り返しへ進めない可能性も懸念される状況だ。
今年4月以降、4月23日の149.070円、7月20日の148.458円、9月21日の148.947円等の150円割れに際しては、150円を割り込んだ当日から3日ないし4日以内に切り返しに入ってきた。しかし今回は11月30日に150円を割り込んでからすでに4日を経過、12月6日で5日目に入っている。ここで切り返せないようだと150円弱から148円台までの下値支持帯からの転落となり下げ足が速まる可能性が出てくる。
注目情勢 オミクロン株の感染拡大続く
12月6日早朝時点でオミクロン株の感染は日本を含め世界の42の国と地域で確認されている。アジア・オセアニアでは11月26日時点で香港だけだったが、日本、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、スリランカ、オーストラリアへ拡大した。カナダに続いて米国も感染拡大に入り15州に及んでいる。特に欧州では独英仏伊等19か国に拡大しており、全域で感染拡大中とみられる。
オミクロン株による死者は出ていないため、軽症で済むということになれば市場心理も楽観へと切り替わりリスクオン優勢の展開へ進む可能性があるが、欧州の感染状況が悪化の一途であることを踏まえればリスクオンへシフトするのは時期尚早だろう。
英国の新規感染者数は12月2日に5万人を超え、フランスも5万人超え、ドイツも7万人超えで過去最多の状況が続いている。
英中銀 利上げも難しくなる
12月16日に金融政策委員会(MPC)が予定されている。
10月時点ではインフレ進行を踏まえて11月と12月の二回の利上げ予想も出ていたが、11月には委員9名中7対2で現状維持が決まった。
英中銀MPCのマン委員は11月30日に「オミクロンが消費者信頼感の打撃となり英経済の回復が弱まる可能性がある」とつつ「オミクロン株がインフレを押し上げる可能性もある」として利上げ時期や利上げ幅を語るのは時期尚早だと述べた。
ベイリー総裁は12月1日に「オミクロン株の影響についてはパンデミック開始時と比べると薄れているものの影響はなお強い」と警戒感を示した。総裁は利上げの準備に入る状況という認識を11月には何度か示してきたが、積極的な利上げ姿勢には至らない印象の発言が目立っている。
過去2回のMPCで利上げを主張してきた2人のうちの1人であるソーンダーズ委員は12月3日に「オミクロン株に関するより多くの情報を得てから12月の金融政策委員会でどのように投票するか決めたい」として従来よりも慎重な態度を示したが、「利上げを待ちすぎることにリスクもあり、利上げが遅れれば痛みを伴う急速な金融引き締めが必要になる恐れがある」とも述べている。
先行き不透明感による雇用改善へのブレーキ、サプライチェーンの混乱がさらに続いて物資不足的なインフレの進行、景気鈍化とインフレの混在によるスタグフレーション化も警戒される。
短期テクニカル
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。
12月1日未明安値と12月2日朝安値の両安値をダブルボトム型として持ち直したが150円台中盤での揉み合いにとどまって12月3日夜に一段安しているため、現状は12月2日夜高値を起点として下落期入りしている状況と思われる。このため12月2日夜高値を超えないうちは7日朝から9日朝にかけての間への下落余地ありとするが、12月1日未明亜y脛から3日目となる12月4日早朝安値で目先の底を付けて戻す可能性も若干あるとみて、150円台回復からは151円台を目指す流れへ進むのではないかとみる。
60分足の一目均衡表では12月3日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からはいったん戻す可能性があるとみて高値試し優先とするが、先行スパンを上抜けないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下げ再開とみる。
60分足の相対力指数は12月3日夜からの下落で20ポイント台序盤へ低下してから戻しているが50ポイントに到達できずにいるのでもう一段安余地ありとみる。相場が一段安する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰入り注意とし、50ポイント超えからは戻しに入る流れとみて60ポイント台回復を目指すとみる。
12月6日の売買戦略
揉み合い状況で小動きとなったところから1円を超える急落を繰り返し、リバウンドでも1円を超えてきているが戻り高値は切り下がって一段安を繰り返しているので、当面は戻り売り有利の状況と考える。
150円割れを切り返してきたこれまでのパターンを繰り返すためには151円到達まで戻す必要があると仮定し、149.90円から150.30円までのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。149.30円以下での推移中は下向きとし、安値更新からは148円前後試し、下げ足が速まる場合は147円台後半へ下値目途を引き下げる。
12月6日の主な予定
- ユーロ圏
ー16:00 10月 製造業新規受注 前月比 (9月 1.3%、予想 -0.3%)
ー16:00 10月 製造業新規受注 前年同月比 (9月 9.7%、予想 5.5%) - 英国
ー18:30 11月 建設業PMI (10月 54.6、予想 54.2)
ー20:30 ブロードベント英中銀副総裁、講演
今週の英国関連主な予定
- 12/7(火)
ー09:01 11月 英小売連合(BRC)小売売上高 前年同月比 (10月 -0.2%) - 12/9(木)
ー09:01 11月 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数 (10月 70、予想 70) - 12/10(金)
ー16:00 10月 月次GDP 前月比 (9月 0.6%、予想 0.4%)
ー16:00 10月 鉱工業生産 前月比 (9月 -0.4%、予想 0.1%)ー16:00 10月 鉱工業生産 前年同月比 (9月 2.9%、予想 2.2%)
ー16:00 10月 貿易収支・物品 (9月 -147.36億ポンド、予想 -144.00億ポンド)
ー16:00 10月 貿易収支・全体 (9月 -27.77億ポンド、予想 -24.00億ポンド)