豪ドル円見通し NYダウとNY原油が連騰、リスクオン優勢で豪ドルも3連騰

豪ドル円見通し NYダウとNY原油が連騰、リスクオン優勢で豪ドルも3連騰

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月9日の相場分析です。

概況

豪ドル円の12月8日終値は81.531円、前日比0.702円高と続伸した。取引レンジは81.710円から80.674円。

11月26日のオミクロン株発生報道からの急落が12月3日安値78.787円までで下げ止まり、12月5日のファウチ氏発言をきっかけとしてオミクロン株への過剰な悲観が後退、一転してリスク選好へと流れが変わり12月6日に80円台を回復、12月7日に前日比0.810円高と続伸、8日も当日の高安で1円を超える大陽線で3連騰となった。

オミクロン株への悲観後退

11月26日に南ア周辺で発生した新変異種で感染力の高いオミクロン株に関する報道から金融市場全般が動揺してがリスク回避感を強めたことで10月後半から下落していた豪ドル米ドルが一段安となり、ドル円も急落したことで豪ドル円は10月21日高値86.248円からの下落が一段と加速して12月3日安値78.787円まで大幅下落となった。しかし12月6日に米国立アレルギー感染症研究所長のファウチ氏が「オミクロン株の重症化率はそれほど高くない可能性」に言及したことをきっかけに金融市場全般がやや過剰に悲観し過ぎた流れの修正に入った。

NYダウは12月6日と7日の連騰で千ドルを超える上昇となり8日も続伸したが、NY原油もオミクロン株の感染拡大による景気後退と原油需要減少懸念を払しょくしてダウと同調して連騰している。

オミクロン株は既に世界53か国以上へ感染拡大が及びオーストラリアでも感染例の確認が相次いでいるが、デルタ株以上の重症化率ではないとすれば、厳しい経済活動規制による景気後退には至らずに景気回復が続くとの楽観見通しが一挙に増長した。

12月7日に英製薬大手グラクソ・スミスクライン社が抗体治療薬ソトロビマブがオミクロン株に有効と発表し、12月8日には米ファイザーが同社ワクチンのブースター接種がオミクロン株にも有効と発表したことで安心感が拡大している。

オミクロン株発生以前にデルタ株の感染拡大が欧州で深刻化していること、感染爆発が落ち着いたアジアでのオミクロン株拡大等は今後への不安を残すが、ひとまず金融市場全体がリスクオンへと舵を切った印象だ。

豪ドル円、3日連続の大陽

豪ドル円は12月6日から8日までの3日間、1日の高安レンジで1円を超える日足大陽線を連続させてV字反騰している。

豪ドル米ドルが同じく3連騰で戻しているものの2月25日以降の最安値を更新したところからの反騰のためにまだ反騰継続性への懸念を残すものの、豪ドル円は豪ドル高と円安が重なっての上昇のために勢いがついている。12月3日安値では9月22日安値及び8月20日安値を割り込まない範囲にとどまっての切り返しとなっているため、10月21日高値からの下落が一巡して反騰期に入ってさらに高値追及を続けやすい流れと思われる。

オミクロン騒動による下落からの切り返しのため、オミクロン株の重症度が高いという情報が出てくるようだと流れは再び悲観に変わる可能性もあると注意するが、連騰後の調整安を押し目形成として高値切り上げへ進めれば10月21日高値からの下落幅に対する半値戻し82.517円、さらに83円台乗せからは84円に迫る可能性も出てきていると思われる。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

11月26日からの大幅下落が12月4日早朝安値で一巡となりその後は持ち直しの上昇が続いたため、12月6日午前時点では12月4日早朝安値を起点とした上昇期に入っているとして高値形成期を12月1日夕高値を基準に6日午後から8日夕にかけての間と想定した。既に想定した高値形成期を超えて延長入りしている状況にあるが、12月8日夜の小反落時の安値80.674円を上回るうちは週末から週明けにかけての続伸余地ありとみる。12月8日夜安値割れからはいったん調整安に入るとみて9日午後から13日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月7日早朝への上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いたが、その後も両スパン揃っての好転を続けているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし連騰後の反動安にも注意がいるため遅行スパンが悪化するところからはいったん下げに入るとみて安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は12月7日午後から9日未明への高値切り上げに際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため、50ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが、50ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント台への低下を伴う下落を想定する。

12月9日の売買戦略

3連騰後の反動安も警戒したいところだが、反落したところは次の上昇起点となりやすいとみて押し目買い有利、大きく突っ込んだところは買い拾われやすい展開とみる。

高値更新が続く場合は82円台序盤(82.00円から82.25円)を試すとみるが82円以上は反落警戒圏とみる。
81円割れからは12月8日夜安値80.674円試しとし、さらに割り込む場合は80.30円前後への下落を想定するが、80.67円以下は段階的に押し目買いされやすい水準とみる。

12月9日の主な予定

  • ドイツ
    ー16:00 10月 貿易収支 (9月 162億ユーロ、予想 143億ユーロ)
    ー16:00 10月 経常収支 (9月 196億ユーロ、予想 170億ユーロ)
  • 米国
    ー22:30 新規失業保険申請件数 (前週 22.2万件、予想 23.0万件)
    ー22:30 失業保険継続受給者数 (前週 195.6万人、予想 191.0万人)
    ー24:00 10月 卸売売上高 前月比 (9月 1.1%)
    ー27:00 財務省30年債入札
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